週末東京 その1
■ 「何」を書くか、「どう」書くか。
「何」を書くか。相手に伝えたいこと、主張したいことを書く。これは技術的な問題ではないから、人から教えてもらうことはできない。でもこれが一番重要なことだろう。
「どう」書くか。文章の書き方の指南書は多い。先週末(3月24日)上京する際、電車の中で読んだ『20歳の自分に受けさせたい文章講義』古賀史健/星海社新書も「書く技術」に関する本。著者の古賀さんがプロのライターとして実践してきた文章の書き方を伝授するという内容。
説得力のある、わかりやすい文章を書くにはどうすればいいか。本書を読んで、なるほどと思ったことを以下にまとめておく。
○映画やテレビドラマなどの映像表現を参考にした序論、本論、結論という構成。俯瞰的な遠景による導入、序論。半径数メートルの映像、近景による本論。そして再びカメラを退いた遠景、つまり客観的な視点に立った結論。
先日観た「戦火の馬」は確かにイギリスの緑の大地の俯瞰的な遠景に始まり、紅色に染まる夕景の大地に主人公の家族が立つシーンで終わった。オーソドックスな表現だった。あのような構成を意識するということか。でもいきなり近景からスタートする映画だってあるよな・・・。サスペンスは、唐突に近景で始まることが多い。要は伝えたい内容に相応しい表現法を使えばいいのだ、と理解しておこう。
○マトリョーシカ人形のような論理構造。「主張」、「理由、「事実」 文章の3要素を常に意識する。 3層構造の文章。
○理路整然としすぎた文章には、付け入るすきがない。読者が議論のテーブルに参加できるように「寄り道」をする。
適度な冗長性も文章には必要ということなのかな。このことは文章の性格、どんな文章なのかにもよるだろう・・・。
○「何を書くか?」ではなく「何を書かないか?」 野菜ジュースとオレンジジュース。野菜ジュースはニンジンなのか、リンゴなのか、セロリなのか、何を飲んでいるのか分からない。伝わる文章はオレンジジュース。本当に書きたいことは何か、自己分析の作業が必要だ。
でもオレンジのことだけでなくリンゴにも触れたいし、セロリのことも同時に書きたい・・・。発散型人間には難しいなぁ。