“眠られぬ枕に三すじ”とは面白い発想、描写です、と等さん。
木の葉髪。夏の紫外線や暑さでダメージを受けた髪。
晩秋から初冬にかけて抜け毛が多くなります。
それを木の葉が落ちるのにたとえたもの。
侘しさを感じさせる季語です。
また、眠られぬ枕、というフレーズからは王朝時代の歌を思いだします。
帰り来ぬ昔を今と思ひ寝の夢の枕ににほふたちばな 式子内親王
この季語といかにもミスマッチの眠られぬ枕の取り合わせ。
自分を突き放してみる、客観的な視点を持った句。
やや自虐的ですが、私も俳諧味を感じました。(遅足)
君も僕も五十歩百歩木の葉髪 桜井 薫