575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

荻原教室報告 (9)

2009年09月08日 | Weblog
列島の東半分は秋の気配、ここらあたりは苛立たしいほどの残暑です。

最高気温の日も、ゲリラ豪雨の日も、荻原教室は欠けることなく、続いています。

受講生はみんな前向き。切り取りの優れた、新鮮な作品が生まれています。

先生の繊細な配慮、作者の個性を生かした、懇切で的確な指導によるものと、(おこまがしくも)思います。

 先生のお作 

 「長」 ・ 長い電話に倦みながらみる夕雲の本音をやっと父がきりだす

 「広」 ・ 広いものの例へに海が出るやうな国にしみじみさみしく暮らす

 「高」 ・ 降りて高さに気づく夏の夜の雨のあなたの部屋のあかりの

 「暗」 ・ 明るさのなかを暗さがおもむろに熟れながら紫陽花の咲く家

 「軽」 ・ たましいは夏雲の軽さ得てどこへ行ったかかえる気配なき午後

 「冷」 ・ 下闇にひかりしづかにもれている冷えたひかりで漱石を読む

 「暑」 ・ 大した用もないのにひとは街をゆく暑さゆるがぬ秋のはじまり

 「涼」 ・ 涼しさに含まれている淋しさの率もうここに秋は来ている

 「美」 ・ 星のひかりやその他すべてが美しくゆらめく秋の暗がりにゐる
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

雁のように対の雀が窓過る    朱露

2009年09月08日 | Weblog
    
     「過る」は「よぎる」で横切ること。
     「対の雀」は夫婦かたまたまニ羽か。
     「雁行」なるものを見たことがない。
     雁行を見るには何処へいけばいいか。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする