映画とライフデザイン

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映画「孤独のグルメ」 松重豊

2025-01-12 18:47:43 | 映画(日本 2022年以降 主演男性)
映画「孤独のグルメ」を映画館で観てきました。


映画「孤独のグルメ」はTVでおなじみの「孤独のグルメ」を松重豊が主演のみならず監督脚本も担当する映画作品だ。「孤独のグルメ」で紹介されたお店に行くのは自分の楽しみのひとつで、娘も引き連れていくことも多い。比較的中華系が多いけど、先日も麻婆豆腐や羽付餃子がおいしい池袋の四川料理屋「楊」に娘と一緒に行くと、「孤独のグルメ」のポスターが貼ってあった。そろそろ公開だなと待っていた。ただ、TVを毎回見る人はご存知だが、松重豊がお店に入る前はとってつけたようなストーリーだ。いったいどうやって映画化するんだろうなあと思っていた。

輸入雑貨商を営む井之頭五郎(松重豊)は、かつての恋人の娘である松尾千秋()からの頼みを受けパリを訪れる。千秋と共に彼女の祖父・一郎(塩見三省)を訪ねると、五島列島出身の祖父から「子供のころに飲んでいたスープをもう一度飲みたい」と、そのスープの食材探しを依頼される。まず故郷の五島列島を訪れた五郎は役場や手がかりになる場所をまわって食材探しを始める。


予想以上に楽しめた。巧みにまとめた松重豊に感動。
ドキュメンタリーともとれる毎回のストーリーの良いとこどりをするのかと思っていたら違う。正直言ってストーリー展開はあまりに都合よく出来過ぎだが、松重豊へのご祝儀と思ってTV版を楽しむ観客たちは許してしまうだろう。ここでストーリーの都合のいい流れに観客は任せてもらいたい思いだ。

パリのエッフェル塔や凱旋門をバックにした松重豊が映るのも見慣れずに奇妙に感じる。でも市中でお腹が空いて高級フレンチというよりお手頃そうなビストロを見つけてしまうのがいい感じだ。外から客がロールキャベツを食べているのを見つけて入って食べるオニオンスープもおいしそう。その後に出てくるビーフブルギニヨンが絶品だと感じる。いつもながらの松重豊の独白で食感がわかる。

いきなりここでグイッと寄せられる。日本の洋食屋ではこのメニュー名で見ることは滅多にない。牛肉のワイン煮で出される。TVでは毎回じっくり松重豊が食べる姿を追うが、映画なので的確な長さにとどめる。長身の杏と並んでもバランスがとれる松重豊はさすがに背が高い


瓦屋根の家が立ち並ぶ五島列島で食材探しをする。郷土の海産物の名前が次から次に出てくる。いかにも土地の食堂「みかんや」に入ってチャンポンを食べるのがいい。具がたっぷりでおいしそう。個人的には天草で食べたチャンポンが人生でいちばん好きだけど、長崎の街中は本場だけに良かった。


この後、誰が見ても不自然な展開となる。ツッコミどころ多数でもそんなのは許してしまっていい。クレジットの2番目に内田有紀がいるけど、なんと出会うのが韓国だ。内田有紀のまわりはみんな韓国人女性というのも予想外の展開である。そこでも、松重豊は葉っぱに鶏やエビを包んで韓国料理をおいしそうに食べる。そして、韓国の港近辺にある食堂に入ってのパフォーマンスもいい。ネット情報では、「孤独のグルメ」韓国でも人気だそうだ。しっかりと韓国での興行収入を狙うところは抜け目がない。


松重豊のインタビュー記事で伊丹十三「タンポポ」に影響を受けたと語っているのを映画を見終えた後に読んだ。ラーメン屋を舞台にした「シェーン」だ。ここから先のストーリー展開は控えるが、オダギリジョーはコロナ禍で経営不振となったラーメン屋店主だ。フレンチシェフ出身であえてラーメン屋をやったけど、今や細々とチャーハンだけしかつくらない。

その店によくくる客が磯村勇斗で、実は「孤独のグルメ」に似せたグルメ番組のプロデューサーだというオチまである。松重豊に対応する俳優が遠藤賢一だ。最後は同じようなエンディングをたどる。思いのほか良かった。

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