撮影111120
♀や♂に加え、こんなマークが必要な世の中になったのでは・・・。
経堂
鼓堂
灯籠
■ 富山県高岡市の勝興寺。先週末、氷見へ行く途中に訪ねました。
本堂をはじめとして、何棟もの建造物が広大な伽藍を構成しています。江戸時代に建立された12棟が重要文化財に指定されているとのことです。現在、平成の大修理が進められていて、その全容をきちんと見ることができないのは残念でした。
経堂(写真上)のような方形の屋根だと雨仕舞の上でも、単なる見た眼の上でも頂部(先端)のデザインが気になります。また、鼓堂(写真中)のような建造物だと、火の見櫓との関連性からそのデザインがやはり気になります。
そして灯籠(写真下)。ここで注目はやはり頂部のデザイン。下り棟の先端につけられた蕨手は火の見櫓にもよくあります。このような昔のデザインには必ず意味があるはずです(今のデザインは特に意味のない「単なる」デザインも多々あります)。では一体この蕨手にはどんな意味があるのでしょう・・・。気になります。
『黄いろい船』
『どくとるマンボウ青春記』
『どくとるマンボウ途中下車』
『どくとるマンボウ追想記』
『どくとるマンボウ昆虫記』
『どくとるマンボウ航海記』
『夜と霧の隅で』
以上読了
次は
『白きたおやかな峰』新潮社。
その前に『私が源氏物語を書いたわけ』山本淳子/角川学芸出版 を読むことにする。
■ 先週末は富山県氷見市で忘年会だった。その帰路、南砺市井波の瑞泉寺を訪ねた。この寺は本願寺第5世綽如上人(しゃくにょしょうにん)の開創、後小松天皇の勅願所だとパンフレットにある。 勅願所って? 天皇の祈願によって建立された寺のことだとネットで知る。
歴史に強い人なら後小松天皇は室町時代というか南北朝時代の北朝の最後の天皇だと分かるのだろうが、私のような歴史の疎い者はこのことをネットで検索して知ることになる。そしてあの一休さんの父親だという有力な説もあることも知る。へ~、そうなんだ・・・。
太子堂 大正7(1918)年の再建。
山門 文化6(1809)年に上棟式。
本堂と太子堂を結ぶ回廊、繰り返しの美学。
本堂や太子堂の大きくて重厚な造りに圧倒される。太い柱や床の厚い無垢板はケヤキだ。ケヤキの巨木をかなり集めないと出来ない事業であることがわかる。戦前までは今と違って林業が健全だったからできたのだろうが、今はもうこれだけの木材を集めることは不可能に近いのではないか。
昔は富山など北陸地方は政治も経済もそして文化も今よりずっと京との結びつきが強かったのだろう。だからこのような立派なお寺ができたのだと推察する。
井波というところは木彫で有名なところのようで(井波彫刻、知らなかった・・・)、街中に看板を下げている店がいくつもあり、欄間や仏像、工芸美術品などを展示してあった。
富山往復の観光バスの中では昼間っから、いや朝からビール、ビールだった。でもちゃんと古刹の見学もしたのだ。 (^^)v
■ 10月24日に亡くなった作家・北杜夫の作品を再読中。
11月はどくとるマンボウシリーズを読んだ。作品を評するキーワードは少年期、青年期の「追憶」と少年のような「純粋性」、そして「ユーモア」。
他には写真集「火の見櫓」石川元之/第三書館と『個人美術館の愉しみ』赤瀬川原平/光文社新書、『木をめぐる対話』木材活用推進協議会を読んだ。
写真集「火の見櫓」。趣味とするに足る広くて深い火の見櫓の世界。モノクロ写真だから色というデザイン要素が排除されているのは残念。
早いもので月1のブックレビューも今回が70回目。平均5冊として350冊か・・・。
■ 富山湾は天然のいけすといわれ、四季折々で数百種の魚が獲れるとのことだが、この季節はブリだ。昨晩(3日の夜)は氷見の人気の宿で忘年会だった。露天風呂、ブリしゃぶ、うまい酒。今回の旅行を企画してくれたSさん、Kさんに感謝。
光彩 宿の部屋から 撮影111204朝
荒涼とした冬の日本海。ワンカップの日本酒をちびちびやりながら鈍行で北上する。ああ人生は孤独だな~、とかなんとか演歌な想いにふける。鄙びた街で下車、投宿。露天風呂につかりながらしばし来し方を回想する・・・。
いつかしてみたいと思っている旅とは趣が全く違う賑やかで楽しい旅行だった。
■ 五重塔はこれまで地震による倒壊例がないという。その秘密は心柱の制振効果にあるといわれている。東京スカイツリーにも鉄筋コンクリート造の円筒(=心柱、内部は階段室)が設置されていて話題になっているが、五重塔の心柱にどの程度の制振効果があるのかはよく分かっていないようだ。
『五重塔のはなし』/建築資料研究社を読み始めた。
Q&A方式で書かれている。原則として1項目見開き2頁でQ73まである。Qは多岐にわたるがそれぞれのAは分かりやすい。Q43は「塔の寸法に決まりはあるか?」。Aで塔のプロポーションや各部の寸法決定のプロセスが解説されている。
濱島正士氏(文化財建造物保存技術協会会長)による「五重塔の見かた」というタイトルの五重塔の解説は専門的で難しいがなかなか興味深い。日本の木造技術は奥が深いということを再認識した。
この本でも触れている逓減率については以前書いた(過去ログ)。火の見櫓のプロポーションを数値化するのにも有効な概念だ。