(大石港)
伊能忠敬海上引縄測量之碑
釜石市の大石港に向かう頃から雨脚が強くなった。傘をさしてもびしょ濡れになるほどであった。写真を撮ったら直ぐに車内に戻ったが、その僅かな時間で前身シャワーを浴びたようになってしまった。
伊能忠敬は享和元年(1801)、伊豆から東北にかけて海岸線を測量した。同年九月二十四日には唐丹(とうに)に至り、北緯三十九度十二分と測量した。
大石港の碑は、忠敬の引き縄測量二百年を記念して平成十三年(2001)に建てられたものである。
(権現神社)
測量の碑 星座石 遺愛の碑
伊能忠敬が享和元年(1801)に唐丹町の緯度を測定した十三年後の文化十一年(1814)、地元の天文学者葛西昌丕(まさひろ)は、忠敬の事績を讃えるため、測量の碑を建立し、星座石を作成した。星座石には、三十九度十二分という度数と、十二次の星座名が交互に刻まれている。
測量の碑・星座石遺愛碑
測量の碑・星座石遺愛碑
葛西昌丕は地球が微動するという西洋の学説を知り、その地球の動きを実測するための基点にこの石を置いた。測量の碑には、「所謂地球微動なるもの有らざらん乎」と刻んだ。
雨は恨みでもあるかのように強烈となり、すっかり気力を削がれた私は、もともとこの先宮城県下の史跡を訪ねる計画であったが、全て諦めて仙台市内のホテルに直行した。
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