映画とライフデザイン

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映画「海街奇譚」

2024-01-26 18:43:58 | 映画(中国映画)
映画「海街奇譚」を映画館で観てきました。


映画「海街奇譚」は2019年の中国映画で、その年のモスクワ映画祭に出品して審査員賞を受賞している。その時の審査員長は韓国の故キムギドク監督というのが気になる。予告編に流れるムードがなんか怪しい雰囲気だ。先日観た「緑の夜」で韓国のあやしい夜を味わったばかりで、今回も同じような期待をもつ。

妻を探しに離島へ行った俳優の男(チュー・ホンギャン)は、現地のホテルの女やダンスホールの女(シューアンリン)などと出会って奇妙な感触を覚える。加えて現地の町民たちは海難事故で次々と行方不明になるのに戸惑い落ち着かない生活をおくる。


映像表現は巧みだが、訳がわからない映画だ。
大画面に映る海辺のさみしい町のホテルやこの町で唯一ネオンが輝くダンスホールの映像は趣きあるし、撮影も巧みだ。原題にあるカブトガニやタコなどの「海洋動物」とそれぞれのパフォーマンスを繋げようとしている。

ダンスホールの美人マスターと似たような女が次々と出てくる。それぞれの顔が似ているので、アタマが混乱する。すると、主人公が元妻とやりとりする映像に似たような女が出てくる。美形のシューアンリンが一人で色んな役をやっていることに途中で気づく。


映画祭に出品している中国映画を見るとあえてセリフで語らず、映像で見せる映画が多い。映像理論の基本としてそれで良いかもしれない。ただ,あまりに説明がなさすぎて訳が分からなくなることも多い。この映画も同様だ。

幻想的と言えば「マルホランドドライブ」などのデイヴィッドリンチ作品もある。ただ、まぼろしと回想と真実の交差が中途半端で、リンチのレベルはほど遠い。よくわからないまま進む尻切れトンボの印象を受けた。「緑の夜」ほどにはあやしいアジアの夜の雰囲気は感じない。コロナを挟んだのはわかるけど、5年もたって劇場公開なのは新作不足ということ?


現代中国映画を観ると、日本の1980年代前後のディスコを彷彿させるダンスフロアの映像が出てくることが多い。曲のタッチも昭和のディスコを思わせる曲だ。離島のディスコといえば、ひと昔前の夏の伊豆七島には即席ディスコがたくさんあった。その頃を思い出す。

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