映画「火口のふたり」は脚本家荒井晴彦がメガホンもとった作品である。sex描写が激しいという前評判である。
見てみると、意外にセリフは多い。映像で何かを想像させるという映画ではない。セリフの中で2人の人となりが次第にわかってくる。ほとんど2人のみで成り立つ映画である。柄本佑、瀧内公美2人とも好演であるが、際どいシーンに挑戦した瀧内公美の心意気に敢闘賞を与えたい。
東京に住むプータローの賢治(柄本佑)の元に秋田にいる父親から電話が入る。親戚の直子(瀧本公美)が結婚するので出席するかという確認だ。直子とは以前恋愛関係にあった。賢治が秋田に帰郷したら、早速直子がやって来た。家電量販店にむりやり付き合わせた後に、直子の家に向かうと昔のアルバムを出してきた。そこには裸で絡み合う賢治と直子の写真が貼ってあった。
しかし、それは昔のことだと賢治が帰ろうとすると、直子の方からアプローチをかけて来た。今夜だけよということで交わる2人である。しかし、一度火がつくと収まらない。朝立ちしてしまった賢治が直子の家に直行する。自衛官である直子の婚約者が出張から5日後に戻ってくるのでその時までということで2人は常に一緒にいるようになるのであるが。。。
⒈2人の関係
親戚であることは間違いない。セリフに出てくるだけでは関係がよくわからない。お互い子供の頃から知っている。賢治が25才、直子が20才の時に燃えるような交わりがあった。直子はその時の自撮りの写真をアルバムに残していた。
賢治には離婚歴がある。直子と別れてから付き合った女のようだ。直子は子宮筋腫であることがわかり、早く結婚して子供が産みたいという思いで結婚を急いだ。相手は自衛官で鍛えているから鉄板のような身体付きというセリフがある。ここでは登場しない。
⒉絡み合う2人
もっとくっつき合う映画かと思ったが、そこまででもない。だらだら絡みだけが続くわけでもない。最初は女性が発情するが、すぐさま男性も盛り上がる。どちらかというと柄本佑が早漏気味なのであっという間に次のシーンに移る。手を変え品を変えありとあらゆるsexシーンを映し出す。瀧内公美は前貼りなしでヘアを映し出す。フェラシーンがあるけど、柄本佑は前貼りしているんだろうか?気になったのはそれだな。
荒井晴彦の脚本だけあって、原発問題や自衛隊の派遣についての左巻きのセリフもある。なんか嫌味っぽいが、それが主流ではない。富士山噴火なんて凄い話がある。休火山であるから江戸時代以来の噴火があってもおかしくはない。このあたリはギャグだ。