映画とライフデザイン

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地上より永遠に  モンゴメリークリフト

2011-02-27 20:24:24 | 映画(洋画 69年以前)
「地上より永遠に」1953年のオスカー作品賞を受賞した作品。真珠湾攻撃直前のハワイ米軍を舞台に、軍隊内の生活をクローズアップさせている。豪華俳優陣がそろうが、デボラカーの殺人的な美貌に目を引かれる。


1941年夏、ハワイホノルル兵営に主人公ことモンゴメリー・クリフトが転属してきた。彼は上官に反目したため一兵卒に落され、転属の憂き目となったのだ。この新しい部隊の中隊長大尉は、ボクシングに夢中で、モンゴメリーが以前、ミドル級ボクシングのファイターであったことを知って、下士官に昇進を条件に彼にチーム入りをすすめた。しかし、モンゴメリーはボクシングはもうやらないと誓いをたてており、断った。中隊の軍曹ことバート・ランカスターは、警告したが、強情なモンゴメリーは聞き入れなかった。そのため大尉のモンゴメリーに対するプレッシャーが強くなり、虐待行為を受けた。一等兵ことフランク・シナトラのみがモンゴメリーの味方だった。大尉の妻ことデボラ・カーは美しく、G・Iの間に噂の的となっている女性で、冷酷で不貞な夫を憎んでいた。バートランカスターがデボラカーと密通していた。週末オフの時間に、フランクシナトラはモンゴメリーを街のクラブに連れていった。モンゴメリーはその店で女給のドナ・リードという女に惹かれた。

大体の人間関係はそんなところである。虐待や軍隊内のケンカが頻繁に画像にでる。
後年ベトナム戦争当時を舞台に「フルメタルジャケット」が作られるが、そのはしりというべき作品だ。フランクシナトラが「猿」とからかわれる一兵卒を演じて、笑いを誘う。こんなに3枚目だったかな?と思わせるくらいだ。アーネスト・ボーグナインの嫌味な軍曹もいかにもという感じである。「マーティ」でオスカー主演賞を受賞する2年前の作品、「北国の帝王」でも取り上げたが、彼が脇に回った作品はどれも間違いない。



そんな芸達者に加えて、デボラカーが美しいその姿を映す。バートランカスターとの海辺でのキスシーンは今見てもかなり強烈なシーンである。アーネストボーグナインほどではないが、バートランカスターはどちらかというと3枚目だ。彼にとっては一世一代の大ラブシーンだったろう。この翌年アルドリッチ監督「ヴェラクルス」で見せるあの前歯を強調した不気味な笑い方とは究極の対称性だ。でもこの映画のクレジットトップはバートランカスターである。


最後に真珠湾攻撃のシーンが出てきて、いかにも不意打ちの攻撃であることを強調する。しかし、それ以外のストーリー展開はさほどおもしろいわけではなかった。個別の演技に注目する映画かな?
コメント
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