後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

「芸術の秋(2)西洋のバロック絵画を楽しもう」

2020年09月02日 | 日記・エッセイ・コラム
涼しい秋の風が吹き出しました。皆さまお元気で秋をお迎えでしょうか。
今日は西洋のバロック絵画を楽しもうと思います。
バロック絵画とは絵の構図や色彩を丁寧に、しかも劇的な印象を与える一群の絵画のことです。中世の暗い宗教画、ルネサンス期の明るい均整のとれた絵画の後に流行った絵画のスタイルでです。複雑な構図と誇張された動き、凝った装飾、強烈な光の対比のある一群の絵画です。このように書くと分りにくいので、早速バロック絵画を見て楽しみましょう。

1番目の写真は『夜警』です。レンブラント・ファン・レイン の1642年の作でアムステルダム国立美術館にあります。王侯貴族ではなく一般市民の集団を描いた作品として画期的な作品です。カンバスに油彩で大きさは、363 cm × 437 cm です。

2番目の写真は『大工聖ヨセフ』です。右側のろうそくを持つ子はイエス様です。ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの1642年の作でルーブル美術館にあります。

3番目の写真は『真珠の耳飾の少女』です。ヨハネス・フェルメール1665年頃の作です。こちらを見つめる大きな瞳が印象的です。マウリッツハイス美術館(ハーグ)にあります。

4番目の写真は『ベントハイム城 』です。ヤーコプ・ファン・ロイスダールの1653年の作です。暗い雲の下の城の手前に谷や小径、丸木橋、羊飼い等が丁寧に描かれています。アイルランド国立美術館にあります。

5番目の写真は『シバの女王の船出』です。クロード・ロランの1648年の作です。ナショナル・ギャラリー(ロンドン)にあります。旧約聖書の話に基づいた149cmx197cmの作品です。

5枚の写真に示したようなバロック絵画は17世紀に多く描かれ、その主な作家には次のような画家がいます。

ネーデルランド
 ルーベンス
 レンブラント
 フェルメール
スペイン
 ベラスケス
フランス
 ニコラ・プッサン(ローマで活躍)
 ジョルジュ・ド・ラ・トゥール
イタリア
 カラヴァッジオ
私は印象派の絵画も好きですがバロック絵画も好きです。いかにもヨーロッパらしい文化が詰まっているようなのです。ヨーロッパ人の心の中には天使と悪魔が一緒に住み込んでいます。その悪魔的な心情も描き込んでいるのです。深い精神性を感じさせます。その上色調が暗いのです。寒い冬を暗示させます。ヨーロッパの冬は寒くとても暗いのです。毎日低い雲が空を覆ってるのです。
バロック絵画は本当のヨーロッパの自然とヨーロッパ人の心情を描いた絵画と思います。
蛇足ですがバロックの意味を説明いたします。
バロックとは歪んだ、しかし貴重な真珠のことです。イタリア・フィレンツェから始まったルネサンスは、均衡の取れた優美さが特徴でした。その後流行った絵画は均衡や優美さや明快さはありません。暗く深い人間の心情が裏にあるのです。ですから分かり難いのです。しかしヨーロッパの文化そのものです。ですからこそヨーロッパ人はそれを大切に思い多くの美術館に数多く展示してあります。そしてバロック芸術にはバロック音楽やバロック建築もあるのです。何時かバロック音楽やバロック建築に関しても書いてみたいと思います。尚、バロック芸術はヨーロッパ文化なのでアメリカにはありません。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたしす。後藤和弘(藤山杜人)