透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

― 火の見櫓観察のポイント

2012-10-08 | A 火の見櫓っておもしろい

火の見櫓観察のポイント(改訂121008)を載せる。


1 火の見櫓の立地、環境

10 周辺の状況・環境、観察時の季節や天候、時間など 
11 消防団詰所(屯所)、消防倉庫の有無、火の見櫓との位置関係と両者の形や色などのバランスなど
12 観察者の主観的な印象
13 その他

2 火の見櫓の全体の様子 

20 形式:1本柱、梯子型(2本柱)、櫓型(3本柱、4本柱 その他の型)
21 櫓の高さ、脚の長さ、脚間長さ
22 プロポーション:上方への絞り方(櫓が描く曲線の様子) 総高/脚間長さ、逓減率
23 屋根と見張り台の形、大きさ及びバランス
24 色
25 メンテナンス 損傷の有無 発錆状況など
26 その他


3 火の見櫓を構成する各部の様子

30 屋根の有無 屋根の形(平面形と立体形)と飾り(避雷針と飾り、蕨手、その他)
31 半鐘の有無 半鐘の設置位置、形(梵鐘形(表面の様子)、ドラ形) 半鐘用の小屋根の有無 形
32 見張り台の有無 見張り台の平面形、床の構成、手すりのデザイン
33 踊り場の有無 踊り場の平面形、床の構成、手すりのデザイン
34 櫓の平面形(3角形、4角形、その他)と立体形、構成部材の種類(鋼材、木材、石、コンクリート、その他)、寸法、接合方法(鋼材:ボルト、リベット、溶接)、ブレース(筋かい)の材料と構成  
35 梯子の設置の仕方(櫓の内部、外部、櫓の横架材利用)構成部材 手すりの有無など
36 脚部のデザイン 単脚、複合脚(トラスの組み方やアーチの有無 カーブの様子) 
37 基礎:独立基礎、一体型(塊状)基礎
38 消防信号表示板の有無 銘版の有無と記載内容(製造所名、製造年、寄贈者名など)
39 付加されているもの スピーカー、サイレン、アンテナ、照明、ウインチ、ホース掛けなどの有無  その他


4 その他 


364~366 富士見町の火の見櫓 その1

2012-10-08 | A 火の見櫓っておもしろい

 中央道を諏訪南で下りて国道20号線を南下し、長野県富士見町と山梨県北杜市の火の見櫓巡りをした。


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富士見町富士見御射山神戸


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富士見町落合瀬沢

生活道路の脇に立つ火の見櫓  美しいプロポーション



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ブレースが無く柱材と横架材だけで構成された櫓。そう、これは梯子ではなくて櫓。正面は梯子兼用。

上の写真火の見櫓(2)より古い、と声をかけてくれた近所のおばちゃんから聞いた。今は消防団員が少なくなってこの火の見櫓の半鐘は叩かないそうだ。

富士見町落合瀬沢


 


374~377 富士見町の火の見櫓 その4

2012-10-08 | A 火の見櫓っておもしろい



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富士見町落合瀬沢

柱が1本だから火の見柱。2本なら火の見梯子、3本、4本、それ以上の場合は火の見櫓。柱が5本もある火の見櫓は見たことがないが、広い世の中、どこかにあるかもしれない・・・。


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富士見町富士見


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富士見町富士見神戸


やはり南信方面は平面形が4角形の櫓が多いという印象。


349~355 北杜市の火の見櫓 その1

2012-10-07 | A 火の見櫓っておもしろい

ヤグラ―な休日

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北杜市小渕沢町宮久保

神社の境内に立つ火の見櫓。見張り台に設置されているスピーカーの向きがおかしいとかで、祭典で集まっていた年配の男性のうちのひとりががするすると登っていって、直していた。


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北杜市小渕沢町宮久保

さてこれは櫓か梯子か・・・。これは控え柱付きの梯子とみる。このような簡易な火の見梯子を何基か見かけた。


車で移動していると、後続車があって停車できなかったり、適当な空地が無かったりで仕方無くスルーしてしまうことも少なくない。



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北杜市小淵沢町滝の前

これも控え柱付きの梯子。従ってこれは火の見梯子。簡素なつくりだが半鐘は立派。


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北杜市小淵沢町滝の前

逓減率が大きく安定感のある火の見櫓。脚部のアーチが美しい。


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北杜市小淵沢町島屋敷

山梨にもがに股の火の見櫓が立っていた! 下に倉庫を造る予定でもあったのだろうか。そうでないとすればこのような構造的に不利な形になぜしたのか、その理由がわからない。

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屋根のくだり棟の先についている飾りはくるりんと巻いている蕨手ではない。さてと、この飾りの名前はなんだろう・・・。


北杜市小淵沢町松向


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すっきりとした印象の火の見櫓。脇道から国道20号線へ戻る途中で出会った。


北杜市長坂町日野


 ■ 電車で上京する際、窓外を流れる風景に火の見櫓を探す。山梨の長坂駅あたりにも火の見櫓を何基か見つけている。この辺りからは晴れていれば富士山が見える。いつか富士山をバックに火の見櫓の写真を撮りたいと思う。富士には月見草だけでなく、火の見もよく似合うだろう。

コンデジと略すようだが、胸のポケットに収まるコンパクトなデジタルカメラを今は使っているが、デジイチ(デジタル一眼レフカメラ)を手に入れてきちんと三脚を立てて撮りたいと思う。これが当面の夢。


 


356 北杜市の火の見櫓 その2

2012-10-07 | A 火の見櫓っておもしろい

鉄分補給

■ 鉄分補給といっても私の場合もちろん鉄道ではなく火の見櫓。いままで見たことがない形の火の見櫓に遭遇した。こんなのが立っているのだから火の見櫓巡りはやめられない。


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北杜市長坂町下日野

以前、電車の窓から一瞬だけヴォールト状(かまぼこ形)の屋根の火の見櫓を見たことがあった。実際に目の当たりにして、感激した。

火の見櫓のデザインは多様だ。


 


357 北杜市の火の見櫓 その3

2012-10-07 | A 火の見櫓っておもしろい

ふかんしょう

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蔵と火の見櫓の図

この場合、ふかんしょうは不感症ではなくて俯瞰症。上から見下ろしてみたくなるという厄介な症状。めったに解消することはできない。


 
北杜市白州花水

しばらく前に、プロの撮り鉄がレンタカーで九州各地を巡り、いろんなシーンの写真を撮るところを紹介するテレビ番組を見た。山の斜面からずっと下の線路を走る列車を望遠で撮るところが紹介された。その時、撮り鉄には俯瞰症ってあるんですよとカメラマン氏が言っていた。なるほど俯瞰症か、と思った。

火の見櫓を俯瞰できることはめったにない。この火の見櫓はなぜ上の段に建てなかったのだろう・・・。


 


358~361 北杜市の火の見櫓 その4

2012-10-07 | A 火の見櫓っておもしろい

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北杜市白州町白州下

寄付者を載せた銘板が取り付けられていた。昭和33年4月竣工だと分かった。


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火の見梯子。モダンな印象のアイアンワーク。道路側を登り、半円形のところに体を預けて半鐘を右手で叩く。後方に防災無線のコンクリート柱が立っている。


北杜市白州町白州下


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北杜市白州町白州下

屋根や見張り台の手すりの繊細な造形がなかなか美しい。半鐘と同じくらいの大きさのスピーカーが取り付けられているのは残念。防災無線用のアンテナも設置されている。こうして新しい機能を得て生き延びている火の見櫓も多いから、仕方がないか・・・。


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なかなか美しいフォルムの櫓だ。脚部に銘板と消防信号板が付いている。


北杜市白州町前沢

この火の見櫓にも上の白州下のものと同様に防災無線のスピーカーとアンテナが設置されている。屋根や手すりのデザインは異なっている。


 


362 363 北杜市の火の見櫓 その5

2012-10-07 | A 火の見櫓っておもしろい


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倉庫の扉についている銘板で昭和6年の建設だと分かった。随分古くから立っている火の見櫓だ。



脚が倉庫を貫通している。山梨にも貫通(漢字変換ミスをしないように・・・)ものがあった!


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北杜市白州町鳳来 昭和36年建設

鉄筋コンクリート造の倉庫を跨ぐ火の見櫓。メンテナンスがよく、櫓に錆がない。


 


「錦繍」宮本輝

2012-10-04 | A 読書日記



 **毎年、紅葉が色濃くなり、冬の足音が近づいてくる頃になると、宮本輝さんの『錦繡』を読み返す。** 『カラーひよことコーヒー豆』小学館文庫に収録されている「当たり前の愛情」に著者の小川洋子はこのように書いている。

以前、宮本輝の作品を集中的に読んだ時期があって、この作品も読んでいるが今朝から再読し始めた。

物語は離婚した夫婦が、紅葉の美しい蔵王で十年ぶりに偶然再会するところからはじまる。女は男に一通の長い手紙を書き綴る・・・。ふたりの往復書簡によってなぜふたりが別れなくてはならなかったのか、そしてその後何があったのかが次第に明らかになってゆく・・・。

ようやく小説モードになってきた。


 


作家の顔写真

2012-10-03 | A 読書日記



 小川洋子はよく読む作家のひとりだ。

自室の書棚に並ぶ小川洋子の作品を数えると、文庫本が21冊あった。角川文庫、新潮文庫、中公文庫、集英社文庫(上の写真の左から)、以上の各文庫にはカバーの折り返しに小川洋子の顔写真が載っている。

講談社文庫、小学館文庫、幻冬舎文庫、朝日文庫、文春文庫は略歴紹介だけで顔写真は載っていない。最近の事情は分からないが。

作品を読むとどんな人が書いているのか知りたくなる。だから顔写真が載っていると嬉しい。

*****

昨日から『夜明けの縁をさ迷う人々』角川文庫を読み始めた。9編の短編が収録されている。

「教授宅の留守番」という作品  パリに出張した大学教授の留守宅を預かっている大学職員のD子さん。ある日やはり同じ大学で働く女性が彼女を訪ねる。その時、教授の著書が賞をもらったという知らせが届く。お祝いの花で部屋が埋まっていく・・・。そして冷凍ブリもお祝いに届く。

D子さんがのこぎりでブリの解体をはじめる・・・。「交代しようか」と女性が申し出るとD子さんは・・・。小説のラストで思わず え! と声を上げてしまった。

そうか、小川洋子はこういう小説も書くんだ・・・。


 


ブックレビュー 1209

2012-10-01 | A ブックレビュー



 本稿が2936稿目。めざせ3000稿!

9月のブックレビュー。読了本は4冊。別にノルマを決めているわけではないが、まあ、月4冊はクリアしたい。

『落日燃ゆ』 城山三郎/新潮文庫  東京裁判で死刑を宣告された7人のA級戦犯のうち、ただ一人の文官であった広田弘毅の生涯。毎日出版文化賞と吉川英治文学賞受賞作品。

『カラーひよことコーヒー豆』 小川洋子/小学館文庫  エッセイ集。カラーひよこは金魚すくいとともに縁日には欠かせないアイテムだった。コーヒー豆は作者にできたコーヒー豆のような疣(いぼ)のこと。

『街場の文体論』 内田樹/ミシマ社  30年におよぶ教師生活の最後の半年、「これだけは伝えたい」と教壇で語られた「クリエイティブ・ライティング論」14講(帯より引用)

『阪急電車』 有川浩/幻冬舎  片道わずか15分の私鉄線の電車内で繰り広げられる人間模様。映画化もされた人気作家のベストセラー小説。


 


10月はこの短編集から