後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

クルマエビとバナメイエビとバナナエビとは違います!

2013年11月25日 | 日記・エッセイ・コラム

魚介類には市場魚介図鑑(http://www.zukan-bouz.com/zkanmein/koukakumokujiebi.html)に示されている通り、食用の魚介にはすべて固有の名前がついています。

どこかのホテルの社長は大きなバナメイエビはクルマエビと同じですと言ったり、小さなエビは全部シバエビと言うのだと強弁していましたが、それは全部ウソです。

下の写真のようにエビの名前と図鑑が明快になっているのです。

011 Litopenaeus_vannamei_specimen1

左がクルマエビで右がバナメイエビです。

バナメイエビはクルマエビ科に属するエビの一種で東太平洋原産で、メキシコやペルーの南米沿岸でとれ食用として広く漁獲・養殖されているのです

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%8A%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%83%93

そして下にバナナエビの写真を示します。

Ebi_71 バナナエビは体色に模様がなく、一様に黄白色(バナナ色)をしているので、この名前があるそうです。
東南アジアからペルシア湾まで西太平洋インド洋でとれます。漁獲高や養殖の多い種類です。
日本では「タイショウエビ」として流通している場合もあるそうです。

以上のようにクルマエビもバナメイエビもバナナエビも良く似ていて、同じクルマエビ科の属していますが、それぞれ違うエビなのでです。生息地も違うのです。

ですからそれらを高価なクルマエビと表示すれば偽装表示になるのは当然です。

021  012

左がシバエビで右がアマエビです。

011_3_2  012_2

左がイセエビで右がメキシコイセエビです。

シロエビも「富山湾のシロエビ」もみんな違うのです。

下の検索表で調べれば一目瞭然です。

特にブラックタイガーは良く使われているので以下に紹介します。

東京湾以南の太平洋側でとれます。東南アジア、オーストラリア、アフリカなどにも棲息しています。
 この養殖され輸入されたものは「ブラックタイガー」と呼ばれ、今や我が国のクルマエビ科のエビとしてはもっとも大量に消費されているのです。
 相模湾などでもときどき漁獲されるそうですが非常に少ないとのことです。大型のエビであり、味もよいので、東南アジアから大量に輸入されています。

これもクルマエビ科なのでクルマエビの代用に使われています。

今やエビ料理と言えばこのエビを日本人が一番食べているエビなので下に大きな写真を示します。

メニューには敢えてブラックタイガーとは書かないで単にエビと書いてあることが多いようです。

シバエビのカクテルと書かずシュリンプカクテルと書けばよいのです。

高級そうな名前をつけて価格の低い食材を使うのは偽装と言います。

Usiebi1_2

下の検索表でエビの通人になって下さい。市場での呼び名と標準和名との違いや方言による名前の違いも面白いと思います。

===エビ、アナジャコ、スナモグリの名前からの検索==========

http://www.zukan-bouz.com/sakuin3.html

アカエビ アカザエビ アカモンミノエビ アキアミ アケウス アシナガイバラモエビ アシハラガニ アナジャコ  アフリカミナミイセエビ アメリカイバラモエビ アメリカザリガニ アメリカンオマール(ウミザリガニ) アムールエビジャコ アルゼンチンアカエビ
イガグリホンヤドカリ イシエビ イズミエビ イセエビ イソスジエビ イバラモエビ イワエビ(ツブイワエビ)
ウシエビ(国産) ウシエビ(ブラックタイガー) ウスヘリクダヒゲエビ ウチダザリガニ ウチワエビ ウチワエビモドキ ウミザリガニ(オマール) ウリタエビジャコ
エビジャコ
オオズワイガニ オオバウチワエビ オオミツトゲチヒロエビ オキナエビ オキノアカスジエビ オサテエビ オーストラリアイセエビ  オーストラリアミナミイセエビ オニテッポウエビ オニテナガエビ オマールエビ オマール(ウミザリガニ)
カ行カギヅメピンノ カクレエビ カシオペエビジャコ カジワラエビ カノコイセエビ キシエビ キシノウエモエビ キタザコエビ キタツノモエビ キングプロン クシノハクダヒゲエビ クボエビ クマエビ クルマエビ クーンシュリンプ(トヤマエビ) クロザコエビ ケブカイセエビ コアシクダヒゲエビ コウダカクダヒゲエビ コシマガリモエビ コブセミエビ コワクダヒゲエビ
サ行サガミアカザエビ サガミヒオドシエビ サクラエビ サケエビ サルエビ シバエビ ジュズヒゲアナエビ ショウジョウエビ シラエビ シラタエビ シロエビ シンカイイシエビ ジンケンエビ SCAMPI(スカンピ イタリア) スジエビ スジエビモドキ スナエビ スナモグリ スベスベエビ スポットエビ(スポットシュリンプ) スポッテッドプラウン(スポットシュリンプ) スポットシュリンプ セミエビ センジュエビの仲間 ゾウリエビ ソコエビジャコ ソコシラエビ ソウヨウアナエビ(ソーヨーアナエビ)
タ行タイショウエビ ツノナガチヒロエビ ツノモエビ ツブイワエビ(イワエビ) ツメナガオニテッポウエビ ツルギサケエビ テナガエビ テナガテッポウエビ テラオクルマエビ テラオボタンエビ テンジククルマエビ(インドエビ)  テンジクジンケンエビ トゲエビジャコ トゲクロザコエビ トゲサケエビ トゲヒラタエビ トゲミノエビ トゲモエビ トヤマエビ トラエビ
ナ行ナイカイスジエビ ナミクダヒゲエビ ナンセイサルエビ ニシキエビ ニセオニテッポウエビ ニホンスナモグリ ニュージーランドアカザエビ ニュージーランドイセエビ ヌカエビ 
ハクセンエビ ハコエビ ハコダテエビジャコ ハサミモエビ バナナエビ パナマミノエビ(仮称) バナメイ Pasiphaea sp ヒメクロザコエビ ヒラツノモエビ
ヒカリチヒロエビ ヒゲナガエビ ヒゲナガクダヒゲエビ ヒゴロモエビ ヒメクダヒゲエビ ヒメセミエビ ヒメセミエビの仲間
フタトゲエビジャコ フタミゾテッポウエビ ブドウエビ フトミゾエビ フトミゾエビ(キングプロウン・オーストラリア産) ブラウンタイガープロン ブラックタイガー(ウシエビ)
ベニガラエビ ベニサクラエビ ベニスジエビ
ホソモエビ ホッカイエビ ボタンエビ ホッコクアカエビ ホッコクエビ ホンホッコクアカエビ
マ行マルゴシミノエビ ミカワエビ ミゾエビジャコ ミゾレヌマエビ ミツクリエビ ミナミアカエビ ミナミシロエビ ミナミテナガエビ ミノエビ ミマセアカエビ ムツハサケエビ メキシコイセエビ モエビ モギエビ モロトゲアカエビ
ヤ行ヤサオキナエビ ヤマトイシエビ ヤマトモエビ ユビナガスジエビ ヨシエビ
ラ行LANGOUSTINES(ラングスチーヌ フランス)


今日の重大な国際ニュース!・・・イランが核兵器開発断念

2013年11月25日 | 日記・エッセイ・コラム

国際ニュースはほんの少し歴史的にみると非常に面白くなります。そしてニュースの裏側にあるいろいろな事情も想像出来て一層面白くなります。

今朝の新聞の「イラン核縮小合意」-欧米、制裁を緩和ーというニュースは最近の一大ニュースです。欧米側とイランとの核開発に関する交渉が妥結したのです。

これで中近東は平和になり、アメリカはいよいよ中国の太平洋進出阻止に全力を注げるようになったのです。

日本産業界がイランとの年間1600億円もの取引が再開できるのです。

ですからこのニュースは日本へも直接的に重要な一大ニュースなのです。

少し歴史的に振り返ってみましょう。

戦後、イランにはパーレビ国王という大変親米的な王様がいて、長い間イランを統治していたのです。それが1979年のホメイニ革命によってイスラム原理主義の国家になってしまったのです。

イランこそアメリカに激しく対立する反米国家の旗手になったのです。

ホメイニ革命では、テヘランにあるアメリカ大使館が襲撃され、アメリカ人外交官達が捕虜になります。

それを奪還しようとした米軍特殊部隊の奇襲がぶざまにに失敗してしまったのです。私も衝撃を受けたものでした。

それ以来、イランは核兵器(原子爆弾も含む)の開発を始め、濃縮ウランの製造装置を建設し、濃縮ウランをどんどん作り始めたのです。それが2002年に発覚します。

欧米側がそれを阻止しようとして交渉を重ねてきました。しかし強固派のイラン大統領がいた間には進展がありません。

これに対抗するために、アメリカやEUはイランの対外資産を凍結し、厳しい金融制裁や貿易制裁を実施してきたのです。

イランの経済は疲弊し、人々の生活が困窮しました。

そんな状態のなかで、今年の8月に穏健派のロハニ大統領が就任したのです。そして僅か3ケ月で「イラン核兵器開発縮小合意」が妥結したのです。もちろん欧米側は経済制裁を緩和すると発表しました。

日本もアメリカの強い圧力で仕方なく厳しい対イラン経済制裁をしてきたのです。

話は飛びますが、私の若い友人がある期間、テヘランの日本大使館に勤務していたことがありました。彼の話によるとイランは常に親日的な国で、日本が嫌々ながら経済制裁をしていることをよく理解していたそうです。イランは日本の友好国なのです。

それはさておき、今度の合意で、イスラエルがイランを空爆するという予定も出来なくなりました。シリアの内戦問題は残りましたが、中近東は今後平和になる方向に動き出したのです。

今回の合意は世界平和の為の重大な第一歩です。いや本当に重大な第一歩になるようにと祈っています。次の世界大戦争の火種が中近東から完全に消えることを祈っています。そしてイスラム教とキリスト教の和解を祈っています。

下に昨日撮った近くの浅間山(せんげんやま)の静かなたたずまいの写真をお送りします。

それはそれとして、

今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)

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