575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

牡丹は木芍薬は草如何にせん   朱露

2009年07月15日 | Weblog

    牡丹はボタン科の落葉低木で中国原産。
    芍薬もボタン科の多年草で同じく中国。
    木があるか冬枯れるかの違いしかない。
    「立てば芍薬座れば牡丹」は反対ダロ。

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ミツバチ受難   鳥野

2009年07月14日 | Weblog
「花を追って今年も富良野へ来ています・・」或る養蜂家のHPです。
ここのミツバチたちは健在の様子で一安心。
このところ、ミツバチやマルハナバチの激減が大きな問題になって、再々報道されているのです。

蜂蜜採集にしても、花粉交配の働き手としても、蜂の恩恵は計り知れないもの。減少は大打撃です。

驚異的な知性を駆使して社会を構成し、種の保存のためにせっせと働く蜂たちを、利用し成果を横取りする人間。
近来は、より生産性の高いセイヨウミツバチを導入し、いつの間にか在来のニホンミツバチを駆逐してしまいました。

洋種が環境の違う日本で酷使され、過労とストレスで、へたりはじめたのも無理のないこと。

でも、野生のニホンミツバチは開発の届かない森で、元気に生きのびているそうです。

蜜の生産量は外来種に比べて少ないものの、風土に合った強み。期待できそうです。

  花に倦みノルマにあえぐ蜜蜂か だらりと脚さげ菜畑見過ごす

                          鳥野

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礼文日和        愚足

2009年07月13日 | Weblog
 今回の北海道旅行の目玉は「利尻島・礼文島」観光だ。
 花の浮島・花の楽園・島は高山植物園のキャチフレーズに、植物好きの妻は期待に胸を膨らませ船酔い症もなんのその大張りきりで北の離島に向かいました。
 有名な利尻富士は終日霧と雲に隠れ、利尻も礼文のどこへいっても霧と雨と風のお出迎えでした。
 特に礼文の風は烈風といっていいほどで、レンタカーの社員から突風でドアが激しく開閉するから駐車や一時下車の時はくれぐれも注意するようにと言われたほどです。 その通り風で小型のレンタカーは山道をガタガタ言いながら走って行きました。ですから原生花園で草花を撮影するのは至難の業、二人で体を張って防風人となって、風か弱まる一瞬を狙っての撮影でした。事に礼文島北端のスコトン岬は海から垂直にたちあがる崖の上の草原にあり、強風の名所である。そこのトイレに日本北限のトイレと書いてあり好奇心で用をたしたが窓から吹き込む風にはいささか面喰っいました。
 宿に帰り女将に風と小雨とで散々だったというと、「よい体験をされました、これを礼文日和といいますのよ」とニッコリと笑ってあしらわれました。

烈風に花撮る人の囲みあり
   北限のトイレ吹きぬく夏嵐
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句集という響き汚し蟻地獄    朱露

2009年07月13日 | Weblog

     苦臭というのはなくて苦渋または苦汁。
     うまく行かないのが苦渋その味が苦汁。
     蟻地獄はウスバカゲロウの幼虫季語夏。
     すり鉢穴に隠れ俳句が落ちるのを待つ。


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レーダー基地と児童公園        愚足

2009年07月12日 | Weblog
今回久しぶりに北海道を旅した。宗谷岬のある道北である。
 北海道を旅行するたびに感ずるのだが、北海道には自衛隊基地が多い。
 山間部でも海岸部でも自衛隊の車両によく出会う。
 施設の面積も、隊員数も全国ダントツらしい。
 米軍基地面積も沖縄より北海道のほうが多い。在沖縄米軍基地は全体の23・5%だが、北海道は34・1%で第一位だ。
 日本の軍事基地が北海道・沖縄と国土の先端に集中しており、歴史的にも住民が重い負担を背負ってきたことを考えると、少しでも縮小する運動が必要だと思う。
 
 今回の旅行でこうした基地や演習地と隣り合った生活をしている様子が多く見受けられた。添付の写真はその一場面である。
 納沙布岬の海岸段丘の上には、自衛隊の対ロシアのレーダー基地があり球体のドームに囲まれた幾つものレーダーと電波塔が聳え、丘の下の平坦地には二百人余の隊員の兵舎群とノシャップ町民の家々と児童公園が同居していた。

 これも夏爽やかな北の大地のもう一つの顔である。

  丘に建つレーダー基地や雲の峰
  子ら笑う声を拾うか北の基地
  おろしゃの声を聴きおり夏花野
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南吹く悪心兆す陰に籠る   朱露

2009年07月11日 | Weblog

  「悪心」は他人に恨みを抱くことと広辞苑。
  南風が吹くと何故こうなるか考えてもムダ。
  南風なら家に籠って難を避けるのが賢明だ。
  加害者になる難を避けるは言うまでもない。

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教え魔や哀しき夏のティーショット   朱露

2009年07月11日 | Weblog

    教え魔が近寄ると逃げようか殺そうか困り果てる。
    風呂場で近寄って来るともう逃げも隠れも出来ぬ。
    「いっそ湯船に沈めてやろうか」と思ったりして。
    教えたくてたまらない笑顔を見るとそれも出来ず。

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エゾニュウ 草女

2009年07月10日 | Weblog
 網走からオホーツク海に沿って、北上したのは、7月の初め。北に行くにつれ、道の左右の草地に大きなセリ科の植物が現れた。大型なセリ科といえば、シシウドかオオハナウドと思っていたが、それが違った。
 網走と宗谷の中間にあるクッチャロ湖のベニヤ原生花園では、2、30本が小山のように盛り上がってまさに咲かんとしている。茎は直径5,6cm、草たけ2,3mはある。
 クッチャロ湖のビジターセンターの人にエゾニュウと教えてもらった。その人もエゾニュウを好ましく思っているらしく、「枯れてからもいいんですよ。」と去年のエゾニュウを手に説明してくれた。ものみな枯れた原野に枯れたエゾニュウは枯れたまま立っている。もちろん花はないが、放射線状の花茎は残って、原野の寂しさを強調することだろう。                          「ソングポストにもなるんです。」鳥が縄張りなどを主張するための高い草木の事である。その前日、枯れたエゾニュウの茎でノゴマ(北海道などで繁殖する夏鳥)が盛んに囀っているのを見ていた。

 北海道は大きい、その北海道にぴったりの草。今回、たくさんの花に出会ったがこのエゾニュウが一番印象に残った。

 調べてみると、ニュウはアイヌ語であるが、意味はわからないとのこと。同じ仲間にアマニュウという大型の草があり、これは茎が甘いそうだ。エゾニュウも山菜として食べるという。さぞ食べでがあるだろう。

  烈風に北の大地のエゾのニュウ      ぐ
  エゾニュウの林立するや鳥の宿
  エゾニュウの力強さは父に似て
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天地人    麗

2009年07月09日 | Weblog
「天の時、地の利、人の和
この三つが合わさった時争いは起きなくなる」と上杉謙信が言ったとか。
ウイグル自治区には何が足りないのでしょうか?いずれも足りない気がします。

これから山形へ行ってきます。上杉神社で直江兼続の愛の甲が見られるかな?
初めての山形旅行です。
お天気が心配ですが米沢牛を楽しみに出かけます。

        天地人導かれての夏の旅  麗
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六月の穴が欠伸を噛み殺す   遅足

2009年07月08日 | Weblog
先回の句会でみごと零点を取ったこの句。
こんな感想をいただきました。
 
欠伸を噛み殺すとは、出かかった欠伸を抑えることだと思いますが、
それを抑えるのが、「六月の穴」であるという、
ちょっと謎解きのようで、すっと理解しにくいですが、
六月の湿気を帯びた穴ならそれもありかも、と思いました。

   

自分で読み返していたら、
欠伸をしようとする人間の口を、クログロとした穴が
覆いかぶさって一飲みにしようとする・・・
水分の多い六月には、そんな怪物もいるかも。
そんなイメージも浮かんで「迷句」だと思いました。

   





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美味しい食卓が長生きの秘訣?   遅足

2009年07月08日 | Weblog
記憶装置が故障した母のお話しです。

最近のことはすぐ忘れてしまいますが、
子供時代のことは、じつに、よく覚えています。
92歳という歳月は、おおきな宝物なのでしょう。
でも、過去のことは話相手がいなくては・・・
どんどん話し相手が消えてゆく。サミシイことです。

さまざまな能力が衰えていくなかで、どのように「今」を楽しむのか?
残された能力を使って、どんな楽しみがあるのでしょうか?
五感のうち、どの感覚が、しぶとく生き残るのでしょう?

ヒントになりそうな本がありました。医学関係の本でした。
脳死状態の患者さんに、どういうケアが効果的なのか?
こんなことが書いてありました。

①匂いを嗅がせる。
②呼びかける。
③ヘッドフォンステレオで音楽を聞かせる。
④からだをマッサージする。

このなかには眼がありません。
眼という人間にとって一番発達した能力が、一時的に失われていても、
鼻、耳と肌という、より原初的な能力は残っている、
ということでしょうか。

嗅覚は、一番原始的な感覚のひとつで、
鼻と脳との間の神経は、眼などと違って交差することなく、
まっすぐ繋がっているそうです。

また耳は最後まで残る能力で、死んでいく人は、
周囲の話を聞いていると言います。

感覚を使った楽しみ方は、その人の生き様に深く関わっており、
急に出来ることではないようです。
若い時から五感を楽しませる術を身につけていくことが大切ですが、
もう若く、ありません。
しかし、今からでも、遅くはないかも。

   

母は食欲は衰えていません。
さすがに以前のように大食ではありませんが。
気管支炎で入院していた時は、薬の副作用で、
ダメでしたが、退院後には、舌はしっかり回復しています。
よく食べます。これは素晴らしいことです。

看護士さんも、自分の口で食べる人は長生きです、とのこと。
まだまだ5年は大丈夫でしょう。

食べることは生きる基本。
さっさと食べずに、
目で楽しむ。
鼻で楽しむ。
舌触りを楽しむ。
おしゃべりを楽しむ。
しみじみと美味しんぼをすること。

五感をフルに楽しませる食事が人生を一日でも長く楽しむこと、
その大切さを、母は身を持って教えてくれているようです。



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「スピカ恋しや」 鳥野

2009年07月07日 | Weblog

星座は乙女座、その主星スピカはわたしの守護神、
笑わないでください。
歳をとったからと言って変えようのないことなのです。

梅雨が明けて、冴えた夏空になると、乙女座の位置は天頂。
本来ならそのアルファー星は白光に輝くはずです。

でも、街なかのマンションではビル灯りや、
さまざまなライトアップに邪魔されて、見ることは殆どできません。

スピカとは、ラテン語のスパイクが語源で、
植物の「穂」の意味もあり、陽光と慈雨を司る女神とされています。

その表面温度は、2万度。
太陽が6千度、あの赤い星のアンタレスでも3千度というから、すごい。


  ・ わが星のスピカが西に昇りきぬ春はゆくらし蘭けきらぬまま


  ・ 二千度の熱に滾りてなお白きスピカの光芒いまだまみえず


                           鳥野




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コトバで風景をつりあげる    遅足

2009年07月06日 | Weblog
先日、歌人協会のシンポジュームが蒲郡で開かれました。
ちょっと好奇心を起こして行ってきました。

そこで、歌人の高野公彦さんの歌の作り方が紹介されました。
高野さんは吟行に行っても歌がぜんぜん出来ないそうです。
目の前の風景は厳然として、その前にあって、
言葉を拒否しているようだ、と話していました。
(じつは私も吟行は苦手です。)
では、どうように歌をつくるのか?

地下鉄で乙女に席を譲られて樹雨(きさめ)浴びたるごとくまどいぬ

この歌は、まず、樹雨という言葉がこころに浮かび、
この言葉から風景をたぐりよせてつくるのだそうです。
そして最初の言葉は、できるだけ目立たないように、
できれば消してしまう、とのこと。

風景は、時間というフィルターを通して、潜在意識のなかに沈んでおり、
それを言葉でつりあげてくるという言い方をしていました。

ポイントは最初の言葉を目立たなくするという推敲。
樹雨は、ちょっと目だっていますかね?とも。

私も言葉から俳句をつくるので、とてもよく分かりました。
とくに風景をつりあげる、ということ。
私は、風景に到達するまえの中途半端なところで
句にしてしまうのでわかりにくいのだと、自分の欠点が理解できました。
いつも荻原先生に指摘されていることですが。

   今日は


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川柳作家・鶴彬生誕100年  遅足

2009年07月05日 | Weblog
先日の金沢旅行で卯辰山に登りました。(といっても車です。)
そこで出会ったのが川柳作家・鶴彬(つるあきら)の句碑です。

  暁を抱いて闇にゐる蕾

今年は、鶴彬生誕100年ということで、
「鶴彬・こころの軌跡」というドキュメンタリー映画が製作、
上映されているそうです。

  

鶴彬は、川柳作歌としてのペンネーム。
本名は喜多一二(きたかつじ)、石川県かほく市高松生まれです。

  手と足をもいだ丸太にしてかへし

代表作のひとつです。
「あそこの息子さん、命拾いをして帰還したけれど・・・」
と、いうヒソヒソ話が聞こえてきそうです。
表立っては言えぬことをグサリと。
川柳ならではの一句です。

   

初めは、ロマンチックな句をつくっていた少年、
喜多一二は、社会主義運動の高まりのなかで、
戦争の現実を直視していきます。
21歳の時、金沢歩兵第七連隊に入営。
日本共産青年同盟の機関紙『無産青年』をもちこむなど反戦活動をし、
治安維持法違反で逮捕され、懲役二年の刑に。

日中戦争の始まった昭和12年には、

  万歳とあげて行った手を大陸へおいて来た

  屍のゐないニュース映画で勇ましい

などの句を発表しています。
ニュース映画の「ヤラセ」を皮肉った句も。

そして、ふたたび治安維持法違反で、東京の野方署に留置され、
翌年、赤痢に感染、病院で亡くなります。
28歳でした。

    

金沢の第七連隊での事件では、鶴彬など3人が憲兵隊に逮捕されました。
なかの一人が、新聞記者で、戦後に、CBCの創立に深く関わったK氏。
この時の取調べの様子を回顧録に、こんな風に書いています。

「お前は日本の天皇制をどう思うか」
「現在の天皇をどう思っているか」と同じことを
来る日も来るも聞かれるのである。
少しでも前回と違ったことをしゃべると、そこを鋭く突っ込み
えぐるようにして本音を吐かせようとするのである。
だから毎日毎日が飽き飽きして退屈でしょうがなかった。
考えることといえば食うことばかり・・・

鶴の川柳は「日本ペンクラブ・電子文藝館」で
読むことが出来ます。

そういえば太宰治も生誕100年ですね。

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ブラック・ベリー   角寿

2009年07月04日 | Weblog
写真は、我が家の狭い庭で陣取る、
ブッラクベリーです。
この赤い実が、やがて真っ黒に熟しますと、
食べられます。

しかし、野生のため、もの凄くすっぱく、
ジャムにする程度です。

   

我家の近くにもブラックベリーがあります。
おいしそうですが・・・
すっぱいんですか。
一粒コッソリ試食してみようかな。 (遅足)





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