後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

山林の中に小屋を作る方法(6)

2008年01月14日 | うんちく・小ネタ

@周囲の人々へ呼びかけて管理組合をつくろう!

山林の中に小屋を作った1973年当時は周囲に人家や別荘が無かった。しかし電気を引いた1975年頃から別荘が少しずつ増えてきた。そこで付近の20軒くらいで別荘管理組合をつくり、毎年の懇親会へは地元の村長さんも招待した。組合の仕事は車道の修理と別荘地内の草刈である。この組合は順調に続き、お陰で車が四季を通して上がれるようになった。地元の人々も友好的である。

山林の中に小屋や別荘を作るとその維持管理が大変である。専門の管理会社へ委託すると管理料金が少なくない。自分達で組合を作ると年会費が1万円以下で道路の管理補修、草刈、懇親会などをすべて行っても繰越金が貯まる。

運営の鉄則は入会したくない人を無理に誘わない、お互いの都会での生活について質問をしない、個人的な干渉をしない、山遊びのことだけの話題で交流する、などを守ることなど。すると入会する人も次第に増える。都会でどんなに偉い人でも山へ来れば完全に平等でお互いに尊敬しあう雰囲気を作るのが組合を成功させる条件であろう。

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@樹木や清流は皆の財産と思い大切にする

人跡まれな山の中である。自分の土地なら樹木を切ろうが汚水を流そうが自由だ。しかしそんな人は初めから居なかった。炊事の排水は地下の浄化槽へ出す。間違っても清流へ直接流すような人は皆無であった。

樹木も大切にする。薪は落ちた枯れ枝で作る。ゴミは都会へ持ち帰る。誰も注意しないし組合規則でもない。全員が30年間当たり前のように守っている。

山林の中に小屋を作るのは、道がある限り地元の建設業者がしてくれる。しかし電気・ガス・水道が無い。ところが組合があったせいか東京電力が電柱を何本も立てて長距離の配電をしてくれた。工事費は不要という。

ガスは地元の金物屋がプロパンの大型ボンベを運び上げてくれる。

水道は井戸を掘ってポンプをつけて自家水道施設を作る。自分で作る人も居る。決論を言えば「山林を買って小屋や別荘を作ろうとする人々」は初めから自然を愛している、大切にする、自分の手で何でも作りたい、他人を尊敬する、そんな傾向がある。良い傾向なので組合を作り、順調に続けることが難しくない。

唯一、非常に重要な事は「誰かが言い出して、皆に呼びかける」事である。

我々の場合は今は無くなったがSさんがその役をした。筆者もSさんと一緒に皆へ呼び掛けたのも思い出として残った。(続く)