政治家と個人的に話をしたことがありますか?政治家は忙しいものです。なかなかゆっくり話を聴く機会がありません。選挙カーのスピーカーから流れる猫なで声や、騒々しいガナリ声しか聞いたことがありません。マスコミでは政治家の汚職や政治資金規制法違反の記事が何度も出ます。ですから以前の私はなんとなく「政治家には悪い人が多い」と思い、関心も有りませんでした。
ところが額賀福志郎さんという政治家と偶然、インドネシアと北京へと旅をしました。彼のある後援会の人々との10人位の団体旅行でした。8年ほど前のことです。
物静かで優しいジェントルマンです。それまでは額賀さんを知りませんでした。変な人が成田空港で加わって来ました。誰も紹介もしないのでそれが政治家であるとも気が附きませんでした。少しだけ話をしましたが、自己紹介もしません。ただ微笑みながら低い声でボソボソ話すのです。初対面の人へ対する礼儀正しい会話を交しただけです。ジャカルタへ着いてから回りの人があの人は、防衛庁長官をした人で額賀さんといい、今回の旅の団長です。と、教えてくれました。茨城県の霞が浦付近の草深い田舎の出身だとも教えてくれました。如何にも村の村長さんという風貌です。にこやかな雰囲気です。
ジャカルタでは額賀さんが講演をしました。当時の国際情勢を分かりやすく説明し、その中でインドネシアや日本はどのような国際政策をとるべきか? 額賀さんの考えは明晰で、分かりやすく、その上、言語明瞭です。あのボソボソ声の人とは別人のようです。会議終了後、彼の傍へ行って、「講演内容に感動しました。日本の総理大臣になって貰いたいです」と言いました。これは自分のいつものオッチョコチョイぶりが出ただけです。ところが彼は、たたずまいを直し、こちらへ向きを変え、目を光らせて言います、「自分もそのつもりです」。ああ、この物静かな人が総理大臣になる決心で政治家をしているのだ。彼のジェントルマンぶりと「政治家は悪人だ」という従来の思いが対立して私の心が乱れます。彼の物静かに優しげな態度は北京への旅でも同じでした。
ところがそのような額賀さんも政治資金で問題を起こし、半分、失脚しかかったそうです。全ての役職が無くなったので我々と一緒に旅をする暇があったようです。その後、彼は蘇えり、防衛省大臣や財務大臣を歴任しています。
それ以来私の政治家へたいする考えが変わりました。政治にはお金が必要です。会社は政治家の力を借りて土木事業の注文をとりたいのです。お金を政治家へ渡すのは当然の自然現象です。これを断絶するのは簡単です。政治資金を会社が寄付する一切の行為を厳禁すれば良いのです。その代わり全てを個人からの寄付にすべきです。
貴方自身が政治家へ個人的に寄付をする決心をしないで、政治家だけを非難するのは間違いのような気がいたします。貴方のご意見はいかがでしょうか?
今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。 藤山杜人
参考としての追記:額賀福志郎(http://www.nukaga-fukushiro.jp/index.html)。