575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

よれよれと歩く我が影年の果   静荷

2018年12月28日 | Weblog

冬の日差しの弱さ。あわあわとした影。
年の瀬を迎えた自らの老いを巧みに表現した句。
年の果<はて>という下五も美しい、と殿さま。

作者は夕暮れ時に散歩することが日課とか。
坂を上っていく影。それを追うようにわたし。
季語の「年の果」から人生の夕暮れ時を連想させます。
さみしさの極みですが、どこか透明感があります。

歩いて行く肉体と影を、少し高い所から見下ろしている。
句を詠むということは、そんな神の目となる技かも。

  数え日やわが影を置く石のうえ  遅足

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする