他の国を占領し、支配したい。支配された国はその支配へ抵抗して最終的には完全な独立を果たしいたい。人類の悲しい性(さが)です。
日本は1945年にアメリカ合衆国に占領され支配を受けました。その後1951年にはサンフランシスコ条約によって独立国家になります。しかし冷戦のお陰で、アメリカ軍は日本国中に広大な軍事基地を保有して来ました。
1989年のベルリンの壁の崩壊によって冷戦が終了します。しかし2009年に至る現在でもアメリカは基地を日本へ返還しようとしません。永久に保持しようとしている様子です。
この状態は、極端な見方をすればアメリカの軍事占領がいつまでも続いているとも誤解されやすい状態です。日本人の多くはこのような半分占領されているような状態が我慢できなくなりつつあるのかも知れません。人類はひとしく他国に支配されたくないという性(さが)を持っているのです。
すべてのアメリカ軍が引き揚げる。それに代わって強力な日本独自の軍隊で日本を防衛する。これこそが日本の完全独立です。日本人の心の琴線を震わせる強いメッセ-ジです。最近、日本のマスコミにアメリカも信用できない。日本はアメリカからもっと独立すべきだ。と、いう風潮の言葉がよく見かけます。人間の心情としてごく自然な意見と言えます。しかしそれが本当に正しい方向でしょうか?
いきなり話は飛びますが、ここで2000年まえの中近東の現在のイスラエル地方の状態を考えて見ましょう。キリストが居たころのユダヤの国、イスラエルの状態です。
その地方は強大なローマ帝国の領土でした。ローマ軍の占領下にあり、ローマから派遣されたポンティオ・ピラトという総督が治めていました。そしてユダヤ人の王へもある程度の自治権を与えていました。罪人を死刑にする重大な裁判権だけは総督に有りました。それでピラトはしぶしぶキリストを死刑にしました。民衆が死刑にしろと騒ぐので面倒くさくなっただけです。自分の統治期間に暴動のような不祥事が起きないようにしたかったのかも知れません。
さてキリストを刑場へ引き立て、死刑を執行したのはローマの一小隊でした。死刑執行後、キリストの着ていた衣服を兵隊が奪い合ったことまでリアルに福音書に書いてあります。
ローマ軍がイスラエルに駐留していて支配していた様子がありありと理解できます。
さて、このような状態では、当然ユダヤ民族がローマ軍を追い出したいと思うのが自然の心情です。福音書にはそのような記載はありません。しかしキリストを独立運動の首領と誤解した民衆がいたと書いてあります。
キリストが言います。私は地上のことよりも天国にいる神の愛を皆様へ話ししたいのです。地上のことは私の関知しないことです。カエサルの顔の描いてあるコインはカエサル(ローマ)へ返しなさい。
如何でしょうか?日本が将来どうのようにすべきかお分かりになりませんか?
戦争を避けて、平和を守ろうとしたら、カエサルのものはカエサルへ返せば良いのです。アメリカの支配を追い返そうとして軍事力を独自に管理しようとすればどうなるでしょう?過去に日本の軍事占領を受けた北朝鮮や中国やフィリッピンなどアジアの国々は急に警戒を強めるでしょう。アジア地域の平和が危険にさらされる可能性があると思います。
ローマの隆盛は300年くらいでした。キリストの平和は2000年たっても変わらず世界に広がっています。憲法第9条の輝きも長い年月続くと思います。(終わり)
今日は、皆様も平和を守る賢明な方法をいろいろお考え下さるようにお祈りいたします。 藤山杜人