後藤和弘のブログ

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中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

中古クルーザーヨットの買い方(12)ー中古ヨットの見分け方のフォトアルバムを参照しながら、(続き)

2008年01月03日 | うんちく・小ネタ

@定員を決める

ヨットは救命ジャケットを人数分そろえれば定員を希望通り変更できる。ただ船舶検査の改定を申請し認定してもらう必要がある。

中古艇を買うときには定員は何人になっているかを船検証で確認し、救命ジャケットが定員数以上ある事をチェックします。

定員が決まればキャビン内でパーティを開くときに必要な備品が決まってきます。椅子とテーブルの数をチェックします。

@水洗トイレと炊事用のコンロ2口と流しは必要

キャビンでパーティを開催したり宿泊することはクルーザーヨットの重要な楽しみかたです。

従ってキャビンは大き目に設計したもの、内装の綺麗なもの、水洗トイレ、炊事用コンロと流しの装備しているものを選びましょう。

「中古ヨットの見分け方の写真集」のフォトアルバムでは筆者の、定員7名のヨットの内部備品の実例を示しました。キャビンの内部の大きさから7名が限度で、テーブル2ケとベンチに5人、補助椅子2ケでパーティが出来ます。

レースで優勝する楽しみを追及する場合のヨットのキャビンはセイルをしまうだけの小さなものになっています。内装も粗末です。その代わり甲板が横に広く大きな帆を上げてもあまり傾かないような設計になっています。このようなレース艇のキャビンは実に簡素に出来ています。その代わりレース用専門のケブロンのジブやメインセールが大中小と何枚も揃っています。レース専門のセールにお金をかけますのでその他の備品の保守管理はあまり良くありません。エンジンルームも汚れています。こういうレース専門艇の中古はなるべく避けるのが良いようです。

@中古艇で注意すべきその他の備品

Dscn0789_2 写真で示したようにマストトップの風見は必ず装備してあるものを選びましょう。

それと独りでセイリングする場合が結構ありますので写真のような自動操舵装置も必要です。

また碇(アンカー)とアンカーロープも必要です。

以前にも書きましたたがシート類、とくにスピネーカーとそのシートやポールの有無もチェックします。以上などを参考にしてチェック項目を作成して中古艇を買いに行くと良いと思います。


中古クルーザーヨットの買い方(12)ー中古ヨットの見分け方のフォトアルバムを参照しながら、

2008年01月03日 | うんちく・小ネタ

@ヨットを買った後の使い方をまず考える

クルーザーヨットの使い方はおおよそ3分類されます。1、外洋での何日間もの長距離航海を楽しむ、2、近海で昼間だけのレースへ出場をし、レースで優勝することを楽しみにする、3、昼間だけゆっくり巡航し、風でヨットを悠然と走らせることを楽しむ。夜はキャビンでパーティをして楽しむ。

この3種の組み合わせもあります。しかし、3のゆっくりセイリングとキャビンでの飲み会を楽しむ人々が圧倒的に多いようです。中古クルーザーを買う場合はキャビンでの飲み会をも想定して内部の備品の状況を良くチェックする必要があります。

フォトアルバム「中古ヨットの見分け方の写真集」ではチェックすべき項目の実例をいくつか示しました。

@船底からの水漏れのチェックを丁寧にする

始めの写真のように係留し、毎週一回あるいは毎月一回しか行かないことが多いので一番の心配は水漏れです。クルーザーの船底には1、スピードメーターの穴、2、水洗トイレの取水口、3、トイレの排水口、4、炊事用流しの排水口、5、エンジン冷却用の取水口、5、冷却水と排煙の混合物の排出口、6、スクリュー軸の貫通穴、と少なくとも6ケの貫通した穴があいています。出来ればこれらの穴すべての船底との接着・固定状態を観察し水漏れの可能性を見ます。

また、6ケの穴からの過去の水漏れの有無はキャビンの床板や椅子のクッションを取り除いてよく観察すると判明する場合もあります。フォトアルバムでは水洗トイレの取水と排水の穴と船底との固定状態の写真をしめしてあります。

また床板を取ったときの写真もあります。キールを固定しているボルト・ナットの腐食状況も観察出来ます。過去の漏水はシミ跡が有れば分かります。

@一番厄介なのはスクリュー軸回りからの漏水

6ケの穴でスクリュー軸以外の穴から漏水している場合は船を上架して専門家に完璧に修理して貰います。多くの中古艇ではまずそんな水漏れは有りません。しかしスクリュー軸回りは少しずつ漏水し軸と軸受けの摩擦熱をとるように設計してある場合が多いものです。従って多少の漏水は必ずあるものです。問題はこの漏水の速度の調整が結構厄介です。筆者の中古艇ではスクリュー軸の周りを柔らかいフェルト布のような材質のパッキングで埋め、それを大きなネジで締め付けるような構造になっています。そのための工具と、締め付け方を覚えるまでに何度もエンジンルームに水を溢れさせ、行くたびに落ち込んだ記憶があります。中古艇を買うときは前の持ち主からこの漏水の調整方法をよく教わっておくことが肝要です。このスクリュー軸からの漏水は、自分で調整するテクニックをマスターしましょう。

@雨水の漏水の有無をチェックしよう

中古艇は船体材料の接着部の劣化・変形により多少の隙間が出来ることが多いものです。大雨のあとでは漏水があり、エンジンルームやキャビンの床下に水が溜まります。船底からの漏水と区別がつかず神経質な気持ちになります。大雨の直後に船へ行けば、雨の漏水の有無が確認出来ます。その後で何処の部分の老化・変形で漏水しているかを根気良く探します。発見したら開いた隙間を新しい接着剤で埋めます。ホームセンター店へ行くと種々の接着剤を売っているので適切なものを選びましょう。

中古クルーザーヨットの雨水の漏水のトラブルはよく聞きます問題は何処から漏水しているのかを突き止めることが難しい点にあります。筆者も色をつけた水を船体へかけたりしました。しかし決め手は漏っていそうな箇所へペンキを塗り、船内からペンキの垂れ下がりを観察して発見しました。雨水の滲入が始まってから何処から漏水しているか発見するまで4ケ月もかかりました。(続く)