史跡訪問の日々

幕末維新に関わった有名無名の人生を追って、全国各地の史跡を訪ね歩いています。

中之条 Ⅱ

2016年08月19日 | 群馬県
(民宿山市屋)


民宿山市屋


デシャルム大尉宿泊記念碑

 みなかみ町から草津温泉郷に向かう途中、暮坂峠を越えた辺りに民宿山市屋がある。外から見た限り、営業はしていないようであるが、オーナーの趣味だろうか、建物の周りにちょっと鬱陶しいほど記念碑や文学碑などが建てられている。幕末維新に関係したところでは、フランス軍人デシャルム大尉の宿泊記念碑がある。デシャルムはナポレオン三世が幕府の要請に応えて派遣した軍人の一人で、幕軍が敗戦した後、明治五年(1872)再来日して日本陸軍の近代化に尽くし、少将に任じられた。草津や伊香保の温泉を最初に欧米に紹介した人としても知られる。
 また高野長英も天保七年(1836)以降、何度か赤岩の湯本家に足を運んでおり、暮坂を通過したものと思われる。
 小栗上野介夫人みち子一行も、慶応四年(1868)、広池から暮坂を経て世立、和光原方面に逃れた記録が残る。

(下沢渡)
 昭和五十年(1975)、下沢渡の剣持家で地租改正の絵図が発見された。地租改正は、明治新政府が税金の制度や土地制度を改めることによって財政基盤を確立するために行ったもので、群馬県では明治九年(1876)から十四年にかけて実施された。土地を測量して、地図や地引帳を作り、地価(土地台帳にある土地の値段)を決め、地券(土地所有者の証書)を発行して税金の額が決められた。この絵図は、下沢渡村の測量、地積図作り、地引帳作りなどの作業が、役職員、係員らによってどのように行われたかを絵にしたもので、役人はザンギリ頭、地元の総代はチョンマゲ姿で描かれている。


地租改正の絵図
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« みなかみ Ⅱ | トップ | 草津 »

コメントを投稿

群馬県」カテゴリの最新記事