町に一生住んでいる人々にとっては田園風景は憧れです。
新鮮な空気が体を爽やかにしてくれます。四季折々、花々が咲き、美しい鳥の声が聞こえます。都会の生活の疲れを癒してくれます。
多くの芸術家が田園風景に憧れて農村に住み作品を残します。
自分自身も農村の風景が好きです。
先日、北海道へ旅をした折にはその田園風景を飽きずに見てきました。車を脇道に入れて、牧草地や野菜畑の周囲を歩き回ります。よく手入れした広い牧草地や野菜畑には人影がありません。ただ緑の大地が広がっているだけです。
そして本州で見慣れた田園風景を思い、その違いの大きさに感慨を覚えます。
広さの違いがまず大きな相違です。広さだけではありません。北海道の農地は大きな曲面になっているのです。大昔に氷河が大地を覆い、何万年もかかってけ削った大地の形なのです。ですからその曲面は不思議な美しさを示しています。
北海道の田園風景を見ると昔氷河が大地を覆っていた頃を想像してしまうのです。
悠久の歴史を想います。
その上、北海道では大型の耕運機や作物の収穫機で作業をします。その機械の通った跡が遥かに続いています。果てしない人間の努力を考えさせます。
本州の農村では田や畑が小さく区切ってあり、曲面を作っていません。山の斜面では段々にして田や畑にします。人間の手によって完全に自然を変えています。それはそれで努力の賜物です。ですから私はそれも美しい風景と思います。
しかし北海道の田園風景とは何か根本的に違う印象をうけます。北海道の田園風景に似た所はアメリカ大陸、ヨーロッパ大陸の農村地帯のようです。特に大昔、氷河が覆っていた北の地方の景観は北海道とよく似ているようです。
地球の風景の基礎は46億年にわたる地質変動や動植物の盛衰によって出来たものです。それに人間の手が入ってために一層美しく見えるのが「田園風景」というものです。人間の努力や美しい性格を暗示しているのです。人間は本来善い存在なのだという感じがするのです。
その上、その風景はどのような作物を、どのようにして作っているかによって変わります。
北海道では大規模農業に適したジャガイモ、トウモロコシ、麦、ビートそして牧草などを広い農地一面に作ります。本州では種々の野菜や園芸種の花々を小さく区切った畑に作ります。水田も小さく区切っています。
本州の田園風景も大好きですが、北海道のように雄大な気分になれません。氷河期を想い、悠久の歴史を感じません。北海道の田園風景の魅力はそのようなところにあるのでしょう。
下に先日撮ってきた女満別の風景写真をお送りします。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。
後藤和弘(藤山杜人)
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一度、訪ねたい北海道を一度も訪れる機会がないのが残念です。農地が好きな私たちは濃紺民族の血がそうさせるのでしょうか。
何故か私は海より山が好きなのも生まれた土地と関係があるのでしょうか。
コメント有り難うございます。
北海道へは現役の間は、仕事ばかりで札幌へしか行った事がありませんでした。
引退後、団体旅行で行って、すっかり気に入りました。
それにしても遠いですね。
病院へ検査に行くようなお話でしたので心配していました。
またコメントを頂け、お元気なご様子で安心しました。
有り難うございました。
敬具、後藤和弘