今から約30年前、青函トンネル建設中の写真です。場所は北海道方横取基地、トンネ ル内を通過中に列車火災が発生したとき、ここえ列車を引き込んで消火する場所です。
当時はまだ、高度経済成長期で、世の中それ行けドンドンの時代でしたから、掘って掘っ て掘りまくって、52kmを堀抜いてしまいました。各国からの視察団も多数訪れ、色々な質 問をしていました。その中でも有名なのが、旧ソビエトの視察団だったと思いますが「この トンネルは、一時間当たり何台の戦車を運搬出来ますか」。当然と言えば当然の質問で すが、時代背景を感じます。実際日本の自衛隊が、実物の戦車を台車に乗せて、走行実 験を行いました。
その後時代が変わり、青函トンネルは世界三大バカに一つ加わっただけ(万里の長城・ エジプトのピラミット・戦艦大和、その他諸説有り)と酷評された。中には、海水を引き込ん で水没させてしまえ、と言う御仁もいた。経済原理主義者は、今も昔も居るものですな。
トンネル掘削の進行に伴い、日々刻々と変わる地下の様子を見てきた者にとっては、地 球の歴史の成せる技をかいま見る思いがしました。とは言っても52km間の歴史は、たか だか2000万年です。地球の歴史46億年、宇宙の歴史137億年に比べれば、一瞬の歴史 ではありますが。