映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「セイフ・ヘイヴン」 ジュリアン・ハフ

2014-05-14 13:39:41 | 映画(洋画:2013年以降主演女性)
映画「セイフ・ヘイヴン」は2013年日本公開のアメリカ映画だ。
予告編を何度か見た。素敵な2人の恋愛物語なのに、彼女が殺人鬼だとわかって男が仰天するという映像になっている。面白そうじゃない?と思っていたが、映画館はいかなかった。dvd化されてすぐ見た。

ここでの見モノはサスペンスタッチのストーリー展開だけど、それがすべてではない。映画のバックに映るサウスポートの町が美しいので驚く。「カイロタイム」の時も感じたが、観光案内的な要素を持つ映画は見ていて楽しい。一生行くこともないような美しい場所での人々の息づかいを感じるのも映画の醍醐味であると自分は思う。

どしゃ降りの雨の夜、彼女(ジュリアン・ハフ)はボストンからアトランタ行きの長距離バスに乗り込んだ。髪を切り、ブロンドに染め、妊婦に見えるように変装して。しかし、休憩で立ち寄った港町の素朴な風景に心惹かれた彼女は、その場所にとどまる。町の名は、サウスポート。彼女はケイティと名乗り、海辺のレストランでウェイトレスの仕事をする。さらに、森の中にひっそりと建つキャビンを借り、新しい生活をスタートさせた。

忌まわしい過去から逃れるためにサウスポートへやって来たケイティは、他人に対してつねに警戒心を働かせ、誰かと必要以上に親しくなることを避けていた。まもなくケイティには2人の友人ができる。ひとりは、雑貨店を営むアレックス(ジョシュ・デュアメル)。愛妻をガンで亡くしたあと、2人の幼い子供を男手ひとつで育てている彼は、車のないケイティが買い物に不自由しているのを見かねて古い自転車をプレゼントしてくれるような、親切で思いやりのある人物だった。

もうひとりのジョー(コビー・スマルダーズ)は、キャビンの近くに住む女性。彼女は、ケイティがアレックスの親切を拒んで自転車を返しに行った話を聞くと、「南部では要らない物でももらうのが礼儀」と言ってケイティを諭す。 そのアドバイスを受け入れたケイティはアレックスに謝罪し、自転車を受け取る。

この出来事をきっかけに、急速に縮まるケイティとアレックスの距離。子供たちを交えてビーチに出かけたり、2人でカヌーに乗ったりとデートを重ねるなかで、妻を亡くした悲しみに占められていたアレックスの胸の中にはケイティの居場所が作られていく。「君と一緒にいて前を向きたくなった」と、素直な気持ちを打ち明けるアレックス。その思いは、過去との決別を願うケイティも同じだった。2人は、子供たちの母を慕う気持ちに気遣いながらも、お互いに愛し合う関係になる。

 そんなある日、友人を訪ねて警察署へ出かけたアレックスは、思いがけないものを目にする。それは、ケイティの写真の上に「エリン」の名前と「第一級殺人」の文字を印刷した指名手配書だった。めまいがするほどの衝撃を受けるアレックス。。。
(作品情報より引用)

1.ラッセ・ハルストレム
アカデミー賞の監督賞こそ取ってはいないが彼の履歴はすごい。個人的には孤児院の話の「サイダーハウス・ルール」が好きだが、最近の「砂漠でサーモンフィッシング」も悪くない。まさにハリウッドという映画ではなく、やさしい雰囲気で映画を盛り上げる。ここでも流れるムードは変わらない。

2.サウスポート
ノースカロライナ州 に位置する初めて知る地名である。それにしても美しいところだ。おしゃれな港、公園もあるオークの並木道もすばらしいし、カヌーを2人が楽しむ森の中を流れる川も趣きがある。

サウスポートの美しい景観が映画で演じる人々にうまく溶け込んでいる。 こんなに美しい町だけど、観光産業もあまり手をつけていないようだ。独立記念日のパレードが、映画のクライマックスの舞台として取り入れられる。 夜打ち上がる花火が美しい。


3.ミステリーの要素
予告編では2人の恋愛が続いた後で、突如殺人が発覚という流れをとる。そういう流れかと思ったら、主人公が長距離バスに乗って懸命に逃げている姿が最初に映し出される。そして彼女を追う警察の刑事が映る。まさに殺人者を警察が追跡するという展開だ。追う刑事が彼女の行く先を調べていくが、簡単にはわからない。そうするうちに主人公の指名手配の張り紙が張られる。いったい何をしたんだろう?という疑問を持ちながら、映像を追うとついに現地で恋人になった男性がお尋ねの張り紙を見つけるのだ。「ドッキリ!」する場面だ。このあとどんな展開なんだろう??
気がつくと全然予想とちがう展開だった。これには騙された。
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映画「プリズナーズ」 ヒュージャックマン

2014-05-14 11:51:36 | 映画(洋画 2013年以降主演男性)
映画「プリズナーズ」を久々に映画館で見てきました。ヒュージャックマン主演の謎解きの要素を持つサスペンス映画である。

ようやく映画館で見てみたいという映画がいくつか出てきた。評判も上々のようなので、すき間時間に行ってみた。
メガホンをとるのはカナダ人監督ドゥニ・ビルヌーブだ。彼の監督作品日本公開2012年の「灼熱の魂」にはあっと驚いた。映画に流れる緊迫感がすごく、凄い映画と自分もブログにアップした。あれだけの作品をつくる監督ならハリウッドから当然声がかかる。ふんだんに予算を使わせてもらい、今回は主演級の俳優で主要な役を固めた。
前作ほどうならせられるということではないが、それなりに楽しめた。


舞台はペンシルヴェニア州にある普通の住宅街だ。ケラー(ヒュー・ジャックマン)は妻グレイス(マリア・ベロ)と息子ラルフと6歳の娘アナと静かに暮らしていた。
感謝祭の日、ケラーは家族と一緒に近所のフランクリン(テレンス・ハワード)とナンシー(ヴィオラ・ディヴィス)の家に行きホームパーティを開いていた。

6歳の娘アナが自宅に取りに行くものがあるといってフランクリンの娘ジョイと2人で出かけた。ところが2人は戻ってこない。周辺を懸命に探すが姿を見せなかった。
路上に不審なRV車があったという長男の証言により、警察はRV車を探し、乗っていた青年アレックス(ポール・ダノ)を容疑者として拘束する。
彼は10歳程度の知能しか持たない青年だった。警察では刑事ロキ(ジェイク・ギレンホール)がアレックスを取り調べる。父ケラーは釈放するなとロキ刑事にくぎを刺していたが、自白も物証も得られず2日後に釈放となり、伯母のホリー(メリッサ・レオ)が迎えに来る。

ケラーは釈放されたアレックスに掴み掛かる。そのときアレックスが誘拐犯しか知りようのない言葉を漏らす。もう一度ロキに調べさせようとするが、アレックスは何も言っていないと否定する。

ケラーはアレックスが犯人だと確信する。空き家に連れて行き監禁する。自らの手で幼い2人がいる場所を聞きだそうとする。

一方ロキ刑事は自宅付近で不審な男を発見する。逃げる男を追う刑事は別の容疑者の存在を突き止めていくが。。。

1.豪華な出演者
ヒュージャックマンだけでなく、脇役陣も主演級だ。マリア・ベロは傑作「ヒストリーオブバイオレンス」の奥さん役の体当たり演技が印象的、テレンスハワードはアカデミー賞作品「クラッシュ」で名を上げ、主演映画もいくつかある。ハンサムな黒人という設定が多い。ヴィオラ・ディヴィスの「ヘルプ」における演技は素晴らしかった。メリッサ・レオは「フローズンリバー」で社会の底辺を彷徨う役を演じたあと、「ザ・ファイター」でアカデミー賞助演女優賞を受賞した。この映画では最初に彼女とは判らなかった。判ったときはオヨヨという感じだった。

2.リンチまがいの拷問
この拷問シーンも凄い。主人公は口を割らそうと、アレックスを殴って殴って殴りまくる。これでもか!というくらいに
そうなった後でポールダノは端正な顔をつぶしてしまう。この拷問の場面は何度も手で映像を隠してしまう。
いやな感じだ。当然メイクだと思うけど、このハレた顔を見ているとぞっとする。
サウナみたいな場所に詰め込んで熱湯のシャワーをかけるという拷問もある。叫び声だけ聞えるだけなのに怖くなってしまう。

3.謎解きのリズム
事件が起きる前に、RV車から誰かが家族の動きを見ている映像が映る。怪しそうだ。そのあとすぐにRV車の犯人が捕まる。
しかも、釈放されたとき子供たちの動静を知っていそうだ。こいつかなと思ったら第2の男が出てくる。いかにも変質者といった雰囲気だ。こいつも絡んでいそうだと観客に怪しませる映像が映る。そうやって少しづつタネが明かされそうになるのかと思っていた。
こいつが怪しいと思わせて第三者を登場させるリズムがいい。

4.ラスト
最後事件解決に向っていったけど、1つだけ懸案が残っている。肝心な人物は死んでしまっている。おいおいどうするのかな?いくらなんでもこれで終わることないでしょう。そう思ったところでうまくラストにつなげた。この締めくくりが一番いいでしょう。

長時間にわたる映画である。絶対見せるべきところ、見せなくてもいいところ、観客に想像させるところうまく分けている。編集がうまいということだと思う。ラストにしてもこれ以上見せないことがベストだと思う。ジェイクの横顔が脳裏にこびりつく。

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