575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

平成最後の忘年句会   麗

2018年12月20日 | Weblog
昨日は今年最後の句会でした。平成最後の年の瀬です。今年もいろんなことがありました。自然災害に翻弄された今年。
この句会では遅足さんが大事故に巻き込まれるという思いもよらないこともありました。
でもお元気に復活されまた本領発揮の年の瀬です。そして、昨日は千香子さんが句会に参加して下さいました。おいしいお菓子をたくさんご馳走さまでした。
そして、お噂の殿さんも初めての投句でいきなりのトップ賞!!来年はますますにぎやかな楽しい会になりそうです。では一言講評です。


題詠
①地底より車輪の響きゆく今年

今年を象徴する天災などの不安感を地下から聞こえる音で表現されました。「今年ゆく」をあえて「響きゆく今年」と掛詞に。

②孫追って己(オノ)が迷子の年の市

ユニークなほほえましい一句。年の瀬の混雑ぶりが目に見えます。ミイラとりがミイラに?「孫」を「妻」にするとシュールですね(笑)

③寄せ植えに赤多くして年の市

南天、万両、シクラメン。年末の寄せ植えは赤い花が多くなります。「に」の使い方に一考を。

④自国主義秩序を壊し年の逝く

これぞ世界的時事句。ミニトランプ続出中。漢字を多用し厳つい感じですね。


⑤紙の束シュレッダーにかけ年暮るる

どんな紙を粉々ししたかを具体的にした方が面白いかも?恋文?通帳?個人情報を消す年末です。


⑥何処へとゴーギャンに問う除夜の鐘

ゴーギャンの名画「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこに行くのか」を思い起こさせます。一年の最後、除夜の音を聞きながら思索にふける一瞬。本当に我々は何処に行くのでしょう??


⑦年の瀬に熱くフレディ・マーキュリー

今年のベストワンムービーと言われるクイーンの映画。老若男女を問わずフレディの魅力を再認識した年の瀬でした。俳句に詠まれ、日本びいきのフレディも喜んでいることでしょう。


⑧よれよれと歩く我が影年の果

ちょっと淋しくなる一句。元気だして行きましょう。作者は107歳のお姑さんを見送り今淋しい気分だそうです。

⑨門松の材あつむとふ友に会ふ

手作りの門松を作られているお友達。竹や松、南天でしょうか?「とふ友に会う」がやや読みづらかったです。

⑩ガン抱え槇のせんてい年の暮

ガンという病をストレートに言葉にされました。五回も手術を乗り越えておられる作者のご主人。槇の剪定をして穏やかな明るい日々が続きますように。一日一日を丁寧に過ごしておられる姿が目に浮かびます。


⑪行く年を異国のひとと分かちあふ

平成30年間で日本の年末年始の風景も変わりました。外国人が増え共に暮らしていく日本の今です。


⑫街師走ゆっくり急ぐ老い二人

急いでいるけど遅い老人の歩み。観察の一句。信号の青の時間が短く渡りきれないという声多数。高齢社会に向けてなんとかして欲しいですね。


⑬爆竹の合い間に二つ除夜の鐘

豊橋の方では大晦日、爆竹をならす若者が多いそうです。中国の方でしょうか?これは具体的な異国の人との分かちあい?


⑭賀状書き平成想う夜更けかな

これぞ平成を振り返る一句。「想う」をもう少し?

いかがでしたでしょうか?
俳句の締め切りの頃はまだ年末という感じがしませんでしたが、今年も残すところ10日ほど。数え日に拍車がかかり始めました。

新年の初句会は第四水曜日です。
1月23日(水)午後1時20分になります。ご注意下さい。
場所は、愛知芸文センター12階C会議室。
題詠は新年、正月に関係する季語。すべてOKです。

来年のことを言うと鬼が笑いますが、
来年も健康第一。皆で笑って過ごせる日が多いことを祈ります。麗
 
コメント
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