船が祖納集落の沖を通過するとき、この様な風景が見えてくる。左端が祖納集落と波多浜(ナンタハマ)、 中央の切り立った崖がティンダハナタ、右端が宇良部岳(231m)です。今日はこのティンダハナタへ登ってみまし ょう。とは言っても車で行けます。
ティンダハナタの断崖は、隆起した琉球石灰岩の崖です。与那国島全体は、多くの断層によって階段状の 地形を成しており、このティンダハナタの崖も断層崖である。この遊歩道は、基盤岩の八重山層群の砂岩と上部 の琉球石灰岩の不整合面に沿って生じた差別浸食による窪地に作られている。
ティンダハナタから見下ろした祖納集落とナンタ浜、港湾建設が進みナンタ浜は港の中の一部に成ってしま っている。与那国島は別名「女護が島」と言う。この浜に船が着くと、島の乙女達が浜辺に自分の草履を揃え、 自分の草履を履いた人を島に滞在中世話をした、と言う言い伝えである。この話本当のところは、人頭税を負 けて貰うために自分の娘を琉球王府の役人に現地妻・妾として差し出した、と言うことらしい。
ティンダハナタにはサンアイ・イソバの碑が有る。サンアイ・イソバとはサンアイ村生まれのイソバの意味で、 身の丈八尺の女傑であったそうな。クブラバリやトゥングダの悪習を改めたり、宮古島からの軍勢を撃退したり して島民の信頼を得、女酋長として君臨したという。