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映画「カンバセーション 盗聴」フランシス・コッポラ&ジーン・ハックマン

2024-12-23 17:52:30 | 映画(洋画 89年以前)
映画「カンバセーション 盗聴」を映画館で観てきました。


映画「カンバセーション 盗聴」フランシスコッポラの旧作特集で気になっていた1974年公開の作品。カンヌ映画祭のパルムドール(当時グランプリ)の受賞作品で「ゴッドファーザー」とpartⅡの間に作られている。ヒット作「フレンチコネクション」「ポセイドンアドベンチャー」と続き「スケアクロウ」直後の全盛時代のジーンハックマン主演であり、若き日のハリソンフォードがちょい役で出演している。そんな作品もこれまでご縁がなかった。

オープンリールのテープレコーダーの前で作業をしているハリーコール(ジーンハックマン)は盗聴の専門家だ。広場の中を歩く男女カップルの動静を数人の協力者とともに追う。ハリーは盗聴相手の事情には関心を持たず、ひたすら正確に音を引き出すことにこだわる男だ。いつも通り集めた音を淡々と編集していくが不穏なものを感じる。依頼者である会社の専務に直接渡したいと申し出る。そのオフィスに行くと、盗聴した男女カップルと出くわす。


淡々と作業する孤独な盗聴のプロに異変が起きるサイコスリラー
1970年代のアメリカ映画の匂いが漂う。50年前なので当然ハイテクな感じはない。その当時最先端だった方法で盗聴を企てる。ハリーコール(ジーンハックマン)はその筋では誰も知っている通信傍受の専門家だ。独り者でサックスを演奏するのが趣味の孤独な男だ。

会話を傍受される男女は広場の中を歩き回っている。でも、何かに警戒しているようだ。ハリーコールとその一味は普通に歩いている2人の会話を盗聴する。盗聴というと室内に仕掛けられた盗聴器の声を聞いたり、隣室の声を聞くイメージを自分は持っていた。違う。強引に会話の声をを盗みとるのだ。広場の中で演奏しているバンドの横で男女が会話していると会話内容は聞こえない。それでも編集の段階で周波数を合わせて普通の会話に仕立てる。すると、次回密会するホテルの名前と部屋番号がわかるのだ。頭の中にこびりついてしまって離れなくなる。

盗聴の相手が何を話していようと関係ないと言い張るハリーなのに気になって深入りしてしまうのだ。浮気しているのは依頼者である会社の専務の若妻である。それが依頼者の会社に行ってわかるのだ。しかも、なんかおかしい。感情を絡めてしまうハリーことジーンハックマンだ。


「ゴッドファーザー」や「地獄の黙示録」などのカネのかかった作品と違い見るからに題材も普通の映画だけど、フランシスコッポラのこういう小品に味のある作品も多い。殺しも絡んでいるサイコスリラーで、途中から意外な展開に進む。ホテルの部屋はとれなくても隣の部屋をとって状況をチェックしようとするのだ。主人公の最後の扱いが特殊だ。ただ、これが傑作とまでは思わない。

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