575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

その瞬間    麗

2009年07月23日 | Weblog
昨日の日食。皆さんのところでは見えましたか?

私の住んでいるあたりはその時間雲が厚くたれ込め、
全く太陽が見えませんでした。
午前9時頃は太陽も顔を出していたのでテレホンカードを太陽にかざしてみました。
テレカの小さな穴が白い紙に丸く影をおとしたので
これは期待できると思ったのですが残念でした。
でも11時07分の最大部分日食の瞬間はあたりが一段と暗くなり
夕暮れ時のようでした。
涼しい風も吹き、鳥が鳴いていました。

日食を目ではみられなかったけれど、日食を体感しました。
次回の皆既日食は26年後。私、70歳になっております。

     その瞬間あなたは何を考える   麗
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荻原俳句教室より   遅足

2009年07月22日 | Weblog
今回の宿題は「七月」


七月の天皇に七月の雨  遅足

先生のコメント
575のキチンとしたリズムを獲得すれば、
意味を問わずに、句となりうる。
しかし「シチガツ」という音の響きでダメ。
一月の天皇に一月の○○
なら句として成り立つ可能性も。


ゆっくりとして七月の長居かな  遅足

先生のコメント
句としてのカタチは出来ている。
しかし「七月」が良いか?ちょっと問題がありそう。
「六月」じゃないだろうか?

ゆっくりときて六月の長居かな


終戦の七月機影黒々と   Kさん

先生のコメント
終戦の七月、という言い方に少し無理がある。
たとえば、字余りだが、昭和二十年七月、としても良いのでは。
七月、というコトバが、記憶の底から、
終戦直前の風景を呼び起こし、この句を生み出した。
題詠という詠み方がとてもうまく行った句。

昭和二十年七月機影黒々と

(終戦の八月を詠った句は多いですが、
七月を詠ったものは珍しいと思います。)


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河童忌や不安どころの話かよ   朱露

2009年07月22日 | Weblog

  昭和二年七月二十四日芥川竜之介自殺三十二才。
  「将来に対する漠然とした不安」で死ねるのか。    
  「温暖化」と「核兵器」の下で生きている我ら。
  鈍感なのか図々しいのか諦めているのかバカか。

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最果ての地名   鳥野

2009年07月21日 | Weblog
誘われて北海道へ行ってきました。
免許証を返納してからは、もう縁が失せたと思っていたオホーツク海沿いの道。
末の妹のムコさんにハンドルを任せての、気楽な旅程でした。

点在する原生花園は折から花の盛り。名の知れた場所を避けても、道端にさえ北の花があふれていました。

花とともに、今回惹きつけられたのは、地名。
もともとはアイヌに呼び慣らされていたものに、漢字を当てはめたり、誤訳したりと、さまざまあるとしても、由来をぜひ確かめてみたいものです。

女満別はメイ・アン・ベツ、湧き壷のある川。網走はチバ・シリ、幣場島。藻琴はポ・コル・ト、子を持つ沼・・・と釧網線は東へ向かいます。

北浜、小清水、あたりは、和人の命名らしい。そして印象的な止別(ヤムベツ)は冷たい水と解説されていました。

   オホーツクの波すれすれの止別の駅の名、風に冷えびえとあり

                          鳥野


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猪鼻湖原人逃げる夏の穴    朱露

2009年07月21日 | Weblog


      イノハナコは奥浜名湖の別称です。
      昔ここには三ヶ日原人が大勢居た。
      農協のスーパーで子孫たちを見た。
      我ら三河原人とはひと味違う顔だ。

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「ハッとする風景」      愚足

2009年07月20日 | Weblog
 旅の楽しさの一つは、「ハッ」とする風景に出会うことです。
 有名な観光地はそれなりに、多くの人々の目にかなう風景に出会えます。
 そうではなくて、ドライブなどの途中に思わず車を止めてシャツターを切りたくなる風景があります。それは打ち捨てられたドラマを秘めたような廃墟であったり、自然と人工物の意外な取り合わせだったり、いつか夢で見たような風景であったりします。
 そんな風ですから、旅をしていても逆戻りを何回もして目的地に遅れることも度々です。
 ならば句作に困っている時、そんな体験を撮りた貯めた映像を取り出して一捻りすれば良さそうなものですが、何故かうまくいきません。
 写真から絵画を制作する人は多いようですが
 言葉と映像では何か違うのですね。
 
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南風おねしょの昔犬吠える   朱露

2009年07月20日 | Weblog

        私は長い間おねしょをしていました。
        トラウマの意味を知らない虎馬児童。
        大東亜戦争が始まったら突然治った。
        南風で犬が吠えるから虎馬は逃げる。

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荻原俳句教室より   遅足

2009年07月19日 | Weblog
今回の宿題は「夏風邪」

人体のそこが夏風邪かもしれぬ   遅足

先生のコメント
句としてのカタチは出来ている。
「人体」というコトバは読むひとによって
受け取り方が分かれると思う。
夏風邪の「夏」が、軽い感じを与えて、
かろうじて軽い句としている。
(これは金子兜太さんの句
人体冷えて東北白い花ざかり
を踏まえたものです。)

B級のホラー映画や夏の風邪  狗子

先生のコメント
「や」の切れ字を使った取り合わせに少し無理がありそう。
ふたつを同じ空間に入れてしまうのも一つの方法。
B級のホラー映画をみている私。その私は今夏風邪。
こうすることで句にリアリティが生れる。

B級のホラー映画と夏の風邪
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荻原俳句教室より   遅足

2009年07月18日 | Weblog
宿題は「冷奴」と「雷」でした。

冷奴話の前後が逆らしい  遅足

先生のコメント
冷奴を囲んでいる人の会話、という風景が見えてくる。
自分が当然と思っていたことを他の人から逆じゃない?と
指摘された時の微妙な感じが伝わる句。
中七が字余りなので、

 冷奴話が前後逆らしい

としたら。

(この句は母との会話です。
なにしろ時間の感覚に故障した部分があるので・・・
でも普通の会話でもありそう。
ちょっと怖いけれど・・・)


落雷やわすれてしまうことがすき  遅足

先生のコメント
中七下五と、かるいタッチで面白い。
落雷や、は強烈すぎのでは?遠雷くらいのほうが良いのでは。
または、かみなりや、と、すべてを平仮名書きにすることも。
 
かみなりやわすれてしまうことがすき

遠雷やわすれてしまうことがすき

(普通は忘れることは困ったことですが
なかには忘れたほうがいいのに、
ということを覚えていたりして・・・)

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老残の鶯に会い会釈する    朱露

2009年07月18日 | Weblog

      徒歩十分で深山の趣になるのが自慢だ。
      夏の鶯を老鶯・残鶯などと言うらしい。
      春の鶯より声量気迫が勝るのが嬉しい。
      しかも何故か姿を隠す構えが奥床しい。

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ハマベンケイソウ 草女

2009年07月17日 | Weblog
 北海道旅行の途中サロマ湖にあるワッカ原生花園でこの植物に初めて出会ったときは、葉だけであった。マメ科のような葉を砂浜に伸ばし、直径1mぐらいの円を作っている。白みを帯びた緑色は人目を引くが、名前が、分からない。      次の出会いは宗谷岬のコンクリートの隙間に一枝、花をつけていた。小さな釣鐘状の花は、淡紅色、青紫色でかわいい。いつか図鑑で見たことがあるような気がするが、思い出せない。                            出会いは続き、礼文島のゴロタ岬を訪れたとき、足を痛めていた私は、岬登りを連れ合いに任せ、小さな浜に降りた。小舟の横にはこの草が、群生し、花をいっぱい付けているではないか。で、思い出した。ハマベンケイソウ。ベンケイソウと名前にあり、葉はベンケイソウのように多肉質であり、弁慶のようにた くましいが、ムラサキ科ハマベンケイソウ属の多年草でベンケイソウ科とは全く無縁な草である。その隣に本物のベンケイソウの仲間達が美しい花をつけていたが・・・

 観光客は、皆岬に登って行き、誰も貴重な海浜植物に気がつかない。私が夢中で
シャッターを切っているのに気づいてなにごとかだろうと思った女性が2人いたが、その人達も行ってしまった。
 牧野富太郎氏は何十年も前に、高山植物と同様に海浜植物も保護しなければ、なくなってしまうだろうと言っている。原生花園のように保護されずに、本来の姿を保つことはとても難しいことだろう。今迄にそのような浜辺に出会ったのは、石垣島とここ礼文島だけだ。人口の少ない北と南の島というのも暗示があると思う。牧野さんの言葉が身にしみた。

弁慶と花の名前は強くとも
        ひそかに咲くは最果ての浜
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冷奴意気地崩れて醤油垂らす   朱露

2009年07月17日 | Weblog


      冷奴というものは朝は食わない。
      昼飯に冷奴というのも間抜けだ。
      晩一人静かに冷奴を崩して悩む。
      醤油を垂らし過ぎたらどうする。

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はたた神がやってくる   麗

2009年07月16日 | Weblog
久しぶりの句会出席だった愚足さん。
トップ賞おめでとうございます。

    遠雷や会議の声の静まりぬ  

やや盛り上がりに欠ける会議中、遠雷が聞こえる。心の中では帰りを急ぐ人も。。。
会議は踊らなかったけど句会は大いに踊りました。

なぜか人気者の愚足さんの奥様。「うちのはたた神」なんておっしゃていますが
ご一緒に礼文まで行かれるなんて素敵です。

そして郁子さんの

   水まけばビーズ現る蜘蛛の糸

いつまでも乙女の感覚をお持ちの感性豊かな一句。
私もビーズが見えるような水まきをしたいものです。

来月のお題は「水澄む」
どんな格調高い句が生まれるのでしょうか?心を澄ませて作りましょう。

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7月句会の結果をお知らせします。  遅足

2009年07月16日 | Weblog
7月句会の結果です。
 猛暑の日で、冷たいビールが何よりの句会でした。

題詠「雷」
①周平の文庫本閉じ雷雨聞く(朱露)愚足・狗子・鳥野・童子・立雄
②遠雷や「1Q84」読みふける(麗子)狗子
③窓にありのたうつ影や夜の雷 (郁子)
④遠雷や網にするめの反り返り(晴代)亜子・郁子・麗子・遅足・能登・朱露・鳥野・童子・立雄
⑤雷雲や法堂(ハットウ)天に動かざり(能登)遅足・愚山
⑥遠雷や会議の声の静まりぬ(愚足)晴代・亜子・麗子・狗子・朱露・愚山・鳥野・静荷
⑦逃げまはる湯上がりの児やはたた神 (亜子)郁子・能登  
⑧まなうらに太古の畏怖や夜の雷 (静荷)郁子・愚足  
⑨病める世に銅鑼打ち鳴らすはたた神 (立雄)晴代    
⑩はたた神にもあるらしきものわすれ(遅足)晴代・愚足・能登・静荷・立雄  
⑪雷や秘書を叱って左遷され(狗子)麗子・遅足・朱露・愚山
⑫雷鳴や降り残しては遠去かる(愚山)亜子・静荷・童子
 
自由題
①黄檗山ほていの腹に汗見たる(能登)鳥野・童子
②葉裏よりふわりと空へ梅雨の蝶 (晴代)郁子・愚足・能登・愚山・鳥野・立雄
③水まけばビーズ現る蜘蛛の糸 (郁子)晴代・亜子・麗子・狗子・能登・朱露・立雄
④ペチュニアの花新たなり半夏生 (麗子)
⑤手筒揚り好人物が降ってくる (朱露)遅足
⑥烈風に花揺れ礼文日和かな(愚足)麗子・静荷・童子
⑦初蝉の弱々しきがすぐ猛く(静荷)晴代・愚足・遅足・朱露・愚山    
⑧晩年のときめきありぬ遠き雷 (亜子)晴代・朱露・鳥野・静荷  
⑨手術終え紫陽花の青冴えて見ゆ(立雄)亜子・郁子・麗子・愚足・静荷・童子  
⑩かりそめの世をかりそめに冷奴(遅足)亜子・狗子・愚山    
⑪清流に白磁の皿の夏料理(狗子)郁子・立雄
⑫彦星や雲のカーテンそっと締め(愚山)狗子・遅足・能登

☆次回は、8月19日(水)午後7時 安田屋

 詠題は「水澄む」です。
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生前の手をあらいゐる半夏生   遅足

2009年07月15日 | Weblog
この句に、こんな素晴らしい読み方をしていただきました。

今来たばかりの新人がハンドウォッシュで手を洗っている。
場所は天国。生前の汚れをゴシゴシ。
だとしたらとてもユーモラス。
半夏生はよく利いています。
「生前の手」がわかりにくいかもしれません。

ありがとうございます。

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