今日は4月1日、春を探しに立待岬へ行ったが、まだ一面枯野の岬に春を見つけること は出来ませんでした。啄木一族の墓も、春浅い寒風の中に佇んでいた。熱心な啄木ファ ンが居るとみえて、綺麗な花が添えられていました。墓を裏からみれば、小島の磯と詠ん だ大森浜方向を向いています。
「蟹とたわむれている暇が有ったら働け」などと無粋なジョークが有りましたが、何となく 今様のフリーターを連想してしまい、プータローの我が身と重ね合わせ身につまされるも のが有りました。貧しさに泣き濡れても、それなりに働いていた啄木はエライ。蟹とたわむ れていても、それをちゃんと詩に詠んでしまうとは、もっとエライ。私だったら「今夜のおか ずゲット!」ぐらいのことしか思い浮かびませんがね。
ところで、啄木が蟹とたわむれていた具体的場所はどこでしょうか?啄木の像が有る啄木小公園は日之出町の海岸に有ります。此処でしょうか?いえ違います。なぜなら「小島の磯の白砂に」と詠んでいます。磯とは石の多い浜辺を指します。該当する場所は、現在の住吉漁港周辺だけです。青柳町の自宅からトコトコと坂を下っていったのでしょう。