後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

「今日の日記、ミサに出る、レオナール・藤田の洗礼を想う」

2017年05月07日 | 日記・エッセイ・コラム
今日は日曜日なので何時ものようにミサに行きました。教会では晩年に妻と一緒にカトリックの洗礼を受けた藤田嗣二のことをいろいろ考えました。
戦争画を描き、率先して大東亜戦争に協力した彼は、戦後、フランスに逃れ、帰化します。そして洗礼を受け、「平和の聖母礼拝堂」を完成したのです。キリスト教は愛の宗教です。主の平和を大切にします。勿論、戦争はいけません。

藤田嗣二は日本の戦争に協力したことを後悔していたに相違ありません。平和こそ一番重要だと悟ったのです。ですから「平和の聖母礼拝堂」という名前を付けたのでしょう。
レオナール・フジタに主の平和がありますようにお祈りしました。

今日は彼の大作、『秋田の行事』をご紹介いたします。ニックネームさんという何事にも博識な方に教えて頂いた絵画の大作です。
1936(昭和11)年7月に平野政吉が建設構想を打ち出した美術館の壁を飾るため、翌年の1937(昭和12)年に制作された作品です。
藤田は「秋田の全貌」「歴史的秋田の意味」を描くことを意図し、約半年間、頻繁に秋田を訪れ取材を重ねました。
平野邸のあった外町に視座を据え、外町から眺望した「秋田」を描き出したのです。秋田の祭りと祈り、暮らし、産業、歴史が、祝祭と日常の対比のなかに、色彩豊かに展開する壮大な壁画です。
秋田県立美術館の新美術館の狭い部屋に展示してあるそうです。









日本に絶対入らないアメリカの精神文化

2017年05月07日 | 日記・エッセイ・コラム
風薫る皐月になりましたね。今日は日本に絶対入らないアメリカのものについて書いてみたいと思います。
戦後72年、気がついてみたら日本はアメリカ文化に浸かってしまっています。
コンビニは全国の津々浦々にあります。その数、7万店舗以上になると言います。スーパーもマックやケンタやスタバのようなアメリカ発症の店もきめ細かく全国に普及しています。
郊外の大型量販店もアメリカ発祥の文化です。この狭い日本の国内旅行に飛行機を使うのもアメリカの風習です。その上、その旅客機はほとんど全てアメリカ製なのです。 こうしてキーボードを叩いているパーソナル・コンピューターもアメリカ発祥のアメリカ文化の産物です。
戦争に負けた日本がアメリカに憲法を押し付けられ、民主化をして政治の分野でアメリカ文化に従ったのは随分昔の話です。
しかしその後も連綿としてアメリカ文化が押し寄せて来て日本を飲み込んでいるのです。気がついてみると生活を便利にするアメリカのものは全て日本を占領してしまっているのです。
こういう状況ではアメリカ文化が日本にすべて導入されたと考えられがちです。
しかしこの考え方には非常に大きな間違いがあるのです。
アメリカ文化のなかに日本には絶対に入らないものがあるのです。
それはアメリカ人の宗教に対する考え方です。アメリカの文化の特徴といえば進歩しつつある科学や技術の他にキリスト教に対する強い信仰があることです。日本にはアメリカの科学や技術は間髪を入れずに導入されて来ましたが、アメリカ人の80%が信じているキリスト教は日本へ全然入ってきません。まあ、厳密に言えば日本人の3%はキリスト教を信じていますから、全然入って来ませんと言えば間違いではありますが。
アメリカ社会における人間関係にはその下敷きにキリスト教への信仰があるのです。
アメリカは弱肉強食の社会で、貧富の差が大きいので人間関係は殺伐としていると誤解しがちです。しかしアメリカに暮らしてみると助け合いの精神が溢れていて、実に暖かい人間関係があるのです。殺伐とした社会というより人間的で温かい社会なのです。
ですからアメリカ文化を万遍無く公平に理解しようとしたら彼らのキリスト教への帰依を理解しなければなりません。
勿論、アメリカにはイスラム教徒もユダヤ教徒も仏教徒も数多くいます。
しかし話を簡明にするために今日はキリスト教だけを取り上げます。
それではアメリカのキリスト教はどのようなものでしょうか?
カトリック教徒も多いのですが、アメリカの特徴はいろいろなプロテスタント宗派が乱立していることです。理解しがたいような教理論争が延々と続いているのがアメリカの特徴です。
しかしその宗派の多くは福音主義なのです。
ですからアメリカ人は以下のことを単純に信じ切っていて疑いません。
1、聖書の霊感と無謬性(旧約聖書も新約聖書も間違っていない)
2、キリストの処女降誕(キリストは処女マリア様から生まれた)
3、キリストの贖罪(キリストは全ての人間の罪の解消のために十字架につけられ死んだ)
4、体の復活(キリストも全ての死者も何時かは生き返ってくる)
5、数々の奇蹟物語(水上歩行、水を葡萄酒に変えたなど数々の奇蹟話)

さてここで皆さまにお聞きしたいのです。日本人は上にかいた5つのことを信じられますか?
まず無理でしょう。日本人の3%だけが信じているのです。
ですからこそアメリカ文化のうち、これだけが日本に導入されていないのです。彼らの精神文化のキリスト教だけは日本へ導入されていないのです。
よくアメリカには物質文明はあるが精神文化が無いといいます。これは大変な間違いです。
正しくは「日本人の理解出来ない精神文化がある」と言い直すべきです。
私自身はカトリックです。しかし般若心経や大悲心陀羅尼経が大好きです。キリスト教と仏教のバイリンガルのようなものです。ですからアメリカの精神文化もある程度理解出来ます。
アメリカ文化がこんなに溢れている日本ですが、絶対にアメリカから入って来ないものもあるのです。
日米関係を深く考えるとき、このアメリカ特有の精神文化を無視すると間違いをおかすのではないでしょうか?

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)

今日の挿し絵代わりの写真は阿片の取れない無害なヒナゲシの花の写真です。都立薬草植物園で撮りました。