今までは、旅に出るとき、ホテルや旅館をきちんと予約しました。しかし悠々自適となればブラリと旅に出て、現地に行ってから、周りの風景の良いホテルに投宿する。着いてからその土地の歴史を聞き、神社や城跡を見に行く。そんなのんびりした旅が一つの夢でした。
今回、5月16日に家を文字通うり、ブラリと出ました。2泊3日の旅です。目的は福島の山の中にあるブリティッシュヒルズです。その中間点の宇都宮に投宿することにしました。宇都宮に入り、街を3回、車で回り、一番美しい通りを探します。県庁前から南へ伸びる県庁前通りがマロニエの花咲く並木道です。マロニエは栃の木と言い、栃木県の木です。ドイツ語ではカスタニーエと言いいます。昔住んでいたシュツットガルトではカスタニーエの並木が多く、今頃よく白い花を咲かせていました。その並木道を3回まわって、ホテル・セントレというビジネスホテルを見つけ、泊まることにしました。緑豊かなマロニエの大木に囲まれた静かなホテルです。すぐ宇都宮城跡へ行きました。平安時代から戦国時代までは代々、二荒山神社の神主を兼務していた宇都宮氏が城主としてこの地方を治めて来たそうです。江戸時代には幕府の譜代大名が城に入りました。宇都宮の人は宇都宮氏のことは誇りにしていますが、江戸時代のことはあまり話したくないようです。城跡で説明してくれたボランティアの老紳士は江戸時代のことを質問すると、途端に寡黙になります。全国いろいろな土地で歴史のことを現地の人に聞くと、それぞれ違った歴史感を感じることができて興味深いものです。城跡に昔あった隅櫓の2つが復元してありました。その写真を下にお送りいたします。(続く)