575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

眠られぬ枕に三すじ木の葉髪  能登

2018年12月02日 | Weblog

“眠られぬ枕に三すじ”とは面白い発想、描写です、と等さん。

木の葉髪。夏の紫外線や暑さでダメージを受けた髪。
晩秋から初冬にかけて抜け毛が多くなります。
それを木の葉が落ちるのにたとえたもの。
侘しさを感じさせる季語です。

また、眠られぬ枕、というフレーズからは王朝時代の歌を思いだします。

 帰り来ぬ昔を今と思ひ寝の夢の枕ににほふたちばな 式子内親王

この季語といかにもミスマッチの眠られぬ枕の取り合わせ。
自分を突き放してみる、客観的な視点を持った句。
やや自虐的ですが、私も俳諧味を感じました。(遅足)

  君も僕も五十歩百歩木の葉髪  桜井 薫
コメント
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