映画とライフデザイン

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映画「あの日のように抱きしめて」 ニーナ・ホス

2016-02-17 17:40:55 | 映画(欧州映画含むアフリカ除くフランス )
映画「あの日のように抱きしめて」は2015年日本公開のドイツ映画だ。


予想以上に重い映画である。
九死に一生を得て生き延びてきた女が、元夫に再会する。しかし、夫は妻は死んでいてと思いこんでいるので、よく似ている彼女を利用して資産家だった元妻の家族の財産を山分けしようとたくらんでいたのである。
原題は「フェニックス」まさに不死鳥のようによみがえった女の弱さとそれと相反する強さを見せつける。クリスティアン・ペッツォルト監督『東ベルリンから来た女』もなかなか渋い映画だったが、こちらの方がサスペンスタッチなだけスリリングな部分がある。

1945年6月ベルリン。元歌手のネリー(ニーナ・ホス)は顔に大怪我を負いながらも強制収容所から奇跡的に生還し、顔の再建手術を受ける。


彼女の願いはピアニストだった夫ジョニー(ロナルト・ツェアフェルト)を見つけ出し、幸せだった戦前の日々を取り戻すこと。顔の傷が癒える頃、ついにネリーはジョニーと再会するが、容貌の変わったネリーに夫は気づかない。そして、収容所で亡くなった妻になりすまし、遺産を山分けしようと持ちかける。
「夫は本当に自分を愛していたのか、それとも裏切ったのか――」。その想いに突き動かされ、提案を受け入れ、自分自身の偽物になるネリーだったが・・・。(作品情報 引用)

国境を車で越えようと運転する女と顔に包帯を巻いた1人の女がいる。
整形して元々の顔を取り戻そうとするが、まだキズが残っている状態だ。


それでも女は元夫を懸命に探し求める。
女が一人で歩くには危なすぎる戦争の痕跡が残っているベルリンの夜道を歩く。いろんな人に話しかけられる中、ピアニストだった夫がどんな所にいるんだろうかと考え、ナイトクラブに忍び込む。当然追い出されるが、そこにはもっと夫がいるではないか!!

でも夫は気付かない。でも元妻に似ているとは思うので、死亡届の出ていない元妻になりきるように頼むのだ。
元妻は自分はあなたの妻だとは言わず、別の名前を名乗る。そして、元夫のいいなりになり行動するのだ。
元夫に出会ったことは友人に告げる。そしてあった時の一部始終を報告する。
妻はいまだに夫に惚れている。


ネリ―がこぎれいに化粧をする。元の顔に近い。あれ!と夫が思うが、生きているはずがないと思うからそれでも元妻だと気付かない。元妻の筆跡に似せてと紙に字を書かせる。そっくりだ。それでも気付かない。こういうことを繰り返す。いつ彼に告げるのであろうか?

そう思いながらにラストに向かう。(ネタバレ)
親族の前で夫がピアノを弾きながら、彼女が歌を歌う。「スピークロウ」だ。
歌っている途中でようやく気付くのだ。


「スピークロウ」の歌詞が実に彼女の心境を物語っている。
それなので情感のこもった歌で真意を気づくのだ。この場面はすばらしい。

(参考作品)
あの日のように抱きしめて
戦争で死んだと思われた女の復活


東ベルリンから来た女
東西冷戦時の東ベルリンにいた美女(参考記事)

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