菜の花の沖〈3〉文藝春秋このアイテムの詳細を見る |
【一口紹介】
出版社/著者からの内容紹介
江戸後期、ロシアと日本の間で数奇な運命を辿った北海の快男児・高田屋嘉兵衛を描いた名作が、大きな活字の新装版で一挙大登場!
内容(「BOOK」データベースより)
蝦夷地の主・松前藩は、アイヌの人びとを酷使して豊富な海産物を独占していたが、この内実を他に知られるのを恐れ、北辺にせまる大国ロシアの足音を聞きながら、それをも隠し続けた。漸くにして嘉兵衛が巨船を作り上げ、憧れのかの地を踏んだころから、情勢は意外な展開をみせ始めた。幕府が東蝦夷地の経営に乗り出したのだ。
【読んだ理由】
「播磨灘物語」に続いての司馬遼太郎作品。
【印象に残った一行】
『すでに「天下」と言う言葉の意味が狭くなり、それを補うことばとして「日本」が頻用されてきたことの例をあげると、きりがない。
「天下」には主権者のもつ機能である化(徳の作用)に浴する範囲内をさすという内容があり、風俗を異にする蝦夷の場合、化外とされた。「化外」の者は、徳川将軍の責任外であり、だからこそ松前藩に管理させてきたとも解釈できる。
が、「日本」の場合、その領域は「外ヶ浜」が北限でなく、蝦夷地および蝦夷ヶ千島とよばれた列島も入っていたし、そこが日本の中であるために、そこへ行っても当然、鎖国の国禁に触れなかった。「天下」にかわって「日本」が多用されはじめたのは、右のような事情による。』
【コメント】
主人公高田屋嘉兵衛の生き方は、人間「志」を持つか、持たないかがその人の人生、生き様に大きな影響を与えることを教えてくれる。
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