ネットでひょんなことから見つけた『中高年ミュージカル劇団』。
僕が参加している『劇団ステージドア』のことではなく、別の劇団。
創設3年目で、東京を拠点に活動しているらしい。
ホームページを開いてみると、なんとも派手なこと・・・・
AKB48の格好をして踊る、中年女性たちの姿が写真で掲載されている。
他人様のことを、どうこう言うつもりはないが、何か違和感を感じた。
まず、テレビやラジオをはじめとするマスコミに売り込んでいる。
講師と称する主宰者ともう一人の俳優出身の女性も、プロのミュージカル俳優として
これと言った実績があるわけでもない。
公演の写真を見る限り、舞台の背景は真っ黒で、大道具や小道具と言った
芝居で大事な舞台美術の部分には殆ど手をかけていない。
我々のやっている芝居は、振り付けの河岡先生は元劇団四季に居て、
イーストウィックの魔女等のミュージカルにも出演した経歴があり、
演出助手として活躍されている。
演技指導の堀米先生は、劇団四季の『コーラスライン』などで活躍されて
今も現役の俳優として活動されている傍ら、俳優養成学校の講師もされている。
歌唱指導の石崎先生は、ボイストレーナーとしても一流だし、
唄の表現も自ら唄って手本を見せながら、丁寧に教えていただける。
指導を受けると皆が魔法にでもかかったように変わって行くほどだ。
楽曲も大塚綾子先生から、片野真吾先生に代ったけれど、すべてオリジナル。
芝居のシーンに合わせて、作られる楽曲は本当に素晴らしい。
加えて、スタッフは劇団四季の大御所が弟子を動員して作ってくれるし
舞台監督は日本でも有名な方が、舞台を仕切ってくれる。
役者だけが純粋なアマチュアで、他は全部超一流のスタッフ。
だから、芝居は下手糞でも観客に何かを伝えるという点では、先生も妥協しない。
名前を売ることは、もしかして大事なことなのかもしれない。
でも、座長が
『スポンサーなんて、いくらでもつくさ』と言っていた。さらに、
『でも、それで自分たちのやりたい事だけやると言うわけに行かなくなるんだよ』
とも言っていた。
アマチュア劇団と言うことにこだわり、『中高年』と言うことを売り物にもしない。
我々の劇団は、若い人も居るからね。
結果として、中高年が多いと言うだけなのです。
そういえば相方が『オヤジバンドですか?』と、我々の音楽のことを訊かれるたびに
『そういうのを売り物にした音楽をやっていない』と言い張るのと同じかな?
本質を磨かないで、名前を売ることを優先する・・・・
悪いことじゃないし、その方が成功者として見られるのだろうけれど、
僕はそうじゃない、『大人がする崇高な遊び』をする自分の劇団を大事にしたい。