昨日の帰りの電車を待っていたら、座長と歌唱指導の石崎千穂先生が
後から一緒になって、ちょっとした会話。
千穂先生:『お疲れ様』
僕:『本当にヘタクソで恥ずかしいです』
千穂先生:『うん、本当にヘタクソだね』
僕:『もっと、厳しくやりたいんだけど・・・・』
千穂先生:『あれ、もしかして・・・・ドM?』
僕:『ドMって言うか、厳しい環境の方が楽しいです』
千穂先生:『それは、完ぺきなMだわ・・・・』
僕:『「いいよ」って言われたら、その前に「もう…」がある気がして・・・・』
千穂先生:『あはは…うん、それは言えるね』
僕:『だから、なんでも自分の能力の一つ上を狙いたいんですよ』
千穂先生:『その気が無いと「プロ」の世界は通用しないね』
この話の中で、なにも音楽やスポーツに限らず、世間で言う「仕事」は皆同じだって、
そうしないと、現状維持でなにも発展しないって・・・・先生は仰っていた。
僕は会社の弟子に『自分は出来る』とか『自分は解っている』と思った時点で
成長が止まるんだと言い続けている事は、間違いじゃないと思っている。
僕は今の会社で、後が無いとか、期限までに結果を出さないと駄目と言った
厳しい環境の仕事しか与えられずに来たから、いつも自分の無能さに腹を立て
『こん畜生!』って言う感じで、仕事をしてきた。
だから、今の部署のぬるま湯に浸かっているような環境が我慢できないのです。
ただ、自分のレベルでいわゆる『身の丈にあった仕事』をすることを否定するわけじゃない。
それはそれで、生き方として有るわけだからね。
ただ、自分はそうじゃない、一つ手を伸ばした所に行きたいと言うだけ、
それをずっと続けて来たというだけの話です。
芝居もサッカーも、仕事もそんな感覚で楽しんでやってきた。
厳しい環境が好き=ドMなのかも知れませんね。
もしかして、僕は『ストイック』なのではなく『ドM』なのかも?
そんな事を感じててしまったのでした。
そう言えば、この間の連休に甥っ子に会ってきました。
嫁さんの兄貴の息子なんだけど、兄貴いわく『反抗期で口も利かない』と言う。
ところが僕が話しかけると嬉しそうに話をするのですよ。
将来の事、これから行く学校で何をしてみたいのか?
今の学校生活や部活は楽しいのか?・・・・・普通に娘と話すような事を聞いてやった。
卒業後の進路について、警察官になりたいと言う。
ところが父親は『公務員は上級試験を受けないと出世できない』とか息子に言う。
僕は『まずは自分がやりたい事の目標に向かってガンバレ』と言った後に、
『まず自分の身の丈を知って、そこから手が届く一つか、二つ上を目指せ』とアドバイスした。
最終的に上級試験を受けるところまで行くのを目標にするかも知れないけれど、
登山をやってみたいと言ったら、エベレストに登らなくちゃ意味が無い・・・・
と言うような父親の言葉に、甥っ子は『親の考えを押し付けるだけ』と感じていたみたい。
僕が、最後はエベレストかも知れないけれど、富士山だって立派な山だし、
舐めてかかったら命を落とすんだぞ・・・・・と山登りのたとえ話で話してやった。
一つ上を常に目指して、楽しみながら自分のペースで前に進む。
人生が終わる時に何処まで行けたか・・・・で良いのだと。
それを評価するのは周りの人間じゃない、自分が何処まで頑張ったか?なんだって・・・・・
そんな話をしてやりました。
僕の話を横で、別の話をしながら聞いていた、当の父親である嫁さんのの兄貴は
『オジサンは責任が無いから、何でも言えるんだぞ』と言ってましたけどね。
その話を聞いていた甥っ子は、涙を流しながら聞いていました。
その姿を見て、甥っ子は決して反抗期なんかじゃない。
そう云う話を親父にして貰いたかったんだと思いました。
僕の『ストイック』ならぬ『ドM』精神を判って、頑張ってくれたら嬉しいですね。