後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

私が体験した欧米文化の素晴らしさ(3)自分の作品が欧米人に褒められた経験

2013年11月11日 | 日記・エッセイ・コラム

欧米文化の素晴らしさは人間の個性を尊重し、新しい考え方を提案すると褒めてくれることです。逆に日本では新しい考えの些細な欠点を攻撃してつぶしてしまいます。

日本人が欧米の大学で研究するとノーベル賞を取れるのはこの文化の違いが大きな原因になっていることは間違いありません。

これはスポーツの世界でも同様で、欧米人のコーチや監督は、選手の個性を尊重し、良いプレイをすると徹底的に褒めるのです。選手はのびのびと上達していきます。

しかし日本人のコーチや監督は選手が失敗をすると叱り、しごきます。こうして選手の成長をうながすのです。選手にとってスポーツが楽しくなくなります。それは修行ですから楽しくなくて良いのです。

この文化的な違いを私はいやというほど味わいました。

簡単に言ってしまえば私の研究論文という作品を非常に褒めてくれたのが欧米人でした。反対に研究論文を作るために行った実験が雑で、精度が悪いと非難したのは日本人でした。

その上、見ず知らずの私を訪問して専門書の執筆を依頼してきたのはオランダ人の編集者でした。この些細な事件は私にとっては生涯忘れらないことになったのです。

これらの私自身の体験は末尾につけた「ブログに掲載した記事の題目」をクリックすると書いてあります。

さてこの体験から、私は欧米文化の素晴らしさは「独創的にに良いことをしたら褒めること」と「失敗したら絶対に非難しないこと」の一対が社会に根づいていることにあると信じています。この文化は人間の可能性を最大に引き出す効果があります。

人間の科学的な才能は彼我同じです。しかしその才能を育て引き出すには周囲の人々の声援が重要なのです。音楽も絵画も文学も同様です。

特に近代科学や技術の分野で欧米が他の民族より優れた成果を上げた理由はその社会文化の根底に「独創的にに良いことをしたら褒めること」と「失敗したら絶対に非難しないこと」の一対が存在していたからです。

日本にもこのような深い意味での欧米文化が次第に輸入されてきています。しかしそれは遅々としていて、文化的相違は相変わらず大きいのです

文化には優劣はありませんが、その大きな相違を常に意識して生きて行くと人生を深く楽しむことが出来ると信じています。

下に気が休まるような樹木の写真をお送りします。11月8日に甲斐駒山麓でとりました。

それはそれとして、

今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)

====「ブログに掲載した記事の題目」============

(1)外国体験のいろいろ(58)間違った作品も大歓迎のアメリカ文化

日本ではどんな分野でも正当的な作品だけが尊重され、間違っている作品は厳しく拒否される傾向があります。間違いに目くじらを立て、許さないのです。でも間違いの作品の中に何か貴重なものがある場合も有ります。間違いを検討し、許す寛容性に欠ける文化と言えば言い過ぎでしょうか?・・・以下省略・・・

(2)外国体験のいろいろ(69)売れない本を出す出版社の存在

オランダにエルスビーアという書店がある。数多くは売れない専門書を出版している書店である。1985年にその書店の編集者が訪ねてきて小生の研究をまとめて一つの専門書にして英語で出して下さいと言う。編集者はキーバートという工学博士であった。 

「私の本は数多く売れませんよ」「売れなくて結構です。世界中で2000部売れれば良いのです。エルスビーアから出る専門書は欧米の主な大学の図書館で自動的に買い上げてくれるので心配しないで結構です」「書く本の内容はどうしますか?」「全く自由に書いて下さい」・・・以下省略・・・

(3)その他、欧米文化の体験記は、以下の記事に目次が出ています。

    連載記事「外国体験いろいろ」のリスト、クリックすると読めます

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