後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

ゴーンさんんは天才、西川社長は賢い日本人、それぞれの悲しみ

2018年11月24日 | 日記・エッセイ・コラム
今日はゴーンさんんは経済の天才、西川社長は賢い日本人ということを書きたいと思います。しかしこの2種類の人間にもそれぞれの悲しみがあるのです。
それを書く前に昨日撮ってきた秋の山の風景写真をお送りします、
東京の西の端にある檜原村の役場前から檜原街道を数馬の里に登り、さらに奥多摩周遊道路まで上がって撮って来た写真です。お楽しみ頂けたら嬉しく存じます。













秋深い美しい山々の風景を見ていると、しみじみと幸せな気分になります。
そしてゴーンさんの逮捕、会長職の解任という生臭い事件も少し距離をおいて眺めると人間社会の一つの自然現象として心静かに見ることが出来ます。

ゴーンさんはお金の流れの何処に無駄があるか発見する天才です。その無駄を切れば日産は黒字になります。
ゴーンさんのもう一つの天才ぶりは大企業の積年の無駄を血も涙も無く切り捨てる勇気を持っていることです。
ゴーンさんは会社経営の大変優秀な天才であることは間違いありません。
日産を黒字にしながらお金の流れの一部を自分の私利私欲の方向に変えたのです。それは天才のゴーンさんにとっては簡単なことです。
しかし日本の司法を甘く見過ぎました。
クーデターのようにかつての忠実な部下であった西川社長に刺されて失脚したのです。
ゴーンさんにとって3畳間の独房に押し込まれるという屈辱よりも、かつて信頼し 社長に引き上げた西川さんに裏切られ刺されたことのほうがより大きな悲しみではないでしょうか。
さてゴーンさんを失脚させた西川社長とはどんな人物なのでしょうか?
私は彼の1時間にわたる記者会見を丁寧にみました。
弁護士も伴わないで独りで現れた記者会見では、ゴーンさんの間違いを淡々とその事実のみを分かり易く説明したのです。そして続く記者からの個別の質問へ誠実に答えたのです。質問者の顔を見て真面目に答えたのです。
私はこの人は誠実で賢い人物だと思います。
記者の感情を理解して皆が納得するように諄々と答えるのです。
そして会社のトップが公正である限り独裁的でも良いと何度も言ってました。
この記者会見の間、西川社長はクーデターに成功したという高揚感もありましたが、その顔には深い悲しみがありました。
かつて尊敬していたゴーンさんに いきどうりを感じ、刺したのです。その悲しみは暗いしこりとして彼の心に残ります。
しかし西川社長は説得力のある人です。
昨日の日産の取締役会議でゴーン解任に反対していたルノー社派遣の2人のフランス人を4時間かけて説得し、解任賛成の同意を得たのです。これで7人の取締役会議で解任を全会一致で決めたのです。
これは今後のルノー社やフランス政府との関係を改善する上で大きな一歩なのです。
それにしても、西川社長は日本的です。衆議をつくして「和を以って尊しとなす」という信条が見え隠れするのです。
西川社長は日本国内で支持されるでしょう。しかし国際的には支持されないかも知れません。
それは一つの比較文化人類学的な現象なのです。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)