人外花境

暇人の何でも自然観察日記

主に野歩き山歩き.たまに旅歩きの写真ブログ

支笏火山

2006年04月20日 | 今日の雑感雑記

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 支笏湖の風不死岳(1103m)から見た恵庭岳(1320m)と樽前山(1038m)です。支笏湖は、 約二万年前の破局的大噴火によって生じたカルデラ湖です。当初は円形だったのでしょう が、恵庭岳・風不死岳・樽前山などの外輪山が噴火し、現在のまゆ型に成ってしまいまし た。また当時は太平洋に流れていた石狩川が火砕流により埋没し、日本海へと流路を変 えました。この火砕流は、札幌市にまで達しています。建築用石材として有名な札幌軟石 です。(溶結凝灰岩のこと、地質図でピンク色の部分)

 すでに活動を停止しているとは言え、札幌市の南西部には火山活動の跡だらけです。 樽前山は今後小規模な噴火が予想され、厳重な監視下に置かれていますが、支笏火山 そのものが再度破局的大噴火を起こしたらどうなるでしょう。その様な事態を想定し書か れたのが石黒あきらの小説「死都日本」です。おすすめ本に追加しておきました。小説の 題名で解るとおり日本と言う国は、地獄の釜の蓋の上に有る様なものです。いつ何時釜 の蓋が開くかも知れません。

 なぜこの様な事を書くかと言えば「災害は忘れた頃にやって来る」という言葉が有りま す。これを裏返せば「自分が生きている間に特別な事は起こらない」と言う思い込みです。 地質学的時間スケールと比較すれば、一人の人間の一生などは一瞬の間です。よほど 運が悪くなければ、地質学的特別な事態に遭遇する事はないでしょう。でもこれは確率の 問題なのです。確率が0で無い限り、いつかはやって来る運命です。