透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

ハンドルに遊びが必要なように

2022-03-13 | A あれこれ


BWCLにて 撮影日2022.03.12

 「ハンドルに遊びが必要」なようにカフェの作業カウンターにも遊びが必要だと勝手に思っている。この場合、遊びというのはコーヒーなどの飲み物やケーキを提供するための作業カウンターに直接必要ではないものを設えることを意味している。

昨日(12日)の午後、松本市内で用事を済ませ、豊科のカフェ、BWCL(ベルウッドコーヒーラボ)まで足を延ばした。いつも通りカウンター席の一番端に着く。作業カウンターの隅にデンと置かれたサングラスをかけた白い犬が目に入った。単なる置物かと思いきや、さにあらず。フランス製のスピーカーとのこと。店内のBGMはこの白いブルドッグから流れていたのだ。人気商品で品薄らしく、イタリアから直接入手したのだとか。フランス製なのになぜイタリアから? 理由を聞いたが覚えていない。

今まで、作業カウンターにはサービスのために必要な器具類しか置かれていなかったのではないか。それはそれで、プロの仕事という感じがして悪くないとは思う。が、そこに遊び加えられると、ゆったりとした雰囲気が漂うようになる。この白いブルドッグはゆったりさ加減がちょうどよく、都会的でおしゃれ、シャープな空間にピッタリ!

この犬に名前を付けるとしたら・・・。この白いブルドッグって、上記の通り、空間の遊びだと思うから「ホモ・ルーデンス」で人間の本質は遊びにあると論じたホイジンガとするのはどうだろう。 ホイジンガ、ダメかなぁ。ダメか・・・。


 


人々の生活を脅かしつつある地球温暖化

2022-03-13 | D 新聞を読んで

 信濃毎日新聞の昨日、3月12日付朝刊に福島第一原発の廃炉作業に関する記事が掲載されていたことは既に書いた。「デブリ取り出し 最難関」という見出しの記事は1面を全て割いて廃炉作業がいかに困難か、大きな説明図と共に伝えていた。

全国紙は原発の廃炉作業についてどのように伝えているのだろう・・・。塩尻のえんぱーく(図書館)に出向き、調べてみた。朝日、読売、産経各紙はこの問題を記事にしていなかった。毎日だけが「デブリ採取へ 遠い廃炉」という見出しでこの問題を大きく取り上げていた。歳月はこのような大きな問題をも人の意識から遠ざけてしまうようだ。



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ところで今日(13日)の信濃毎日新聞は、人々の生活を脅かしつつある地球温暖化問題を上掲した見出しの記事で取り上げている。

**格差と並んで資本主義の弊害に挙げられるのが、経済の限りない拡大再生産がもたらす環境破壊だ。地球温暖化は国内でも人々の生活を脅かしつつある。**というリード文の後、瀬戸内海の漁で、稼ぎ頭だったクルマエビやワタリガニが全く獲れなくなったことを伝えている。

温暖化の影響は世界各国に及び、日本でも毎年のように豪雨が甚大な被害をもたらしている。もう何年も前から、何十年に一度といわれていた豪雨が頻発している。

更に温暖化の影響で生物が非常に高い絶越リスクに直面する恐れがあり、既に大絶滅時代に入っているとされていると記事にある。絶滅の危機にさらされているのは瀬戸内海のクルマエビやワタリガニだけではないのだ。記事は深刻な事態を伝え、**人類は、手遅れになる前に解決策を見つけられるだろうか。**と結ばれている。

関連記事(上掲写真右)で五箇公一・国立環境研究所室長は**人間は本当に特殊な生き物で、遺伝子を末永く後世に残すという生物学的持続性よりも快楽を優先させることができてしまう。**と指摘している。

宇宙船地球号の警告ランプがいくつも点灯しているというのに。 ♪ わかっちゃいるけど やめられない 人間の業のなんと深いことか・・・。


 


「49 男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇」

2022-03-13 | E 週末には映画を観よう

 寅さんシリーズでまだ観ていなかった第49作「寅次郎ハイビスカスの花  特別篇」を観た。これでシリーズ全50作品を観たことになる。 本作のマドンナは浅丘ルリ子が演じたリリー。リリーは全国各地のキャバレー回りをしている歌手。本作は第25作のリメイク版。ただし、ストーリーは全く同じ。違うのはファーストシーンとラストシーン。第25作では他の作品と同じように、冒頭旅先で寅さんが居眠りして見た夢をショートストーリーにしている。寅さんが江戸中を荒らしまわる鼠小僧寅吉を演じ、裏長屋で貧しい暮らしをしているおさく(さくら)と博吉(博)夫婦に盗んできた小判を与えるという話。特別篇では冒頭のこのショートストーリーが無くて、列車で全国を営業回りする満男が寅さんを懐かしく思い出すシーンが加えられている。第11作「寅次郎忘れな草」でふたりは出会い、第15作「寅次郎相合い傘」で再会する印象的なシーンも出てくる。

ラスト、第25作では群馬の田舎の停留所でバスを待つ寅さんの前をリリーの乗ったマイクロバスが通りがかり、リリーと一緒に草津に向かうシーンをかなり遠くからカメラが捉えて「終」。 第49作はこのシーンの後に仕事から帰ってきて、柴又の参道を帝釈天に向かって歩く満男を上空から捉えたシーンが加えられている。

「寅次郎ハイビスカスの花」は寅さんとマドンナが相思相愛で、結婚に一番近づく作品。沖縄で吐血して入院したリリーを寅さんが見舞い、退院した後ふたりはそのまま沖縄で一緒に暮らす。過去ログ  この時のリリーの告白を寅さんがまともに受けず、その後ふたりは喧嘩別れ。

しばらくして二人はとらやで再会、今度は「リリー、おれと所帯持つか」と寅さん。するとリリーが「やあねえ、寅さん変な冗談言ってぇ、みんな真に受けるわよ」と片付けてしまう。

寅さんは永遠の旅人なんだな・・・。