映画とライフデザイン

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映画「追憶」 岡田准一&降旗康男&木村大作

2017-05-07 18:04:23 | 映画(日本 2015年以降主演男性)
映画「追憶」を映画館で観てきました。


岡田准一の新作である。それだけではこの映画見に行かない。監督降旗康男と撮影木村大作という老大家による久々の作品というのだ。気になってしまい、映画館に向かう。降旗康男監督作品は高倉健の遺作「あなたへ」以来である。

富山県警の刑事四方篤(岡田准一)の私生活は荒れていた。行き過ぎた捜査で警察幹部から叱責を受けるばかりか、妻(長澤まさみ)とは別居し、生活が荒れている母(リリィ)からはいつも金をせびられている。その四方が富山の街で旧友川端悟(柄本佑)とばったり出くわし、飲みに行く。


川端が経営するガラス屋は経営難で従業員の給与も支払えないほど金策に困り、輪島で土建業を営む2人の旧友田所啓太(小栗旬)のところへ金を借りに行く途中であると川端は言っていた。痛飲した後川端は町のサウナに泊まるといって四方と別れた。

むかし親に捨てられた3人は涼子(安藤サクラ)が営む喫茶店に常連客の光男(吉岡秀隆)とともに身を寄せていた。ところがいたたましい事件が起き、離れ離れになっていたのだ。


四方は殺人事件が起きたという一報を受けて、港に向かう。その死体を見て驚く。なんと川端だったのだ。しかし、同僚には自分の知り合いだということは何も言わない。そして、旧友の田所のことが気になってくるのであるが。。。

現代映画界を代表する豪華スターによる映画である。当たり役に恵まれている岡田准一を見に来ているファンも多いだろう。でも自分みたいな連中もいるのでは?ここのところ若手とともに老けに老けた降旗康男と木村大作が宣伝を兼ねてテレビ画面にでるのが気になっていた。

2人のコンビでの最高傑作は高倉健主演「夜叉」であろう。いかにも降旗康男監督作品らしい荒波の海岸で映る映像は美しく、ビートたけしのチンピラやくざ役が冴え、妖艶な色気をもつ田中裕子が絡まる。元やくざの役の高倉健がいざこざの中で刺青姿を一瞬見せるところがこの映画のポイントだ。もちろん木村大作のキャメラも冴えわたる。

降旗康男の映像というと、冬の寒々しい映像を連想する。それをわかっているがごとく、北国の荒々しい波が打ち寄せる雪景色を冒頭の回想シーンで出して、我々のような降旗、木村ファンの期待に応える。それはそれでうれしい。また、日本海に沈む夕日を俳優のバックに巧みに映し出したり、日本海の荒波を追いかけ合う車のバックに映すシーンなど粋なキャメラワークと映画構図を観るだけでこの映画を見てよかったと思う。エンディングロールの最後に撮影者で木村大作とともに岡田准一のクレジットがある。これもすごいよね。


音楽の千住明は自分の知人の同級生だったが、ここでは降旗、木村コンビの映像に昭和テイストで絡む。それはそれでよかった。


コメント
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