映画とライフデザイン

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映画「MONOS 猿と呼ばれし者たち」

2021-12-01 21:51:02 | 映画(洋画:2019年以降主演男性)
「MONOS 猿と呼ばれし者たち」を映画館で観てきました。


「MONOS 猿と呼ばれし者たち」2021年の日本公開映画でも最上位の評価を受けているので、ロングラン中の映画館ですき間時間に寄って観たコロンビア映画である。コロンビア南米でコーヒーの産地という知識があっても、詳しい知識は皆無だ。ただ、麻薬のシンジケートが絡む映画ではよく舞台になる。初めて知ったが、社会主義国家を作ろうとしてゲリラ組織による内戦が長期間続いていたようだ。そういう地下組織でのイザコザに焦点をあてる。

山岳地帯で生活するゲリラ組織の男女が、敵との対決や仲間割れをする生死の境目の中で生き抜こうとするサバイバル映画である。ただ、具体的な地名は出てこない。コロンビアであるとも出てこない。人名はそれぞれにあるが、組織の究極の目的が何かはわからない。政治思想の要素はセリフにはない。

実際に映画の内容は非常にわかりづらい。難しい言葉が飛び交う観念的というわけではないが、すべてが具体的でなく抽象的な映画だという感覚をもつ。それなので、これが好きとは到底いえない映画である。ただ、カメラワークについては今年見た映画ではピカイチである。


作品情報を引用する

世間から隔絶された山岳地帯で暮らす8人の兵士たち。ゲリラ組織の一員である彼らのコードネームは“モノス”(猿)。「組織」の指示のもと、人質であるアメリカ人女性の監視と世話を担っている。

ある日、「組織」から預かった大切な乳牛を仲間の一人が誤って撃ち殺してしまったことから不穏な空気が漂い始める。ほどなくして「敵」の襲撃を受けた彼らはジャングルの奥地へ身を隠すことに。仲間の死、裏切り、人質の逃走…。(作品情報より)

最初は山間部でのゲリラ兵士の訓練みたい様相だ。コメディアンの岡村隆史みたいな風貌の親分が指揮している。上は絶対だ。兵士たちの顔立ちは若い。男女入り交じっていて、仲良くスポーツにふけっているシーンもある。年ごろなのでお互いに惹かれあっている同士もいる。


作品情報によると、コロンビアの複数のゲリラ組織の中でも最大だったFARCの戦闘員たちがモデルのようだ。密林や高地に潜伏しながら、政府軍と戦ったり、人質の拘束を続けたりしている。何となくよくわからないままストーリーが進んだ後で、ジャングルの中に場所を移した後でカメラが冴えて面白くなってくる。

⒈ジャングルと驚異のカメラワーク
敵の襲撃を受けたため、人質の「博士」を連れてジャングルの奥地へと移動するのだ。ところが、徐々に人間関係が崩れてくる。崩れ方はひと昔前の過激派の分裂のようだ。見慣れない顔が8人もいるので区別がつきにくい。頭が混乱する。ジャングルの横を川が流れる。風景自体は日本のどこかと言ってもおかしくない風景だ。ルソン島に居続けた小野田さんの映画とも風景は共通する。


動きが早くなる。その時にカメラが常に人を追い続けていく。この接近が緊迫感を高める。僻地に来てしまった当事者になったみたいだ。演技を超越した心理状態を見抜くカメラワークである。しかも、水の中まで追いかけるのだ。川に飛び降りる時もほぼ同時にその水中に落ちていくアクションを捉える。水中カメラも併用する。こんな映像どうやって撮ったのかと思う。そういうカメラの捉え方だけで興奮する。カメラマンのヤスペル・ウルフについては大絶賛しかない。


⒉水辺のシーン
ジャングルの横を流れる川も位置によって流れが違う。それが、ある位置からかなりの急流になる。TVの画面に映る台風で嵐のように押し寄せる川の激流だ。そんなすごい流れの中で、登場人物が実際に流れていくのだ。どうもCGでない。何それ!という急激な流れの中を俳優が流される。たぶん日本だったら大騒ぎになるんじゃないかな?こんな映像撮ったら。

これもすごいが、鎖で動かないようにさせられた女が逃げ出そうと水の中で大暴れをするシーンもすごい。水中で2人の格闘を映し、首を鎖で締められ、足をバタバタしているのが収まって浮き上がる映像もドッキリする。加えて、バックの音楽が良い。自然音も多いが、こういう究極の地での顛末にはピッタリ合う。


2つ取り上げたが、見所はこれだけではない。観る価値はある。
コメント
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