映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「黒いスーツを着た男」 ラファエル・ペルソナ

2014-05-11 19:56:40 | 映画(フランス映画 )
映画「黒いスーツを着た男」はフランス映画
アランドロンの再来と言われているラファエル・ペルソナスの主演作、確かにスーツの着こなしは往年のドロンを思わせる男前ぶりである。交通事故の加害者男性と目撃者の女性、被害者の妻の人間関係を描いたサスペンスドラマ


自動車ディーラーの社長令嬢との結婚を10日後に控えたアラン(ラファエル・ペルソナ)は、友人たちと騒いだ帰り道、深夜のパリの街角で男を轢いてしまう。同乗していた友人たちに促され、アランは茫然自失のまま男を置き去りにして逃走するが、向かいのアパルトマンからその一部始終をジュリエット(クロティルド・エスム)が偶然目撃していた。

翌日、被害者の容態が気になり病院を訪れたジュリエットは、そこで轢かれた男の妻ヴェラ(アルタ・ドブロシ)に会う。ヴェラと夫はフランスの滞在許可証を持たないモルドヴァ人だった。
そんな中、ジュリエットは病院の廊下で若い男の後ろ姿に目を留めるが、その男こそ、罪の意識に駆られて様子を確かめに来たアランだった。即座にジュリエットはアランを追いかけるが。。。

映画自体は普通でビックリするところは何もない。
何で入院している男のそばに轢いた主人公が行くのか?「犯人は現場に一度戻る」とは言うけれど、バカじゃない?しかも、目撃者は何で警察に言わないのか?突っ込みたくなる話がたくさんある映画である。

1.モルドヴァ移民
普通であれば、交通事故の被害者であればもっと強い立場になれるのに、移民なので事態を突き詰められない。最近の欧州の映画には付き物の不法移民パターンだ。モルドヴァなどのルーマニア系は夜のロシア東欧系の女が多いパブによくいる気がする。何度かそんな店で出会ったことがある。だいたい3ヶ月で本国に帰ってしまう女の子多い気がするけど

2.ラファエル・ペルソナ
アランドロンの出世作「太陽がいっぱい」で起こしてしまった殺人を隠し通す役柄だ。
同じように弱いところもずいぶん見せるけどかっこいい。

人気出るんじゃないかな?次の作品次第か

3.交通事故の処理
今の日本では飲酒運転で捕まると会社も首になってしまうし、あまり起きそうもない事件かもしれない。ひいてしまってそれがばれたら刑務所行きである。飲酒じゃ保険もきかない。逃げる人多いのかなあ?今の日本は防犯カメラが至る所で映されているからすぐわかってしまう気もする。フランスはどうなんだろう?ダイアナ妃が交通事故で死んだ時も飲酒運転だったみたいだし、ワイン好きのフランス人にはもしかして飲酒モラルがないのかな?

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映画「危険なプロット」 フランソワ・オゾン

2014-05-11 10:03:25 | 映画(フランス映画 )
映画「危険なプロット」は現代フランス映画を代表する監督フランソワ・オゾンの2012年の作品
このところフランス映画を見ることが多い。ハリウッド大作と比較するとシンプルに普通の人間関係を取り扱うことが多い。
登場人物の心理状態をサスペンスタッチで描くこういう映画に魅かれる。

小説家崩れの高校の国語教員と文才のある高校生との関わりをオゾン監督らしいスリルあふれるサイコサスペンスドラマに仕上げている。

舞台はフランスのある高校だ。元小説家志望の国語教師ジェルマン(ファブリス・ルキーニ)は、生徒への課題作文を読んでいた。2行しか書いていない稚拙な作文が多い中で、クロード(エルンスト・ウンハウワー)という少年の書いた文才のある作文を見つける。
同級生ラファの家族を描写する文章が、実にうまく書けていることにジェルマンは驚く。ラファの母親を「中産階級の女」と呼んだり、描写のニヒルさにジェルマンの妻ジャンヌ(クリスティン・スコット・トーマス)は「この子は心に問題があるのでは?」と思う。

文章のうまいクロードに作家になる手ほどきをしたいという思いから、ジェルマンはクロードに作文の個人授業を始める。自分の果たせなかった夢を彼に託すかのように発奮する。クラスメートの家庭について皮肉っぽく綴るクロードの作文は、いつも「つづく」という文字で終わっている。

友人ラファはバスケットボールが好き、父親も同様だ。クロードは時々家によってラファが苦手の数学を教えていた。しかし、たびたび家に立ち寄るクロードに不穏な雰囲気を感じた母親(エマニュエル・セニエ)は家庭教師を雇ったらどうかと父親に話す。その話をこっそり盗み聞きしたクロードは、このままだとラファの家族関係を引き続き文章にするのが無理だと感じる。その事情をジェルマンに話す。そして数学の定期試験の問題用紙をこっそり持ち出せないかとジェルマンに頼むのだ。もしいい点数が取れたなら、自分はそのままこの家にいて、ラファの家のことを書くことができると。。。


1.シェエラザード(シェヘラザード)
村上春樹の新作短編集「女のいない男たち」「シェエラザード」という作品がある。自分もブログアップした。「千夜一夜物語」で王様に夜な夜な物語を語るシェエラザードという王妃がいる。「シェエラザード」は本来殺される運命にある女だが、じらしじらし物語を「続く」で終えながら語り、生き延びていく。村上の作品はある場所にかくまわれた男に、自分の奇妙な昔話を語る女を「シェエラザード」にたとえて描いている小説だ。この映画でも「シェヘラザード」としてセリフの中に登場する。

ここでも、少年クロードは国語教師に自分が忍び込んだ家の話を話す。いつも「続く」で終わっていく文章を読みながら、国語教師は次を読みたいと思う。その欲望は強くなっていくわけだ。「知りたい」という欲求をじらされればされるほど、よけい追いたくなる。とどのつまりはとんでもない要求までのんでしまうのだ。

2.フランソワ・オゾン監督
「リッキー」「スイミングプール」をはじめとして、いくつもここでブログアップしてきた。流れはいつものフランソワ作品と同じである。一瞬万事うまくいくようになった後で、地に落とす。しかも登場人物の妄想、嫉妬、野心が絡み合っていく。ここが彼のうまさである。それぞれの作品に好き嫌いはあれど新作を見逃せることができない監督だ。


3.クラスメートの母親
クラスメートの母親に魅かれるという経験は自分もある。中学生くらいなら母親は30代後半から40代前半だ。年齢的にはまだまだ女として現役で、今の自分の年齢からすると射程距離だ。
クロードは、ラファの一家にどんどん深入りし始める。ラファの家に通えなくなりそうになると、大胆な行動にも出る。そのうちに、クラスメートの母親に惹かれるてしまう。ここでクラスメートの母親を演じるエマニュエル・セニエは巨匠ロマン・ポランスキー監督の妻である。自分が中学や高校の時に彼女にはまっただろうかと考えると疑問だけど。。。
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