後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

府中市美術館での宮本和郎氏の彩墨画の個展と「かわいい江戸絵画」 展

2013年05月03日 | うんちく・小ネタ

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今日、府中の森公園へ行った折りに公園内にある府中市美術館に寄りました。その一階で宮本和郎画伯の彩墨画の個展をしていました。

入場無料で5月6日までしています。

感動しました。正確な描線に淡い色彩が添えられ、素朴で暖かい絵ばかりです。静かで柔らかい光を放っています。

プロの画家には人々に迎合する部分を描きこむ人もいますが、宮本画伯はリンとして、そんな雰囲気がありません。徹底的に具象的に丁寧に描いています。

そして全ての絵が見てて気分が良くなるのです。嫌な絵が1枚も無いのです。

数十点の大作を見ながら感動しました。小野竹喬画伯が大好きな家内も「きっと性格の善い立派な方なのでしょう」と言っていました。

下に絵の写真を示しますが、宮本画伯の鮮明な絵画は「とんとん・にっき」http://ameblo.jp/tonton3/entry-11513885183.html に掲載されていますので、是非そちらをご覧ください。

宮本和郎:略歴

1936年、東京・日野市に生まれ、15歳より府中市に住む。東京藝術大学日本画科卒業。現在、日本美術家連盟、日本美術会、日本山林美術協会会員。公募展、グループ展に出品のほか、山形、群馬、東京、山梨、名古屋、大阪などで個展、企画展などを30数回。著書に画集「スイス・アルプス花の旅」「墨で描く基本」画文集「山里の彩譜」「四季の花」シリーズなど10冊。

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尚、同じ美術館の2階では、5月6日まで、「かわいい江戸絵画」という特別企画展をしていました。入場料は700円です。「かわいい・・・・」なんて子供だましのような企画展の名前を見て、私はかんべんして貰いました。家内だけ見ました。

しばらくたって出て来た家内は、江戸時代の著名な画家のほとんどを網羅した絵画展で、予想以上に良かったと言ってました。蘆雪の象の背中、応挙の虎や狗、若冲の栗鼠などのユーモラスな動物の絵が多く、展示してあった絵画の質が良く、そしていろいろな画家の作品を167点を前後の2期間に分けて展示しているそうです。(http://ameblo.jp/tonton3/entry-11502136845.html

私も見るべきでした。「かわいい・・・・」なんていう言葉を馬鹿にして残念なことをしました。

是非、こちらもご覧ください。(終わり)


無駄な時間を過ごす老境の安逸と淋しさ(2)府中の森公園を歩き進駐軍を思い出す

2013年05月03日 | 写真

仕事を一切やめると実に愉快な解放感につつまれます。これこそ老境の幸せです。安逸な日々が流れます。楽です。遊びまわれます。こんな楽しい時期は私の人生にはありませんでした。

今日は家内と一緒に府中の森公園を無為に歩いて来ました。

こんなにも広大な緑地が残っていたのはこの土地を進駐軍が占領していたからです。その頃の日本の生活の貧しさを思い出して悲しい気分になりました。白い金網に囲まれた進駐軍の住宅地は贅沢を絵に描いたように輝いていたのです。

そしてその金網の所々に看板があり、「進駐軍施設につき立ち入りを禁ず」と書いてありました。日本の法律は適用できない土地なのです。それは戦争に負けたことを、しみじみ思わせる風景でした。そんな進駐軍の占領地が日本全国に非常に沢山あったのです。

それが1975年、1980年の頃から、つぎつぎ返還されたのです。そしてその多くは公園になりました。横浜の「みなとみらい地区」は斬新な楽しい街になりましたが、そこも進駐軍の占領地区だったのです。綺麗な空き地として返還されたので斬新な街を設計できたのです。

地方では国立大学のlキャンパスに使用された例も沢山あります。

占領時代の日本のことなどを考えると、そこはかとなく淋しくなります。

そんなこととは関係なく、家内は暢気に歩いています。そして美術館の展覧会を見てきました。その間、私はテーマを決めて写真を撮って来ました。その写真はいずれ整理して掲載したいと思います。

下には府中森の公園を何気ないブラブラ歩きしながら無造作に撮った風景写真をお送りいたします。府中市立「府中の森公園」を検索するといろいろな施設の説明やアクセス方法が出ています。良い公園です。広い芝生や日本庭園、噴水はきらめき、桐の花が仄かに香っていました。

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W.スミス著、漆原健、訳「宇宙と超越」という本の紹介・・・題名を見て逃げないで下さい

2013年05月03日 | 日記・エッセイ・コラム

先日、このブログへ漆原 健さんという方から投稿がありました。こんな本を出しましたというお知らせでした。

本の題は 「宇宙と超越」-科学主義的信念の壁を突破してー、 という本で、漆原さんが翻訳した本だそうです。

宇宙とか超越とか何やら難しい言葉が並んでいるので私は逃げてしまいました。

しかし漆原さんのメールは分かりやすい平易な日本語で書いてあります。

そこでしばらく考えて、私は難しい本の題目を自分流に勝手に読み換えました

「宇宙と超越」を「この世を越えてあの世へ」と、そして-科学主義的信念の壁を突破してー を、-つまらない科学的考えでキリスト教を否定するなーと読み換えました。

そうするとこの本に興味が湧いてきました。

そこで漆原さんへメールを送り、この本のことを私のブログでご紹介したいとお伝えしました。それに対してご丁寧な返事がありました。その返事はこの記事の末尾に参考資料として添付してあります。

それはそれとして、何故この本に私が興味を持ったかを説明いたします。

時々書いているように私はカトリックの信者です。

私は日本人なので他の日本人がキリスト教のことをどのように考えているか興味もあります。すると多くの人々が、一度死んでしまったイエス様が生き返る「復活話」は科学的に考えると有り得ないと一笑に付すのです。私は反論しません。黙っています。

ヨーロッパで生まれた近代科学がヨーロッパの宗教を否定していのです。

これには困ったものです。

科学と宗教の対立は自分一人一人が解決して宗教を信じるか、信じないか決めるべき事柄です。

この本、「宇宙と超越」の著者は、1930年生まれのアメリカ人の航空力学の研究者です。数々の研究論文をアメリカの航空力学の専門雑誌に投稿してきました。経歴をみると一流の科学者です。現在83歳の彼は常にキリスト教と科学の対立を考えて、深い思索にふけってきたのです。

そして西洋の哲学やキリスト教神学を徹底的に研究したようです。

「宇宙と超越」に対する各方面からの書評が漆原さんのメールにありました。

その第一番目の書評が明快なので下に示します。

「現代における最も深遠な哲学的・神学的見解の見解の幾つかは、近代科学的世界観に内在する限界の中に囚われていない科学者たちによってもたらされた。・・・ヴォルフガング・スミス「宇宙と超越」を見よ。」
Seyyed Hossein Nasr, The Need for a Sacred Science (State University of New
York Press)

この書評の意味を私流に勝手に書き換えますと以下のようになります。

この本はもっとも深遠な哲学と神学が書かれている。

そして科学からのみ考える世界観には本質的な限界がある。

その限界を科学者自身が示している。

まあこんな内容の書評のようです。

ここでキリスト教に帰って見ましょう。私は神が全てを造る万能者なので人間の考える哲学も科学も全て神の下にあるという信仰を持っています。

アメリカにはダーウインの進化論を教えない州もあるそうですが、その間違いをいつもニガニガしく思っているくらいですから宗教と科学の対立には一切困っていません。自分の感性として、それは無視すべきものと信じています。

しかし多くの日本人はその対立を論理的に解消したいと思っています。そうしないと仏教も神道も信じられなくなるからです。

そういう人々にとってこの「宇宙と超越」は間違いなく貴重な本になると信じています。

この本は、Amazon.co.jpにて電子版配信中です。( ASIN: B00C9NF7MC)

是非多くの方々がご覧になるようにと祈っています。

それはそれとして、

今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)

=====参考資料:漆原さんからの書信==============

謹啓

 拙訳書にご興味をお持ちいただき大変ありがとうございます。
 PDF添付ファイルで広告をお送りいたしますので、掲載していただければ大変幸甚に存じます。
 テキストファイルはこのメールの下に張らせていただきます。
 本書はトマス研究の権威稲垣先生が御著書で言及されている本でもあり、皆様の信仰を護るために本質的重要性を持つ本と考えております。
 どうかよろしくお願いいたします。謹白、  漆原健

「宇宙と超越」-科学主義的信念の壁を突破して

   
 本書は物理学者自身による、科学主義的世界観の内部告発である。自然科学・哲学・神学にわたる該博な知識を縦横に駆使しつつ、著者は、科学の名の下に大衆に浸透した反キリスト教的な諸思想が根拠を欠いた自己矛盾的幻想にすぎないことを暴露し、キリスト教的世界観の本来的意義の洞察へと読者を導く。
Amazon.co.jpにて電子版配信中 ASIN: B00C9NF7MC

著者紹介 ヴォルフガング・スミス (Wolfgang Smith)紹介
 1930年に生まれる。1948年、物理学・哲学・数学の学位をコーネル大学から受ける。1950年パデュー大学から物理でM.S.を取得後、ベル・エアクラフトで二十代初期から航空力学の研究において頭角を現し、宇宙飛行における再突入問題の解決をもたらした重要論文を1954年Journal of Aeronautical Sciences上に発表した。1957年、コロンビ
ア大学から数学でPh.D.を取得した後、MITやUCLAを含む様々な大学で教鞭を執る。科学者としての活動に加えて、形而上学・神学の研究を進め、多くの関連論文をThomistやSophia等に発表している。主要著作に「テイヤール主義と新宗教」「量子の謎:隠された鍵の発見」「古代宇宙論の叡智」「科学と神話」などがある。(詳細は英語版WikipediaのWolfgang Smithの項目を参照。)

「宇宙と超越」に対する各方面からの書評
「現代における最も深遠な哲学的・神学的見解の見解の幾つかは、近代科学的世界観に内在する限界の中に囚われていない科学者たちによってもたらされた。・・・ヴォルフガング・スミス「宇宙と超越」を見よ。」
Seyyed Hossein Nasr, The Need for a Sacred Science (State University of New
York Press)

「これは一般読者にとっても科学者にとっても非常に興味深い本である。」
Fellowship of Catholic Scholars Newsletter

「専門化が進行した時代にあって、スミスは認識の一性を理解し伝達する能力を十分に備えた稀有な人物である。・・・これは啓発的で有益な本である。真理を重んじる人は皆本書を読むべきである。」
Urban J.Linehan,Orthodoxy of the Catholic Doctrine

「「宇宙と超越」は卓越した著作であり、科学や哲学あるいは科学史を扱うどのような教程においても有用なものとなるだろう。それはまた極めて魅力的な読み物であり、どの図書館でも歓迎される追加蔵書となるだろう。」
Harold Hughesdon, The Wanderer

「科学的文脈においては死んで久しいと考えられていた哲学的教義の復活を目の当たりにしてわれわれは驚愕している。・・・この本、特にその才気に満ちた第三章「失われた地平」は、研究に報いてくれるだろう。」
John C. Caiazza, Modern Age

「「無意識の神格化」に関する一章は最高のものであり、ユング心理学の主張を完全に破壊する。」
Rama P. Coomaraswamy, Studies in Comparative Religion

「機械論的世界観から主観主義と疑似科学への頽廃過程を跡付けた後、スミス博士は人間の堕落と知識の追求に関するその含意についての深遠な考察によって彼の著作を締めくくる。・・・本書は精読に値する重要な著作である。」
Robert P. Rooney, Homiletic & Pastoral Review