映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「砂漠でサーモンフィッシング」ユアン・マクレガー

2013-07-07 20:10:32 | 映画(洋画 2013年以降主演男性)
映画「砂漠でサーモンフィッシング」は2012年末公開のヒューマンコメディ

冴えない水産学者が、砂漠の国イエメンで鮭釣りがしたいという大富豪の夢物語に巻き込まれるという話だ。終始のんびりしたムードで進んでいく。監督のラッセ・ハルストレムがつくる「ギルバート・グレイプ」や「サイダーハウス・ルール」はいずれもすがすがしい物語だ。
ちょっと覗いてみようという好奇心で見た。

英国の水産所轄省庁に勤務している水産学者のアルフレッド・ジョーンズ博士(ユアン・マクレガー)にメールが届く。「イエメンの川にサーモンを放流させ、サーモンフィッシングを紹介したい。ついては、プロジェクトの展開について相談をしたい」と書いてある。差出人は、投資コンサルタント会社に勤めるハリエット・チェトウォド=タルボット(エミリー・ブラント)からであった。彼女に依頼したのはイエメンの大富豪シャイフ(アマール・ワケド)である。

ジョーンズはハリエットへ実現は難しいとの返答をした。「回遊性の鮭は、産卵のため、酸素の多い冷たい水が必要。幼魚が生きていくためには、ヨーロッパ北部にいるハエがエサとして必要。紅海はヨーロッパから遠すぎる。このプロジェクトは実行不可能」であると断る。

そんな時中東情勢が悪化する。外交上英国の立場はよくない。やり手の女性首相広報官のパトリシア・マクスウェル(クリスティン・スコット・トーマス)は、政府への批判をかわすために、中東関係のいいニュースを探せ、と部下たちに命じる。ネットから選んだニュースが、イエメンに鮭釣りを紹介するプロジェクトだった。英国政府がこの話に飛びつきゴーサインが出る。パトリシアは、すぐに取りかかるように水産所轄省庁のサグデン(コンリース・ヒル)に電話で命令する。ジョーンズは、上司のサグデンから、鮭プロジェクトの窓口になるハリエットに会うよう命令される。ジョーンズは、渋々ながらもハリエットと協力してプロジェクトを進めていくことになるのだが。。。

発想が奇抜だ。
「砂漠でサーモンフィッシング?」いったい何なんだろう?
無理そうな話であるが、ちゃんと理屈も語られている。
魚には水が必要と言えば、雨期の雨量は月200ミリ。乾期は石油の調査で帯水層が発見されているのでダムで水を補給できる。ダムは完成している。山岳地帯の夜は20℃以下だし、不可能ではなさそうだ。美人コンサルタントがきっちり調べている。それでもジョーンズはのらない。

無理を承知で中国の三峡ダムをつくった技術者チームや英国酸素会社のチームにも会いたいなんてジョーンズがいうと、すぐに面談を手配する。しかも、富豪に必要経費5000万ポンド要求したら振り込まれてくるのだ。ジョーンズは逃げようにも逃げられなくなった。そんな経緯を見ているのは楽しい。
省に戻ったジョーンズは上司にも脅かされ、本気になっていくのだ。

この映画はそういうプロジェクトが成就するのを楽しむ要素も大きいのだが、基本に流れるのはラブストーリーだ。主人公のジョーンズとコンサルタント会社のハリエットの関係が少しづつ恋愛関係に代わってくる。もともとは単なるビジネスパートナーにすぎないのに身近な存在に代わってくる。
ジョーンズには奥さんがいる。仕事についてはやり手で、ジュネーブに長期滞在することになる。「妻の栄転を喜べないの?」なんて言われながら彼女を送り出す。ハリエットにも付き合いは短い軍人の恋人がいる。でも彼は出征してしばらくたった後に行方不明になってしまう。
2人とも身近に相手がいない状態だ。余計な外野もいない2人はイエメンで懸命にサーモンフィッシングができるように頑張っている。2人があっている時間は一日の大部分を占める。

これで情が移らないはずはないだろう。こんな話、世間一般にいくらでも転がっているかもしれない。
そんなときにハリエットの恋人が戻ってくる。そこからの展開がおもしろい。
エミリー・ブラントのインテリ女性ぶりも悪くない。途中で見せたドレス姿が絶品の美しさだ。

あとはクリスティン・スコット・トーマスのキャリアレディぶりがコメディ的でいい感じだ。
イエメンでサーモンのプロジェクト着手を首相に説得する際に、英国には200万人の釣りマニアがいるからうまくいくと票につながるなんてばかげた話をもちかける。釣りマニアがみんな票を入れるわけがないのにと笑わせる。

イングリッシュペイシェントのころに比べると、最近はきつめの女性役が板についてきた。首相直属の外交関係の官僚といった役だ。現代英国キャリアレディの実像を示しているのかもしれない。家庭や男の部下への対処法が面白おかしく語られる。自分はこんな上司が来るのはごめんだなあ。

映画としてはまあまあという感じかな?

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映画「レッドライト」 ロバート・デ・ニーロ

2013-07-07 07:34:28 | 映画(洋画 2013年以降主演男性)
映画「レッドライト」は今年公開のミステリーサスペンス映画だ。

超能力を扱っていて、面白そうだっけどdvdスルーにしてしまった作品
「リミット」のロドリゴ・コルテス監督が、ロバート・デ・ニーロ扮する伝説の超能力者と超常現象を疑う科学者の息詰まる攻防を描くサスペンス。ロバートデニーロの超能力者ぶりがどんな感じか気になっていたが、意外なオチになるほど。。。

大学で物理学を教えるマーガレット・マシスン博士(シガニー・ウィバー)と助手のトム・バックリー(キリアン・マーフィ)は、超能力の存在を疑問視する立場からその科学的な解明を行なってきた。インチキ霊能力者を看破するなどして、騙されていた人々を救ってきた。
そんなある日、1960年代から70年代にかけて超能力者として一世を風靡した後、約40年にわたり表舞台から姿を消していたサイモン・シルバー(ロバート・デ・ニーロ)が超能力ショーを再開し、話題を集める。
トムはマーガレットにサイモンの調査を進言するが、彼女はかつてサイモンと対決して敗れた苦い過去から、トムに自制を求める。しかし、トムは忠告を振り切って、単独でサイモンの調査を始める。すると、それを境にトムやマーガレットの周囲で不可解な現象が次々と起こり始める。

最初は騙しのトリックを追う2人の姿を映す。なるほどという場面だ。
ところが、盲目のデニーロがでてくると、彼の実力を示す振る舞いを次から次へと映す。主人公であるマーガレット博士はテレビ討論でも超能力の存在を示す人たちに真向対抗する。それなのに、彼女はあまりシルバーに関わりをもちたがらない。やっぱり凄い超能力者なのかと思わせる。

しかも、マーガレット博士に悲惨な出来事が起きてしまうのでどうなってしまうのか?
残りはトムしか対応できない。ピンチだ。
そこが迷彩なのであろう。

ロバートデ・ニーロがさすがにうまい。超能力者シルバーの卓越した話術、計算ずくの振る舞いや舞台仕掛けをみると本物の超能力をもっているのかと錯覚させる。でも彼って主演じゃないんだよね。シガニー・ウィバーが演じる役柄は好きじゃないけど、彼女自体はうまい。

その秘書役の美女はジョエリー・リチャードソンで、中年だけど気になる存在だ。英国の名女優ヴァネッサレッドグレイヴの娘であれば、きれいなのは当然かな。いまやおばあちゃん役者だけど、60年代半ばにミケランジェロアントニオーニ監督「欲望」でみせたヴァネッサレッドグレイヴの殺人的美貌を思い出す。

でも途中から少しだれるかなあ?
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