575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

検診を終へて道草花筏   松ヶ崎敬子

2012年04月16日 | Weblog
塔句会の句集からの一句。

人生は川の流れ、いのちは流れにうかぶウタカタ。
流れてゆく花びら、花筏には、命のはかなさと美しさが。

検診は、健康診断ではなく、病気の検診、癌でしょうか?
昔ほどではなくても、癌というと、まだまだ怖さが迫ってきます。
検診の結果に、ほっとして、ちょっと道草・・・
取り合わせが、たんぽぽや菫草のような、野の花でないところに
作者の美意識がうかがわれます。

作者には、こんな句もあります。

   乳房なき方へ柚子寄せ湯浴むかな

失った乳房をいとおしむ仕草が哀しく、
今、生きているという実感を呼び寄せています。

高齢社会、いかに生き、いかに詠むのか?
俳句の新しい地平線です。

              遅足
  
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壷焼を食べて戦争終りけり    朱露

2012年04月16日 | Weblog
   昭和二十年の夏真鶴の海で潜った。
   蚫や栄螺を焼いて醤油味で食べた。
   戦争が終わって又横須賀へ戻った。
   栄螺の壷焼が春の季語とは何故だ。

             



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