■ 東日本大震災から11年経った。2011年3月11日。この日の午後、私は某小学校の校長室で打合せをしていた。地震発生時に鉄筋コンクリート造2階建ての校舎がゆっくり、そして大きく横揺れした。「遠くでかなり大きな地震がありましたね」その時、私はこう発したことを覚えている。過去ログ
巨大津波にのみ込まれた東北の町。そして大事故が起きた東京電力福島第一原発。多くの人が犠牲になり、今なお全国で約3万8千人もの人たちが避難生活を続けているという。消えてしまったふるさとの風景、深い悲しみ、傷ついた心・・・。政府主催の追悼式は10年の節目だった昨年(2021年)が最後、今年は開催されなかった。
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信濃毎日新聞3月12日付朝刊の32面に福島第一原発の大事故に関して「デブリ取り出し 最難関」という見出しの記事が載っている。**原子炉の燃料が溶け落ち、冷え固まったデブリは、1~3号機で計880トンとの推計があるが、詳しい形状や成分、分布状況は分かっていない。本格的な取り出しは専用装置の開発が必要で、処分先も未定だ。**
先日読んだ『「廃炉」という幻想 福島第一原発、本当の物語』吉野 実(光文社新書2022年)には、**1~3号機のメルトダウンした燃料は、推計で880トンにも及び、いつ取り出せるかの見通しすら立っていない。**(172頁)とある。新聞記事と同じ内容だ。
デブリを取り出す装置が本当にできるのか、仮に装置ができてデブリの取り出しができたとして、880トンもあるデブリの保管場所も保管方法も、全く決まっていないという。
信濃毎日新聞3月12日付朝刊の3面には「原発攻撃 日本は「想定外」」という見出しの記事が載っている。ロシア軍がウクライナの原発や核物質を扱う研究施設を攻撃した。もはや原発攻撃「想定外」はあり得ない。想定内だとして講じ得る対策はあるのだろうか・・・。。唯一あるのは原発を無くすこと。
原発に頼らない社会、産業、経済は成立しないのだろうか。灯りをつけることを電気をつけると今も言う。テレビも無い、洗濯機もない、炊飯器もない、冷蔵庫もない・・・。照明くらいしか電気を使わなかった昭和前期の暮らしに戻るのはもはや無理か。では、どうする。
宇宙船地球号を自ら破壊する搭乗者。宇宙船地球号における生活マニュアル(*1)の全面的な見直しと実行が必要だ。仮に見直しができたとしても実行は無理か・・・。
*1 地球を宇宙船に見立てて『宇宙船地球号操縦マニュアル』を著したバックミンスター・フラー。
フラーの見立てに倣えばぼくたちは宇宙船地球号の搭乗者。この宇宙船の警報ランプがいくつも点灯している、もう何年も何年も前から。警報ランプの点灯に搭乗者たちは気がついてはいるものの、無視し続けてきた。結果、宇宙船地球号は今や修復不可能なほど傷ついている。船体損傷、船内の温度上昇、船内の空気汚染等々。これらのトラブルは全て搭乗者が引き起こしたものだ。(過去ログ再掲)