映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

小谷野敦「日本人のための世界史入門」

2013-04-04 19:56:47 | 
小谷野敦「日本人のための世界史入門」を読んだ。
いや一回見終わったときに再読した。そのあともう一回マーカーひきながら読んだ。基本は世界史の教科書の内容をベースにしながら、小谷野氏の思いと雑談を書いていく。なかなか面白いんじゃないと思う。

この男面白い。
このブログでいうのは初めてだけど、ムチャクチャ勉強している割に適度にしか評価されない。なんかうさんく評価されるんだろうか?でもいい男だなあ。一度飲んでみたい。

彼は自分より少し年下
いわゆる学園紛争でクズになった年齢ではない。東大出身だけど当時メジャーな高校の出身ではない。(今は逆にメジャーになったけど)そういえば彼がでた高校は自分も滑り止めで受けている。その中でも彼はいじめられている。
今でもamazonの批評をしていじめられている。
彼は色々な著作や映画に対して割と辛口のアマゾンレビューを書く。それを見て「参考にならない」と一般人にいじめられている。。
ここまで自分から辛口で評したら復讐しようとする奴いるだろうなあ。
彼の意見と違うことも多いが、映画レビューは面白い

でも彼の書いた「母子寮前」という小説を芥川賞候補になった時買って読んだ。
自分が母親をガンで亡くした時の構図によく似てますます好きになった。
他の評論も読んでいて楽しい。変な奴だと思うけど参考になる。

彼の考えのベースは自分と一緒である。
「私はあさま山荘事件について全く理解できないし、理解しようとも思わない。あるいは宗教でなくても、マルクス主義についても異様な情熱を燃やす人たちを理解できないし、理解しようとも思わない。。。。」

変な奴って多かったよね。今でも多いのかも。
昭和20年代生まれには多い人間のクズ。昔社会主義思想にかぶっていた奴。でもこういう人間のクズ、アベノミクスがうまくっているから今沈黙しているかもしれない。

「多くのリベラル知識人が50年にわたって自民党政権を批判してきたのに、選挙で自民党は第一党であり続けたし、知識人がどれほど石原慎太郎を非難しようとも選挙をすれば勝つ」
その通りじゃない。

彼はこういう。
「かつての英雄の子孫を国民が支持する現象をボナパルティズムという。現在、ビルマの軍事独裁政権に抵抗しているアウンサンスーチーも。。。アウンサンスーチー将軍の娘なのでボナパルティズムなのだ。」

なるほど
彼女を描いたリュックベッソン監督の映画見たのでその事実知っていたけど、そう言われるとボナパルティズムなんて言葉あったのね。知らなかった。
日本でいうと、時代ごとにあるよね。この間落選した田中真紀子さんもそうだし、いつまでもつかわからないけど小泉元首相の息子さんも同じだよね。

他にも
宋の蘇さんが流刑なのに妾を連れて地方で豪邸に住む姿の話は面白いし、欧州の王室が何で他の王室から王を連れてくるかという滑稽さ、イスラムの教書コーラン(クアルーン)が「旧約聖書」の内容を焼き直しをしている話など面白かったあ~
まだまだたくさん。。。
「チャールズ1世はピューリタン革命で斬首された人だし、王政復古の後もチャールズ2世だったとはいえ、あまり縁起のいい名前とは言えないけどなんでつけたんだろう。。。」
この言い方もその通りだなあ

この本amazonの批評ではクソミソで、学生には勧められないという人いるけど違うと思う。
むしろ高校2年生くらいが普通に読むと教養になるんじゃないかしら。世界史は流れという論者にもピッタリ。世界史教科書らしい流れを基本に簡潔に逸話をまじえて楽しくよめる。現代史が弱めだけど、ちくっと戦後インチキ知識人を愚弄する。

著者はいう。
「戦後日本人の知識人の多くは、社会主義や平和主義に幻想を抱きすぎていた。中国は1966年から毛沢東が主導して、あの悪名高い文化大革命を行った。多くの文学者はこれを批判したが、これを称賛するものもあり、新島淳良などはのち過ちを認めたが、未だ認めないものもいる。」


「日米を問わず、戦後の知識人のソ連、中共への心酔は恐ろしいほどで、米国やNATOが核兵器を持つのは許されないが、ソ連が中共が持つのはいいという議論が普通になされていた。」
これって今も狂っている反原発で名高い某左翼系新聞社でしょうね。
彼の批評を悪く言う奴はいわゆる学園紛争とかにうつつをぬかした奴か日教組(今もいるかな?)の教師だと思う。いずれも人間のクズだ。

アヘン戦争って誰がどう見てもひどいよね。
著者はいう。
「中共政府は日本に対して強く出るが、一番ひどい加害をおこなった英国は、第二次大戦の戦勝国か、それとも冊封国ではないからか、何も言わない。」
本当そうだ。

論敵ディズレーリ首相とともに19世紀後半ヴィクトリア女王時代の英国をささえたグラッドストーン首相はその若き日アヘン戦争出費が議会で271対262で可決されたときこういったという。
「これほど不正な、恥さらしな戦争はかって聞いたことがない。大英帝国の国旗ユニオン=ジャックは、かっては正義の味方、圧制の敵であり、民族の権利、公正な商業のために戦ってきたのに、いまやあの醜悪なアヘン貿易を保護するために掲げられることになった。国旗の名誉はけがされた。」
その通りだ。
それを機に諸外国は図にのった。日本も人のことは言えない。
でも他の国の方がずいぶんだと思うけど。

これから娘の大学受験の世界史の点数上げようと思うと、この本だけではさすがに無理だと思う。
ちょっとやり方考えてみよう。


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