久しぶりに来た山林の中の小屋。新鮮な空気の春風が温かい。ウグイスがしきりに啼いている。
昨日、まだ明るい夕方、近くの山荘を訪ね、鬼家雅雄さんとビールを飲み合う。大きなガラス窓が四方についた2階の部屋で。回りには新緑の雑木林がかすかな芳香を放っているようです。
自分の小屋に帰って、薪ストーブに火を入れて、ビールの続きを独り飲む。何時の間にか漆黒の闇が小屋を囲んでいる。外に出ると満天の星。春とはいえ山の夜は寒い。部屋に戻って音楽を聞きながらヨットのことを考える。先週、房総の保田魚港で北欧の大型ヨットのニス剥がしをし、船長のHootaさんと夜遅くまで飲んだ時の会話を想いだしながら静寂な時を過ごす。
東京湾は大型貨物船の航行が激しく、とてもヨットで遊べる海ではない。と、勝手に思い込んでいた。Hootaさんの話を聞くと、どうも大型船の動きをすっかり記憶している様子。保田漁港、東京夢の島マリーナ、横浜ベイサイトマリーナ、三崎港などを拠点にして縦横無尽に帆走している。この連休には大島や三宅島まで帆走するという。昼間だけセイリングする楽しみ方しかしない小生のヨットとの付き合い方とは非常に違う。奥行きが深い楽しみ方をしている。それにHoota船長の人間性が魅力的だ。梅雨時に黒姫山のニコルさんのアファンの森を案内してくれるという。その時、少し東京湾でセイリングするときの注意事項を聞いて、この秋には東京湾の夜のヨット乗りに挑戦してみたい。山に来て、海のことを思う。足元で薪ストーブの中で木がはぜる音がしている。今回は鬼家雅雄さんからイカリソウ、サクラソウ、ヒトリシズカ、クリンソウの花の株を貰って来た。どれも小さな可憐な花が咲いている。家内への良いお土産になる。明日は持ち帰る湧き水を汲み、ぜんまいなどの山菜を取るつもり。そんなことを考えながら寝床に就く。
夜の様子の写真を3枚程掲載します。(終わり)