透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

992 身延町西嶋の火の見櫓

2018-05-27 | A 火の見櫓っておもしろい


992 南巨摩郡身延町西嶋 4脚444(カンガルーポケット)撮影日180526



屋根の避雷針に風向計と飾り、それから下り棟の先に蕨手がついている。屋根、見張り台のデザインは長野県でも目にするもの。



踊り場は4つの構面のうち、1面だけバルコニーのように張り出している。私はこのような見張り台をカンガルーポケットと呼んでいる。パソコンのマウスだってネズミに似ているという理由で付けられた名前なのだから、こんな呼び方もありだろう。マウスの尻尾は無くなってしまったが。



現場では気が急いてあまり時間をかけて観察できなかった。まだまだ目指す静岡県の川根本町は遠い・・・。丸鋼のブレースが変わった構成だと、現場では気がつかず、写真を見て気がついた。



櫓の外に設置した梯子から脚の上の簡易な踊り場で櫓内部の梯子に移動するため、通常の✖形(赤線)ブレースでは邪魔になる。それで黄色で示したように構成している。

火の見櫓ではいろんなことが行われている。


 


991 富士川町鹿島の火の見櫓

2018-05-27 | A 火の見櫓っておもしろい


991 南巨摩郡富士川町鹿島 4脚4〇型 撮影日180526

 富士川の右岸を南下していると、左岸側に背の高い火の見櫓が見えた。橋を渡って近づいて、見た。



てっぺんを上にすうっと引き伸ばしたような屋根。この形も好い。



見張り台の床に注目 床材(平鋼)を放射状に設置している。床が円形だから、このような設置の仕方も好ましいが、あまり見ない。



脚部 なんとも簡素なつくり。


 


990 富士川町鰍沢の火の見櫓

2018-05-27 | A 火の見櫓っておもしろい


990 山梨県南巨摩郡富士川町鰍沢 4脚44型 撮影日180526

 中部横断自動車道で長野県と静岡県が結ばれるのはまだ何年も先のようだ。昨日(26日)は増穂ICから富士川沿いを国道52号で南下した。途中富士川町鰍沢でこの火の見櫓を見た。目指すは静岡だが、休憩を兼ねて観察した。



屋根の軒の4隅がかなり反っている。櫓は見張り台の上まで連続的に逓減していて、かなり細くなっている。



脚部 よくあるタイプだ。


 

 


― 火の見櫓巡り

2018-05-27 | A 火の見櫓っておもしろい

■ 火の見櫓の形を言葉で説明することは難しい。このことを以前(14年3月20日)出演したラジオ番組で実感した(FMまつもと「夕暮れ城下町」)。屋根の「反り」をどう説明したらよいだろう・・・。私はアサガオに喩えた。アサガオの花を下向きに手描きした時のカーブが建築用語の反りだ。「むくり」は反りとは反対のカーブ、これを確かスズランに喩えたと思う。番組は生放送だったから、屋根の反りとむくりについてはあらかじめどう説明するか考えていた。


1 静岡県榛原(はいばら)郡川根本町下長尾にて

スズランのようにむくっている屋根(写真1)は静岡県内の火の見櫓に見られることを前から知っていた。いつか見に行きたいと思っていたが意を決して昨日(26日)出かけてきた。 


2 国道362号 浜松市天竜区春野町

旅程概略: 自宅 → 長野自動車道 → 中央自動車道・双葉JCT → 中部横断自動車道・増穂IC → 国道52号 静岡県清水区 → 国道1号 島田市 → 国道473号 (大井川沿い) 川根本町 → 国道362号(すれ違い困難な山道 途中で引き返そうかと思った 写真2) → 東栄町 → 国道151号 豊根村(愛知県) 阿南町(長野県)下條村 飯田市 → 中央自動車道 → 長野自動車道 → 自宅

自宅発:午前3時半過ぎ 
自宅着:夜の8時半過ぎ

走行距離:574km
所要時間:17時間
以上の強行軍

次稿から火の見櫓巡りの記録を載せる。


 


カエル鉄塔

2018-05-24 | A あれこれ


東筑摩郡朝日村にて 

■ 以前知人の鉄塔好き女子に朝日村にはネコ鉄塔が何基もあり、鉄塔マニア注目の村だと聞いたことがある。

朝日村には国内最大規模の周波数変換所もあり、送電鉄塔が多い。火の見櫓と送電鉄塔とは似て非なるもの。私にとって送電鉄塔はあまりウェルカムな存在ではない。だが、人は美しいものと珍しいものに魅かれるからこんな珍しい姿を目にするとやはり写真を撮りたくなる。
塗装でもするのかな。

これはネコ鉄塔じゃなくてカエル鉄塔だな。古池や 蛙飛び込む 水の音、か・・・。


 


989 白馬村新田の火の見櫓

2018-05-23 | A 火の見櫓っておもしろい


989 北安曇郡白馬村新田 3脚〇〇型 撮影日180523

■ 今日(23日)の午後、白馬方面は雨降りだった。カメラを上に向けるとレンズに雨粒が付いてしまう。やはり雨の日は火の見櫓観察には不向きだ。

見張り台の高さhは約9.3m(梯子残の数と間隔から求めた値)、脚の間隔aは約2.3m(実測値)。踊り場は無く、一気登りすることになる。踊り場の有無と櫓の高さの関係に注目して観察を続けていれば、このくらいの高さで、踊り場が無いことが多いのか、あることが多いのか分かっただろうに・・。




 


「日本の無戸籍者」を読む

2018-05-20 | A 読書日記



■ 人生読本『君たちはどう生きるか』吉野源三郎/岩波文庫を読み終えた。コペルニクスに由来するあだ名のコペル君は旧制中学の2年生。早くに父親を亡くした彼におじさん(母親の弟)が人生訓を日常生活に結び付けて分かりやすく説く。



『日本の無戸籍者』井戸まさえ/岩波新書を読み始めた。何らかの事情で出生届が出されていない、あるいは戸籍が滅失している「無戸籍者」が少なくとも一万人いるといわれているそうだ。

本書の章立ては次の通り。

第1章 「無戸籍問題」とは何か
第2章 「法律」という壁
第3章 「戸籍」とは何か
第4章  消えた戸籍を追って
第5章  グローバリゼーションと戸籍
第6章 「戸籍」がなくなる日

一昨日(18日)の朝、書店でこの新書を目にした時、松本清張の『砂の器』を思い出した。主人公は大阪が空襲に遭って住民の戸籍が焼失したことに乗じ、新たな戸籍を作って別人に成りすます。彼にはそうまでして隠したい過去があった。過去の消去は完璧だと思われたが、彼の過去を知る人物が突然現れて・・・。

『日本の無戸籍者』を買い求めてスタバへ。カウンターの前に立つとショートカットの女性店員が「ホットコーヒーをマグカップでご用意します(ネ)」。 おじさんはうれしい。

2階のいつもの席で早速読み始めた。

戸籍があることがあたりまえだと思っているが、どんな理由で無戸籍になってしまったのだろう、どうすれば戸籍を取得することができるのだろう・・・。


 追記:偶然にも第3章で『砂の器』が取り上げられていた。**後述するが作家松本清張が『砂の器』で描いた戸籍偽装世界は誰にでも起こりうることだった。**(98頁)この後、その内容が紹介されていた。


「女王陛下の007」

2018-05-20 | E 週末には映画を観よう

週末の夜は映画を観よう

 007シリーズの第6作、ジョージ・レーゼンビーがボンドを演じた唯一の作品「女王陛下の007」を観た。この作品を観るのは初めて。

ロジャー・ムーアがボンドを演じた作品を先に観てきたが、総じて荒唐無稽な娯楽作だった。比してこの作品はもっとリアルな、地に足ついた作品だった。前半を途中から観たら007シリーズだとは気がつかなかったかもしれない。

あらすじはネット上に紹介されているから、省略。ボンドガール、トレーシーにボンドが本気で惚れて、結婚する。偽装結婚ではない。式の後ふたりは花いっぱいの車で新婚旅行に出かけるが、途中で新妻は銃で撃たれてしまう・・・。

結婚式でマニーペニー、そうボンドの上司Mの秘書が涙するシーンが印象的だった。マニーペニーがボンドになことは今まで観てきた作品で分かっていたから、ボンドが結婚してしまって、悲しかったんだろうな。

スキーシーンは凄い。空撮が美しかった。

女王陛下の007=ウィンタースポーツアクション+ラブロマンス と括れるかな。


 


「科学の光と影」

2018-05-18 | A あれこれ

 齢のせいだとは認めたくないが、午前3時半ころ目が覚める。それから5時まで、ボリュームを絞ってNHKのラジオ深夜便を聞く。3時台の「にっぽんの歌こころの歌」ではおじさんにとって、もちろんおばさんにも懐かしい昭和の曲がかかるし、4時台の「明日へのことば」はためになるから、夜10時から朝5時までノンストップ睡眠ができないことを嘆いてはいけない。

16日の「明日へのことば」で物理学者の池内 了さんの「科学の光と影」が放送された。池内さんは湯川秀樹に憧れて京大で物理学を専攻、素粒子物理学とは対極の宇宙物理学を研究したという。科学と社会との関係について発言してこられたが、1995年に起きた出来事、阪神淡路大震災・地下鉄サリン事件・高速増殖炉もんじゅのナトリウム漏れ事故がそのきっかけと番組で語っておられた。

科学には表と裏の二面性、つまり良い面と悪い面があるということを認識すべきだと説いておられた。科学は人間の能力を拡大する半面、人間固有の能力を退化させてもいるということだ。以前カーナビは人間の空間認識能力を退化させるという話をやはりラジオで聞いた。

池内さんはもうそろそろ便利さや効率性の追求から安全性を高める、ということを考えるべきだということも語っておられた。大地震で津波が襲う、液状化が懸念される海岸を埋め立てて高層マンションを建てて大丈夫?と安全性を懸念しておられた。

「必要は発明の母」という言葉があるけれど、現代は「発明は必要の母」になっている。必要であったかのように認識させられてしまってはいないか。この指摘を聞いて、リニア新幹線のことが浮かんだ。リニア新幹線はこの典型的な実例だろう。過去ログ 時速500kmで走行して本当に大丈夫? 100%安全な技術なんて無いのだから・・・。

「明日へのことば」は早朝の教養講座だ。


 


「人類の進化が病を生んだ」

2018-05-16 | A 読書日記



■ 『人類の進化が病を生んだ』ジェレミー・テイラー/河出書房新社を数日前に読み終えた。人類の進化が病を生んだって、一体どういうこと? 

帯には**人類がこれほど病気に苦しめられるのはなぜなのか?アレルギー、不妊症、腰痛、癌、心臓病など、病気は進化の結果もたらされることを明らかにする、「進化医学」の最前線!**とある。

**人体は、建築やテクノロジーの世界で私たちがなじんでいる設計とは根本的に異なるベースに立っている。進化は健康や幸福、長寿に関心はない。進化論者が好む表現を借りれば、進化は個人の生殖適応度を最大にすることにのみに関心がある。**(8頁)

このことを第1章 自己免疫疾患とアレルギー、第2章 不妊症、第3章 腰痛、第4章 目の病気、第5章 癌、第6章 心臓病、第7章 アルツハイマー病という章立てで、それぞれの病について論じている。 

第6章の心臓病の**私たちの冠動脈は病気にことのほか弱い。冠動脈は直径わずか二~四ミリという口径の小さい血管で、アテローム性プラークによって簡単に詰まりを起こす。そんな血管が人体で最も重要な仕事を担っている。**(230頁)こんな記述を読むと、びっくりする。冠動脈ってこんなに細いのか・・・。ジュースを飲むストローより細い。なるほど、健康や長寿は後回しだということが分かる。

新聞の読書欄に**生物学の知識がないと細部まで理解するのは難しいかもしれないが、身近な病が取り上げられているおかげで、大変面白く読める本だ。**とあった。この書評を読んで、注文したのだが、難しい内容で、知らない単語も多く、字面を目で追っただけだった・・・。

体のことは知らぬが仏かもしれない、というのが読後の、いや字面を追った後の感想。


 


邪馬台国畿内説

2018-05-16 | D 新聞を読んで



 昨日(15日)の信濃毎日新聞朝刊に「卑弥呼時代のモモ 纏向に」と「「邪馬台国畿内説」後押し」という縦横ふたつの見出しの記事が載っていた。新聞記事で「邪馬台国」や「卑弥呼」を目にするのは珍しい。

奈良県桜井市の纏向(まきむく)遺跡を2010年に発掘調査した際に出土したモモの種を放射性炭素年代測定したところ、西暦135~230年と判明したという。

ちょうど卑弥呼(248年ころ没)の年代と重なるために邪馬台国畿内説を補強する成果となりそうだ、と記事にある。纏向遺跡には卑弥呼の墓だという説がある箸墓(はしはか)古墳があり、また大型建物もあって邪馬台国の有力候補地という説明も載っている。

なぜ纏向遺跡から出土したモモの種の年代と卑弥呼の年代が重なるということが邪馬台国畿内説を補強することになるのだろう・・・。記事には**モモは古代では不老長寿や魔除けの果物と考えられており、祭祀に用いられた可能性がある。**という記述がある。よほどの有力者が執り行う祭祀でしかモモが用いられることがなかった、ということなのだろうか・・・。

モモで思い出すのは古事記。過去ログ

また邪馬台国で思い出すのは昔読んだ松本清張の『陸行水行』という小説(確か短編)。松本清張は邪馬台国九州説を支持していた。

邪馬台国については九州説と畿内説他いろんな説があるようだが、場所を特定するような決定的な証拠って、見つかるのかな・・・。見つからない方が今までのようにあれこれ推理できて古代史好きにとってはいいのかもしれないな。


 


推敲

2018-05-14 | A あれこれ


えんぱーく2階にて 利用者が特定できないように配慮して 撮影日180513

 昨日(13日)、塩尻のえんぱーく(←過去ログ)で原稿の推敲をした。

えんぱーくは柱の無い均一な空間とは全く違って、壁柱の効果だと思うが、多様な空間が出来ている。2、3階には離散的にテーブルが配置されていて、利用者は思い思いの席について本を読んだり勉強したりしている。このような使われ方を設計者は意図していたのだと思う。

私が着いた大きなテーブルでは高校生とおぼしき女性がふたり、静かに勉強していた。私も彼女たちを見習って集中して作業をした。   また休日に出かけて、作業を進めたい。


 


無為に過ごすな

2018-05-13 | A あれこれ

 今月3日(木)から11日(金)まで9日間アルコール摂取を控えた。

一昨年(2016年)の6月にアコール摂取の自主規制を始めた。それまでの何年間かほぼ毎晩摂取していた。ただし量は少なく、日本酒なら小さいグラスに1杯、缶ビール(350ml)なら1缶。自主規制し始めた頃は週休3日制だったが、その後週末の2日のみ摂取可とした。

今年の場合、今まで達成出来たのは14週、できなかったのは5週。正月あり、大型連休あり、しかも3日飲んだら✖という条件でこの成績は◎だと思う。

ダイアリーに仕事や生活のことを記録し始めたのは1985年のこと。以来30年以上も記録し続けている。で、アルコール摂取記録をつけ始めたのはいつのことだろう・・・、と思って過去のダイアリーを確認すると、2004年の7月26日からだった。3、4年くらい前からかな、と思っていたが、10年以上も前からだった。

別にストイックな生活をしようというわけではない。アルコールを摂取すると、読書はもちろん、テレビを見ることすら億劫になる。漫然と無為に過ごすことをできるだけ避けたい、との想いからだ。 もちろん肝臓を気づかってもいる。
これからの季節 がうまいけど。休日、昼間っからなんて最高ジャン。

だからこんなこと書いちゃっていいの?


 


988 松本市波田上島の火の見櫓

2018-05-13 | A 火の見櫓っておもしろい


988 松本市波田上島 3脚〇〇型(櫓内に納まっている踊り場は表記しない)撮影日080512

■ やや太目の櫓、という印象。見張り台の高さhは約9.3m、脚の間隔aは約2.4m。従ってh/a=3.875 b/aは0.5くらいか(bは見張り台の床面の柱間寸法)。 このふたつの値は櫓が太目であることを示している。



こちらからだと電柱が邪魔。



こちらからだと逆光、改めて午後出かけるか・・・。


屋根のてっぺん、避雷針に付けた飾りが印象的。



脚がこういう構成だとどうしても太くなる・・・。内側の斜材をこれ程傾けないで、両脚を間をあけて、アーチ部材で繋ぐというのが好ましい。



こちらが美脚


それがしさんの「火の見櫓をさがして」、長野県内の火の見櫓を網羅的に取り上げているブログでこの火の見櫓を知った。感謝。