575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

傘立ての甕(かめ)の中からちちろ鳴く   江本絵悶

2009年09月09日 | Weblog

「ちちろ」とは、コオロギの異称である。
蟋蟀の鳴き声からそう呼ぶそうだが、
そんな言葉は俳句を始めてから知った。
玄関の傘立てに使っている甕の中から
蟋蟀の鳴き声を聴いて驚いた。

   (句集「天邪鬼」より)


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句会近づく   遅足

2009年09月09日 | Weblog
先日の句会で馬場駿吉さんの句集について話題にしました。
その後、図書館で馬場さんの「耳海岸」という句集を見つけました。

  耳海岸ここ番外地桜貝

という句が、句集の題になっているそうです。
さすが、耳のお医者さんですね。
(番外地、というコトバが、詩人であるということを
どう感じているのか?分かるような気もします。)

嵐山光三郎さんと芭蕉の旧跡を歩いた時の句

  千鳥啼く海いま遠し千鳥塚

    

すっかり秋らしくなりましたが、今回の句会の題詠
「秋」の句には、こんな句があります。

 秋立てり耳音階を駈けのぼり

 ペン胸に刺さりし夢も秋の声

 石蹴りの石蹴り残す秋の暮

 酢の香漏る蔵白白と秋時雨

 秋高く何遠望す麒麟の眼

 わが指を離るる文字も夜の秋

 襲名の眦に朱や秋新た

 総立ちの嵯峨野の竹や秋高し

 秋を惜しみ人を惜しみて京にあり

 一身を言霊の巣となして秋

 指先に世世継ぎし所作秋深し

(句には旧漢字が使われており、この表記とは
違った雰囲気がありますが・・・
残念ながら旧漢字は出てきませんでした。)

  折れやすき音たてている秋の人   遅








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