透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

擬態の謎

2015-04-08 | D 新聞を読んで

 

 「シロオビアゲハ 擬態の謎」 「一部の雌だけ羽に異なる模様 毒持つ別種に似せる」 

信濃毎日新聞の4月6日付朝刊の文化面にこのような見出しの科学記事が載っていた。興味深い内容だったので取り上げる。

アゲハチョウの一種のシロオビアゲハは、一部の雌が毒を持つ別種のベニモンアゲハに似せる擬態をするそうだ。

ベニモンアゲハは幼虫期にウマノスズクサを食べ、中に含まれている毒を体内に蓄えるそうで、天敵の鳥はベニモンアゲハを口にした途端に吐き出し、二度と襲わないという。で、シロオビアゲハの雌の一部がこのベニモンアゲハに擬態するというわけだ。

**卵をたくさん持つ雌は雄よりも栄養価が高く、鳥に狙われやすい。一方、雄は自分に似た模様の雌と交尾したがる。**(文面から引用) このジレンマ!

生存に有利な擬態型と繁殖に有利な非擬態型。そのバランスで擬態型の割合が決まるという研究者のコメントだが、一体どのようにしてバランスを図るのか・・・。

ハイ、Nさん、あなたは擬態して、Mさんあなたは擬態しないで、というように俯瞰的に全体を見渡して指示するような造物主(神という言葉を避ければ)の存在でも仮定しないとこのような現象は私には理解できない・・・。

もっと素朴な疑問は「姿見」の無いチョウが自分が上手く擬態出来ているかどうか、確認する術があるのかどうか、ということ。 もっと赤くしないとダメ、似てないわよ、というようなアドバイスをしてくれる造物主がいないと・・・。

「永い、永い時間」が造物主ということか・・・。

何とも自然は不思議なことをする。

*****

ついでにヒトも擬態するということを書いておきたい。

むかし流行った聖子ちゃんカット、これは女の子の擬態。警備会社の制服が警察官のそれと似ているのも擬態。

不思議な擬態、擬態は不思議・・・。


 


大宮熱田神社の狛犬

2015-04-06 | C 狛犬

■ 「狛犬もおもしろい」というカテゴリーを設定した。日本に狛犬が生まれたのは平安時代というから、その歴史は江戸の前期に始まった火の見櫓の比ではない。

よく分からないが狛犬のデザインに制約などほとんどないだろうから、姿は多様。このことが狛犬ファンを惹きつけている大きな理由に違いない。狛犬を、そして神社をどのように取り上げたらよいのか、まだ分からないが機会あるごとに観察してみたい。



4月5日、小雨のなか松本市梓川(旧梓川村)梓にある大宮熱田神社を訪ねた。なかなか立派な拝殿だ。この写真では分かりにくいが、拝殿前の両側に狛犬がいた。




台座に刻まれた文字で建立が大正11年だと分かった。こちらは向かって右側の獅子。脚元に大きな玉がある。うまくことが進展するようにという願いが込められているのだとか。恐竜というか、ゴジラを想起させるような怖い顔つき。





向かって左、吽形の狛犬。写真がぶれている。やはり数枚撮らないとダメだ。



この後ろ姿をどう評したものか・・・。



拝殿の中に木製狛犬がいた。赤黒の一対。 撮影OKなのかどうか。×付きカメラマーク(?)も無いし、撮影禁止の貼り紙も見当たらなかったので撮ったが・・・。まあ、御神体ではないからOKだろうと判断。



格子戸越しに阿形の獅子を撮ってみたが、レンズサイズの方が、格子サイズより大きくてうまく撮れなかった・・・。




 


― 火の見櫓の添え束?

2015-04-05 | A 火の見櫓っておもしろい



 松本市内で最も古い部類に入ると思われる火の見櫓(大正15年建設)がカタクラモールの再開発予定地に立っていましたが、先月(3月)解体撤去されました。(→過去ログ

で、次に古いものとなると、国道19号沿いのこの火の見櫓(高宮北、昭和5年建設)ではないかと思われます。「めいてつショーホール」という大きな看板が目立っていますが、その隣に立っています。

昨日、所用ですぐ近くまで出かけたので、再び観察しましたが、花崗岩の車止めのようなものが敷地の隅にあることに気が付きました。これはもしかしたら火の見櫓の柱脚を固定するための添え束(短い柱)(→過去ログ)ではないかと。

かつてここに木造の3角形の火の見櫓が立っていたとすると、3本の添え束があったはずですが(柱脚を確実に固定する方法は他にはなかったでしょう)、これはその内の1本ではないかと推察します。
他の2本は土中に埋まっているのかもしれません。

根入れ部分がありませんが、撤去する際、折れてしまったのかもしれません。あるいは引き抜けなかったので折ったのではないかと。石柱の表面に文字が刻まれていれば添え柱かどうか確認できたと思いますが、ありませんでした。他の面にあるのかもしれません。過去ログの台柱も孔のある面には文字は刻まれていません。

これは櫓好きの都合のよい推察でしょうかね~。



石柱の左側の小口は加工面には見えませんでしたが・・・。


 


バロ 週末のサードプレイス

2015-04-03 | A あれこれ

■ カフェ バロを週末、金曜日のサードプレイスと決めて何ヶ月か経つ。

平日は今日できることは今日してしまう、という攻めの仕事をしている。 が、金曜日だけは今日でなくて構わないことは今日しないと決めて定時に仕事を切り上げてバロに向かう。

常連客のひとりFさんが復職したと聞く。バロは2日遅れのエイプリルフールではないかとも思ったが、どうやら本当のようだ。

やはり常連客のMさんが数週間ぶりに姿を現した。 冬眠に入ったんじゃ・・・とか、前から聞いていた瞑想の旅に出かけたんじゃ・・・とかうわさしていたのだが・・・。訊けば参加者が12人だったかな、出雲大社まで瞑想の旅にバスで出かける予定なんだとか。

007の最新作の公開が既に決まっているとかなんとか、やはり今日バロは4月1日だったと思う。いやこれは本当のことなのかな?

私はボンド役のイギリスの俳優、ダニエル・クレイグとロシアの大統領のプーチンとがゴッチャになってしまって(似ていると思いませんか?)、クレイグと会話しようにもロシア語が分からないなどとトンチンカンなことを言いだしたり・・・。 ボンドがロシア人なんてことあるわけないのに・・・。

長期間アルコール浸けの私の脳がついに融けだしたのかも・・・。Oh no !  なんちゃって。

実はアルコールよ 今夜もありがとうなのです。



 


「木精」北 杜夫

2015-04-01 | A 読書日記

 北 杜夫の『木精』を初めて読んだのは1981年9月のことだった。20代の時に買い求めて読んだ本には水色のテープ(レトラライン)が貼ってあるが、この文庫本にも貼ってある。

その後、1996年5月、2000年6月、2006年9月、2012年3月と再読を重ね、今回が6回目となる。

これほど繰り返し読んだ小説は他にない。

前回、12年3月に読んだ時ブログに書いている(→こちら)ので、今回は読んだことを記すに留めておく。

『木精』は自室の本を100冊、いや10冊まで減らしてもその中に残るだろう。