映画とライフデザイン

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映画「美食家ダリのレストラン」

2024-08-22 19:58:10 | 映画(欧州映画含むアフリカ除くフランス )
映画「美食家ダリのレストラン」を映画館で観てきました。


映画「美食家ダリのレストラン」はスペイン映画。独裁政権に反発してバルセロナを追われたシェフが海辺の街カダケスのレストランで働く話だ。オーナーはカダケスに住む芸術家サルバトール・ダリの狂信的なファンだ。予告編で観るおいしそうな料理に魅かれる。監督はダリのドキュメンタリーを3作撮っているダビッド・プジョルである。セリフの中にダリの功績を織り交ぜる。

1974年、フランコ政権末期のスペイン。バルセロナを追われた料理人フェルナンド(イバン・マサゲ)とアルベルト(ポル・ロペス)の兄弟は、友人フランソワのツテでサルバドール・ダリの住んている海辺の街カダケスに辿り着く。彼らを迎えたのは魅力的な海洋生物学者のロラ(クララ・ポンソ)、そしてその父はダリを崇拝するレストラン「シュルレアル」のオーナーであるジュールズ(ジョゼ・ガルシア)だった。

オーナーは「いつかダリに当店でディナーを」をスローガンに、ダリの家族や運転手にアプローチを重ねるが、こちらに気持ちが傾むいてくれない。(作品情報引用)


海辺のレストランを舞台にしたなじみやすいスパニッシュコメディだ。
スペインの海辺の町カダケスが魅力的である。大画面に映る水のウェイトが多い海上や海辺のシーンが昼夜とも海にいる体感をもたせてくれる素敵な映像だ。料理人がつくる料理も視覚的に美しく、色あい鮮やかに食欲を誘う。ストーリーは別として映像を楽しむために観ておきたい。一生行くことないだろうカダケスの町は観ておく価値がある。


独裁者フランコが亡くなる1年前の設定だ。政府への反発を示すバルセロナのシーンはわずかで、ほとんどがカダケスでのロケシーンだ。警察との対立の場面はわずかだ。警察も賄賂で動くひと時代前の田舎警察だ。

無口な料理人フェルナンドが腕利きで主人公とも言えるが、実際にはレストランのオーナーのジュールズ個性的でセリフもいちばん多い。おっちょこちょいとも言える行動が常に笑いを誘う。コメディアン的存在がいい。
ダリへの思いが強く、レストランの客席にはダリ独特のデザインのオブジェなどが置いてある。料理を持ってダリにレストランに来て欲しいとアピールするが、大金を出せとダリの妻に断られていた。有力料理批評家がレストランで食べたフェルナンドの料理を絶賛する。ところが、ダリに関する悪口を批評家が言うと、ジュールズが怒って店から追い出してしまう。ロックも好きでエピソードが絶えない。


シェフフェルナンドはスペイン人にしては謙虚だ。余計なことは言わない。もともと一流店のシェフだったのに、海辺のレストランで働く時も皿洗いなどの下働きでいいからと受諾する。下働きの時からつくる料理はみんなが絶賛する。基本的にはフランス料理だ。意匠的にもすばらしい。方々からうわさを聞いて食べに来る。地元の海産物を豪快に調理する屋台の影響も受ける。


ただ、フェルナンドと弟はバルセロナでの騒乱で警察に追われている。ビクビクしているのだ。レストランのオーナーがトラブルを知り、クビにしようとしてもブイヤベースを味わいやめる。


男性陣は野暮ったい連中だらけだが、女性陣は美女だらけ。恋物語も用意されている。レストランオーナーの娘クララ・ポンソが魅力的だ。最近屁理屈ばかりで気前のよくない日本映画と違い、しっかりバストトップも見せてくれてうれしい。クリミア半島出身というロシア美人も弟の方と恋仲になる。黄色のワンピースが似合う。夏に観るのがもってこいの作品だ。


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